衝撃の事実
「ど、ど、どいう事!?」
衝撃のニュースにベッドを飛び上がり、キノコを握りしめて上下に揺らす。
(落ち着け。やめぬか)
「あ。キノコ、ごめんね」
(後、我はキノコではない、妖精女王である)
キノ…妖精女王が言うには、結界の膜には期限があるそうだ。膜を張ってから、一年保てば良い方だと言われた。えーと、ここに来たのがゴールデンウィークの5月の初めだったから…ここが日本と同じ四季があれば…ギリギリ春までは持ちそうと言う事か?
カサカサカサ
(中に入れていいかえ?)
「…普通にダメだけど!」
(あれは、我の眷属なので問題はない)
いやいやいや。色々と問題あるから! 見かけもだが、大きさも。
昨日から窓に張り付いていた理由は、この妖精女王の仲間だったからなんだね。心配して見守っていたのだろうか?
(大きさかえ、これでどうだ!)
えーと。妖精女王さん…これは普通のゴキブリのサイズになっただけですよね? これでどうだって自信もって言われても…しかも既に中に入って来てるし…
キノコとゴキブリの触れ合い。シュールな光景だ。
その後、このゴキちゃんズも妖精だと言う衝撃的な事実を明かされる。普通にゴブリンとか食べていたよ!? ゴブリン食いの妖精って…私の妖精に対するイメージがどんどん崩れていく。
(森の掃除をする妖精だ。カエデが良い養分を沢山献上したおかげで、百年ぶりに新たな妖精も誕生した。感謝する)
献上…うん。あれは、ゴミ捨…献上だったんだね。
あああ。だから、新しく子ができた時に、見せに来たのか! 彼らの性格は可愛いし純情なんだけどね…御姿が…
数多の情報と驚きを落ち着かせる為に一旦椅子に腰掛ける。
風邪…不思議水のおかげか、ショック治療なのか…体調の悪さは、何処かに飛んで行ってしまった。念の為に風邪薬を飲み、ミントティーでホッと息をつく。
ユキとうどんは暖炉の前で丸まっている。あったかそうだなぁ。
キノコと三匹のゴキブリが、並んでこちらを見ている。ゴキブリ以外の形にはなれないのだろうか?
(なれるぞえ。でもこの形が効率的で身動きが一番取りやすいであろう?)
いや確かにそうだし、地球でも3億年前から進化はしているものの、形はほぼ変わらない『生きた化石』説もあるのだが…地球での今までの何年にも及ぶ奴らとの戦いが、どうしても彼らを敵であり不潔な存在だと認識してしまう。
(そこまで言うのなら、これでどうじゃ?)
ゴキちゃんズがいた所を見ると、三匹の小さなカメムシがいる。
「ほぼ同じだからぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
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