狐親子
えーと..
一先ず、もう二匹の犬を始末する。小狐がやったの? 先に倒れた二匹の犬を見ると首元に…何だこれ? 氷柱?
まさか! こんな小狐まで魔法が使えるのか? 不公平だ!
「ネチョネチョバリバリ」
おう…小狐が犬を食べ始めたよ。美味しいのか? うん。犬も役に立つじゃん。これで兎はジャーキーにできるね。
「よく食べるね。美味しいの?」
「ハッハッヴァウー」
「いや、取らないから」
犬の牙を採取した所で、小狐のお食事タイムも終了したようだ。一匹分は母狐の餌に持って帰るか。
犬の足を持ち上げログハウスに向かい始める。小狐が残りの犬の死骸を見つめながら遠吠えをあげる。
「ギャオーン」
「一匹あれば十分でしょ! 残りはお掃除ゴキちゃんズのだよ」
小狐は渋々とログハウス迄ついて来た。部屋に戻ると母狐の意識が戻っている。どうやら部屋で暴れたようで物が散乱している。
「ギャーギャー」
うーん。警戒してるな。
ほら小狐、出番だよ。小狐がいる事を見せると母狐は急いで小狐に駆け寄る。
「キュキュキュイーン」
微笑ましい再会だが…この狐、部屋におしっこしやがったな! 掃除用具を持ってきて掃除をする。
臭い!
ズルズルズル
「あーコラ! 小狐! 何、犬を家の中に引きずってきてんの? 食べるなら外で食べなさい!」
「キューキャウーン」
「やめて! 綱引きじゃないから! ほらここね。ここの外で食べて!」
母狐は未だ警戒しているが、二匹仲良く外で犬を食べていている。私はその隙に家の中の掃除をする。あー謎の鳥の置物が壊れている。あれ? これ中が空洞になってたんだね。
チャリーン
ん? 鍵が落ちてきた。
えーと何の鍵だろう…考えても分からないから財布の中にでも入れておくか…この鳥の置物は…とりあえず何処かにしまっておこう。
「キュキュキュイーン」
ガリガリガリ
あーもう! ログハウスに入れろと小狐が表のドアを齧っている。齧るのやめて本当に…扉を開けて入るよう促す。母狐は入ってこないが、小狐は躊躇なく我が家のように入ってくる。
疲れたので狐親子は無視してコーヒーを作る。コーヒーのこの匂い落ち着くね。あー素晴らしい。
「キューン」
「ぐっ。ほら狐には水だよ」
コーヒーを飲みながら母狐を観察する。毛並みは小狐と同じ白で大きさは中型犬よりちょっと大きいくらいかな? 足先と鼻が少し黒くて、目はアイスブルー。見た目は狐。尻尾モコモコだね。こんなキーホルダー昔あったね。
「キャワーン」
母狐は先程からずっと私を見張っているが、小狐は大きな欠伸をしたと思ったらそのままソファで眠り始めた。
自由か!
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