第7話 晩夏

「晩夏」


夏の終わりがやってくる

夏の終わりがやってくる


その時

私が見ていた景色は

夏の終わりにふさわしい

絶望的な晩夏の景色


その時

私の心は

すべての自分に絶望していて

自分で自分を終わらせてしまうこと

そればかりを考えていて

その前に

その前にしなければならないことがあって

それだけのために

それだけのために

ただ生きていたようなものでした


それでも夜になると

秋の始まりを思い知らされて

一人ぼっちを思い出して

さびしくて

さびしくて

それから

肌寒くて

人恋しくて

ふるさとにいる母に会いたい

ふるさとに帰って父に会いたい

そんなことばかりを考えていた

辛くて苦しい

夏の終わりの景色でした


これが私の晩夏の風景です

夏の終わりの風景です

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絶望風景~だからまだ僕は生きていられる~ 詩川貴彦 @zougekaigan

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