大量の肉問題
午前6:00。
おはようございます。
クンクン
猪の死骸に顔を突っ込むべきでは無かったかも…昨日は何度も髪を洗ったけどれ、身体から獣の臭いがする。臭いよー。
ベッドから降りて、テーブルの上の肉を眺める。肉は、家に全部入り切れず、半分は外に置いている。夜は冷え込んできたので、大丈夫だろう。
家の中は、絶賛生臭いけどね…
支度をして外に出る。
おー。肌寒い。
「キャウン」
「うどん、おはよう。何? またボール投げて欲しいの? はいはい。ほら、取ってこーい!」
うどんが勢いよくボールを追いかけて走って行く。朝から元気だなぁ。
ピタッとユキがくっついて来る。ユキちゃん! 遂に心を開いたの?
クンクン
貴方臭いわよ、とでも言わんとする顔をユキちゃんに向けられる。
ユキちゃん!
◇◇◇
さて、この量の肉をどうしようか。大部分を干し肉にする事は決定だが…この量の全てにふり塩は出来ない。ふり塩が出来ないなら、たて塩か…ソミュール液…いや、香辛料、醤油やハーブなどを加えたピックル液にしよう。ピックル液の作り方なら、SNSの動画で見たことがある。
実は、猪問題の最中にとても大きなローズマリーの木?を見かけた。私の身長よりも高さがあったので、初めはローズマリーだとは思わなかったんだけどね。
ピックル液は、多分肉10キロ分作れたらいい方かな。醤油がある分、塩はセーブ出来る。それでも3キロくらいは塩がいる。それを使うと、塩の残りは1キロも無い。冬が終わっても日本へ帰る事が出来ないなら、生きる為にも、ここを出ないといけない。極力ここに居たいが…
ユキたちもいるし、人里を探しに行こうかとも思ったけど…考えれば、考える程、リスクが高すぎる。それに、日本に戻れる可能性のあるここを離れたくない。人里がどれ程遠いのかも分からない。以前、拾った地図にも里や町っぽい場所は無かった。
よし! どんよりな気持ちを切り替えて、ローズマリーを採取に行く。ローズマリーなら乾燥して保存できるので、持てるだけ持って帰ろう。
途中、大猪の死骸現場を通る。独特の異臭がする。所々食いちぎられて、引き摺られた後がある。ゴキちゃんズ以外にもハイエナ活動をしてる動物が居るね。そういえば、最近はゴブリン共来ないな。大猪が居たからかな?
ローズマリーの木の前に到着する。
パキンパキンパキン
枝の様なローズマリーを切る。ナイフよりもハサミだね。匂いも味もちゃんとローズマリーだ。ユキちゃんのチェリー事件があるから、迂闊になんでも口に入れるべきじゃないけど、冬はもう目の前。採取も後一ヶ月出来たらいい方だと思う。そんな中で、食べれるかもしれないものを見逃すなんて出来ない。虫だって食ってやる!
…
嘘です。虫は食べません。
ゴキちゃんズ、冬越せるのかな?
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