ミツグの一日、笑う青鬼と塩トマト 1-13

ミツグの一日は朝食前、の対人想定独り稽古から始まる。


上段打ち、回し打ち、中段突き、払い受け、下段受け、上段受け、動作をいろいろ混ぜながら一時間程。この動きは受けが攻めの打ちであり受けでありとイメージ次第。理想は相手が打ち込んできたら首、次の理想が相手手首、最後に相手武器受け。動きが間に合えば、受けがカウンターになり一撃理想。最初に面白がって長巻(刃と柄が同じくらい長さ)を作ったが、対人であれば棒ないし薙刀が、脳内シュミレーションではいいかなと考えている。長さ、重さ、石突き、(反り)、を有効に使えるのはステータスの上昇により、武器そのものを日々重くしている。構えも棒術の腰を落とした構えと薙刀独自の構えを教わっていたので両方練習している。おまけに左手義手を土魔法で運用しているので、トリッキーな攻撃をいろいろ工夫している。


好戦的でない性格のミツグ、どうしても簡単に勝つor制圧するにはと考えている。正々堂々からは遠い。


朝食は、老マンドレイクの魂に引きずられるのか肉はそんなに食べたいではないので、おにぎりと果物で充分との思考。基本、天棚機姫神様の要望通りである。記憶を一通り読まれているので、とにかく弐本でミツグが食べたことあるものを順次、要望を受ける感じだ。


朝食後は勇者鳩達とのレベリング。ミツグはひたすら漁場というか狩り場としている海でひたすら20㎝以上の魔物、魚を浜にひたすら順次水揚げ、そのあとは鳩にお任せでどんどん経験値積み上げ。そんなこんなで本日鳩は進化条件200レベルまで上がったので【エンシェントピース】となり、職業は今まで通り全羽、ファーストジョブ勇者、セカンドジョブ迷宮主。よって本契約となる。


本契約


労働時間5時間程度(基本午前中) 残業代はその都度個別交渉 交代で三羽から五羽勤務 産休、育休性別関係なく無制限取得可 食住の支援、要望全力対応(リクエストする権利一日三ずつ) 即日契約解除可 エンシェントピースの種の保全優先 鳩事(人事)権、勤務ローテーションは雪風 本契約内容の変更は両者の合意必要 武器供与全力対応


どちらが主かわからない契約が成立する。残念ながら本契約となっても密かに期待していたミツグのステータスに変化なし。へこむミツグ。過剰すぎる戦力でいいじゃないかと自分を納得させる。


本契約成立したので明日からはいよいよ街を目指しての移動を決断する。


午後の自由時間のミツグは基本。身体の内側から沸き起こる衝動のままに新種創造。かれこれ一週間ミツグは、空気を内包した岩を融合し浮島100m×100mを創り上層に多孔質の層を創り新種創造した植物を植え、ボトルメールではないが、海に次々と浮島を流している。


浮島の目的はミツグの中では趣味の時間になってきている。【新種創造】の内訳は、ミツグの好きな野菜で


魔竹:海水と魔力で生育する竹。150㎝の高さの節に真水が溜まる。繁殖可。消費範囲制限なし。

魔トマト樹:海水と魔力で生育するトマト。賞味範囲200m。繁殖可。

魔シソの樹:海水と魔力で生育するシソ。賞味範囲200m。繁殖可。

魔バジルの樹:海水と魔力で生育するバジル。賞味範囲200m。繁殖可。

魔大豆の樹:海水と魔力で生育する大豆。賞味範囲200m。繁殖可。


ミツグの考えでは、魔竹セットの浮島がアフリカ大陸やチリ沿岸部みたいな乾いた大地に流れついたらいいなあである。元の弐本のミツグがいた世界では海水で育つ遺伝子改良された野菜が売られ始めていたのを丸パクした。海水で育つ野菜シリーズのデメリットは生育速度が遅い。生育速度が遅くても海水で育つメリット大きい。これを魔力で育つよう改変したので、生育速度のデメリットを消している。何があるのか知らない世界で輸送不可はミツグなりの衣食住の食だけでも搾取されないようにとのこだわり。


午後の最後に勇者元ベニバトのサスケの要望によりゴブリンから進化した綺麗好き青鬼に武器等供与しに元収容所へいく。青鬼への武器供与は10㎏70㎝鉈と5㎏50㎝鉈を10本づつとミツグ自身の革靴作りに使った道具シリーズを二セットと余った革多めに渡す。武器は青鬼大喜びで振り回して、ドン引きのミツグ。サスケは、また進化すれば頭良くなるから大丈夫と安請け合い。人間いないからまあいいやとしてしまうミツグ。


最後に最近夜なべして創っている神具シリーズの最初期の試作品、着せ替え人形タカちゃんを青鬼女性に4人(子供二人)に渡す。天棚機姫神様の希望である。神社ではなく、こちらがいいとのこと。理由、楽しいからとのこと。弐本にいた時にもこの方法を採用していればと悔しがる程である・・・。要は一年中開催のコンテストみたいなものである。神力に余裕がある姫神様から、賞品として加護【上級生活魔法】を渡すとのこと。


「いいいんですか?」と聞いた時、返事は

「沢山神具作って」である・・・。


職業【御神饌番】、の役割以上のことを軽く要求し押し通す・・・・。まあ無職よりマシでしょでもらった職業だしなあ・・・。と考えるミツグ。今日の夜も人形クオリティより上のフィギュアという神具づくりを異世界にて頑張るミツグ・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

元社畜、スキル「勇者4分の1」「森林」でボッチな姫神様と異世界ライフ。 よちよちのすけ @yochiyochinosuke

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ