ピックル液

 ローズマリーの採取も無事終わった。取りすぎたかな…これくらいあれば、冬は毎日ローズマリーが使えそうだ。確か、お茶にも出来るんだよね。ミントティー以外にもお茶が欲しいから、ちょうどよかった。インスタントコーヒーも緑茶も切れてしまった。


「グギャグギャ」


 もう不細工な面は飽きたんだよ!!! 大1、小2のゴブリンの脳天をグサグサとアイスピックで刺す。ん? 何だこれ? ゴブリンの手首に何か結んである。赤いリボン? え? 女の子ゴブリンだった? どちらにしろ殺すけどね。

 ログハウスに戻り、ピックル液を作る。ローズマリー、生姜、塩、胡椒、醤油を入れて煮詰め火を止め、冷めるのを待つ。

 ピックル液を待つ間、昼ご飯用に猪を焼く。へぇ~。結構いい匂いだね。思ったより、脂身が少ない。これだったら、干し肉には向いているね。

 味は…おお。これは旨い。この間の猪よりも、断然美味しい。


「キャウウン」

「何? うどんも欲しいの? 運んできた猪の残骸が、まだ残ってるでしょ。それを食べなさい」

「キューン」

「ちょっとだけよ。ほら」


 ポイっと肉片を投げる。うどんがワフッと宙でキャッチして、飲み込む。ちゃんと噛んで!


「キャウウン」

「もうダメだよ。ほら、ボール投げてあげるから」


 ボールを十数回投げる。早く飽きてくれないかな…

 鍋が冷めたので、焼酎を加える。ピックル液の完成だ。ゴミ袋に肉を入れ、液を流し込む。この作業を繰り返して、10キロ分の肉を液に付けることが出来た。明日の朝には綺麗に味が染みているだろう。

 問題は残りの肉だ…もう塩は使えないので、原始人スタイルで行くことにする。肉を出来るだ薄く切って干し肉にする。冬も近い事で、空気は乾燥している。腐らずに乾燥するかな? 

 部屋の中が、またしても肉だらけになる。場所が足りないので、外の日陰にも肉を干す。

 頑張って肉を切り干したが、それでもまだ肉は余っている。このままでは、肉が腐るので、塊肉の表面を焼く。余った破片肉の残りはスープに入れる。スープは何日か分ありそう。このベースのスープに肉や野菜を足しながら使えば、数日は料理しなくていいかな。焼いた肉は、一週間くらい腐らずにいてくれるだろうか。


 クンクン


 この纏わりつく死臭が辛い。女子力は元々ある方ではないが、流石に死臭のする女子ではなかったよ。

 薪割りをしたら、お風呂に入ろうっと。

 明日はピックル液の肉を燻製する。燻製用のチップは、ゴミ袋2個分あるから、十分にあるはず。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る