兎の処理について

 二匹目の兎を袋に入れる。時間はもうすぐ14時。二匹目の死亡確認にも時間がかかった。


「夢から醒めない…」


 血の気が引く。

 もしかして、これって夢ではない? じゃあここはどこ? あの角兎や二足歩行の犬も現実なのか?


 ぐぅー


 腹の虫は元気だ。無心にカロリーバーを食べる。そうだ…これが現実なら食べ物とかどうしよう? キャンプは二泊を予定してたから、今日明日の食べ物はある。でもそれ以上はない。

 ログハウスに戻り荷物をチェックする。


 ミリタリーバックパック(65L)


テント一式

椅子

バーナー

焚火台

寝袋

ブランケット

長袖

下着

レインジャケット

レインパンツ

ヘッドライト

ファイアースターター

着火剤

ランタン(電池)

耐熱性手袋

ペグハンマー

折り畳みバケツ

食器

歯ブラシ

化粧品

ゴミ袋

トイレットペーパー

レジャーシート

布巾

調理器具

 ートング

 ースキレット

 ーカフェプレス

 ーアルミ鍋

 ーナイフ




 保冷バッグ


おにぎりx2

切ったミックス野菜袋x2

タンドリーチキン袋

シーザーサラダ袋

ベーコン

パン

米1合

冷凍シーフード

グラハムクラッカー

チョコ

マシュマロ

白ワイン

調味料



 バックパック(10L)


タオル

水筒

お菓子

カロリーバー

アーミーナイフ

電池

靴下

虫スプレー

日焼け止め

財布

双眼鏡

地図

ティッシュ

ソーラーチャージャー

サングラス

ファーストエイドキット(小)


 さすが65L。二日のキャンプには大きすぎるだろうと思ったけど、部長の元旦那ありがとう!

 本当だったら、今頃近場のハイキングスポットに行く予定だったんだけどね。今は謎の遭難をしている。まだ夢だという淡い期待もある。

 謎の遭難なら食べ物が心許ない。今あるもので伸ばせば四日くらいもつか? 生モノは今日か明日には食べないと悪くなるだろう。

 ログハウスを物色。保存食を見つけた。


アルファ米x24

カップラーメンx10

せんべいx1

羊羹x5

焼き鳥の缶詰x5

鯖缶x5

水ボトルx22

麦茶パック


 部長の叔父さんのは、スローライフを目指してるって聞いたけど…ある物は、震災グッズな気がする…それでも、食べ物があって良かった。特に水は心許なかった。ログハウスの裏に500Lの水タンクがあるが、そこから水は飲むなって言われていた。飲料水じゃないんだと思う。

 時計を見ると15:30。今考えていることは、兎をどうするかだ。実は食べ物を物色している時にサバイバル本をいくつか見つけた。その中の一つにジビエの捌き方などの本があった。

 兎をそのまま埋めるのは勿体ない気がした。兎の解体…私に出来るのか? 子供の頃に一度だけ鶏が捌かれるのを見たが…

 本には、獲物が死んだ一時間以内に捌いた方がいいと書いてる。兎が死んでから二時間くらいたった?

 迷っているうちに、更に三十分時間が過ぎる。この後は、夕食の準備もある。今日はやめとこう。ログハウスにあったスコップで穴を掘り兎を放り込んで埋める。後ろめたい気分だが仕方ない。

 夕食には、もともと予定してたシーフードパエリアをバーナーの上で作る。良い出来だ。半分は明日だべよう。

 今日はログハウスに泊まる。

 外は、一気に暗くなる。ログハウスの中も真っ暗になる。電池はまだあるがセーブしたいのでランタンは消す。スマホを見るが相変わらず圏外。スマホの写真をスクロールすると元カレがいた。正直こいつの事、忘れてたわ。はははと声に出して笑う。

 明日起きたら夢でありますようにと願い意識を手放す。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る