オーク戦

 おはようございます。

 今日は朝7時に目覚めたが…寝不足気味。原因はあの小狐だ。夜はトイレもあるし外に出していたのだが、一晩中『キャウーン』と悲痛な叫びに、ガリガリとドアを齧っていた。

 ログハウスの中に入れると、今度は走り回って物をひっくり返す始末。母狐は相変わらず遠くから眺めているだけでログハウスには入ってこない。小狐を中に入れてドアを閉めようととすると母狐からの無言の圧力を感じたので、どうでも良くなって表のドアを開けたまま寝た。

 なので…今日は怠い身体を振り起こしてログハウスに入った虫を退治中である。


「小狐! 今日の夜は外で過ごしてもらうからね。よろしく」

「キューン」


 昨日の狐親子の餌になった犬を見ると半分以上食べてるな…結構食べるな…ゴブリンも食べるのだろうか?


バサバサバサ


 落とし穴を仕掛けた辺りで鳥が大量に羽ばたくのが見えた。もしかして、ゴブリンが落とし穴に引っかかったのか?

 落とし穴を確認する為に膜を出る。狐親子もついて来る。静かにしててね。


「グギャグギャ」


 やっぱりゴブリンか。

 お? あれは何だ? ゴブリンと一緒に豚の顔をした..ああ。あれオークか。身長は私より高く…とりあえず横に大きいな…


「ヴュー」


 おい! 母狐! 何がヴューだ! 静かにして欲しい。


「ブモォォ」


 オークに気付かれたじゃん!! オーク一匹、大ゴブリン二匹に小ゴブリン五匹の混合隊だ。

 狐親子もやる気だ。

 正直、狐親子を心配する余裕とかない。適当に頑張ってね狐親子。

 素早く動き、小ゴブリンを殲滅する。大ゴブリン二匹は母狐が始末した様だ。母狐も魔法かな?


 残るはオーク。奴は武器を持っていないので、ファイティングスタイルは拳か…武器をアイスピックから短剣と盾に持ち替える。

 オークの動きは遅い。こいつもボスゴブリンと同じでパワー系か? オークの横を走り後ろに回り込む、奴が振り向く前に背中の腰あたりを短剣で刺す。


「ギャオォォ」


 刺さったが、オークの肉の厚みが凄くて短剣が抜けない。短剣は諦めてオークから距離を取る。


「ブモォォ!!!」


 オークが私を目掛けて突っ込んでくる。サッと横に避けるが、オークに盾を掴まれる。くそっ。アイスピックでオークの手を刺す。痛さでオークが盾をから手を離す。


「ギモォォォ」

「どうだ! クソ豚め!」


 怒り狂ったオークにタックルされる。避けきれず地面に叩きつけられる。意識が飛びそうだ。オークが上から覆い被さり首を絞められる。重い…苦しい…



「ギャオーーーン」



 母狐だろうか? 無数の氷柱が横からオークに刺さる。オークが私の首から手を離して、小狐を掴みにかかる。母狐が小狐を押し除けたが、自身がオークに捕まり殴られそうになる。全てがスローモーションの様に見え、それを地面に横たえながら見てる私がいる。

 これじゃ殺される。身体が重い…ここで諦めるの? 違う。カエデ起きろ。カエデ!

 火事場の馬鹿力だったかもしれない。急に身体に気力が湧いた。アドレナリンが出ているのか?

 アイスピックを握りしめて、背を向けているオークの尻を目掛けて後ろから睾丸を思いっきり刺した。何度も刺した。


「ギョモォォォォ」


 痛さでオークが倒れ、母狐を手放した。苦しんでるオークの身体に股がりアイスピックで心臓を刺すが肉が厚くて心臓まで届かない…仕方ないので柔らかそうな喉を滅多刺しする。オークから『グボォォォ』と断末魔が聞こえ瞳から光が無くなる。


 勝ったのか…? 全身はまた返り血で血まみれだ…ダメだ…意識が保てずオークの上にそのまま気絶する。

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