異世界トルネードコンロ 1-12
信者獲得の為の神具づくりをしながら邪神認定騒動が終わった次の日の事を思い出す。
姫神様は、褒美だといって扉式勇者召喚の失敗により失った左手、手のひら半分を補う義手づくりを、土魔法と上級生活魔法、【森林】を使って創るのを指導してくれる形で手伝ってくれた。
義手のおかげでいろいろ製作できるようになった5日間。左手、手のひらは常に少しの土魔法の発動で動かしている。魔力操作より土魔法による操作にしたのは、ミツグの判断。町の中で戦闘に巻き込まれたことを想定し、暗器を今日までいろいろ試作した。上級生活魔法と土魔法で鉄製の武器を作れるようになったので、とにかくいろいろ創った。ミツグの好みにより刃90㎝柄90㎝の長巻、刃30㎝柄150㎝の薙刀、250㎝の槍。刺すに特化した小刀を沢山。そして、同じ見た目の小刀で作ったスペツナズナイフ、強力スプリング式で10mは飛ぶ自信作も沢山。魔法を使わないのでノーアクションで飛ぶのがミツグがいざという時に役立つとの工夫。
一週間武器作りをしながら、街で現金収入を得る方法をいろいろ考えた結果、考えついたのがトルネードコンロである。試作を始める。ロケットストーブの異世界改良版、少ない小枝で高火力で焚き付けできる。仕組みは簡単20㎝辺の立法体でレの字に上面と横面に直径5㎝の穴。レの字の上から曲がる直前に空気の流れが渦巻くよう小さな突起。そしてミツグ最大の工夫が立方体の材料になんと、温めると遠赤外線を放出する。溶岩で焼くと美味しいザマゾンで買った溶岩プレートをミツグ週末弐本でのアウトドアライフ(アレルギー、ハウスダスト二項目、イエダニ2種類ともにクラス6の最悪持ち)で常用していたので、今回、材料溶岩、材料採取は勇者様の鑑定頼みで採取からお願いし入手。真似されても遠赤外線放出の部分は真似できないだろうというミツグの自己満足の為の工夫である。ロケットストーブで大事なのは煙突部分が冷めにくいのが大事。ドラフト現象と二次燃焼する温度を保つ工夫が少ない燃料でのドラフト現象の持続につながるのである。アウトドアライフで空き缶自作ロケットストーブ使っていたミツグの経験と溶岩プレートの融合である。魔法要素ゼロ、魔石使ってないよ・・・。
「あんた何をさぼってるのよ。神具どれだけ作れた?」突如現れる姫神様。
「どうです、これいいでしょう!」ミツグどや顔で。
「ただの立方体でどう褒めるのよ。工芸品としての美しさゼロね。」
「五徳部分くらいは炎を象った造形にしなさいよ」
笑うミツグ。冗談を姫神様が冗談をっているのがわかるだけに笑う。かなり畏れが薄まったミツグである。
「お風呂おかわりします?」 「今なら遠赤外線放出機能付き溶岩浴槽で用意しますよ」
「うむ、もう一杯」
「ところで、姫神様、街に行くのに、この世界に着たままの姿で現状いますが、このヨレヨレワイシャツ姿だと異世界人だと町の人に認識されたりします?」
「やめておけ、特にそのワイシャツ生地のように均質に細い糸で作られた布地は高品質だとすぐわかる」
「100年に一着作ったから計4着服を持っておる、一着選ばしてやろう」
ミツグの目の前に4着の服・・・・。
「一着、と特に刺繡の彩りが・・・、女性用ですね・・・。」
「この女性用の刺繡が映えるよう対で作った男性用服がこちらじゃな。」
「古墳時代の王族の服がそんな感じなんですか・・・?」
「もう少し前の時代の流行りじゃな」
「二択ですね。選べるとしたらあとの一着しかないのでそれでお願いします。それでも刺繍スゴイデスケド・・・。」
「これ、とんでもない付与魔法とか付いてます?」
「それを、すると人間はそっちしか価値を認めないだろ、当然、傷みにくいという付与のみじゃ。普段使いして味が出るように、こだわりの傷みにくい付与じゃな。」
「売っても、腕の良い服飾職人であれば交換してもよい」
「技術を盗みたければ盗めですか・・・。」「勇者鳩達、進化したらエンシェントピース(古代鳩)という種族名で命名でいよいよ街に向かう予定でいます。」
ミツグ、五徳部分を最初のアドバイス通り炎を象った造形に作り、量産する。ミツグの【やや収納】、3m×3m×3mしか容量ない。20個ほど【やや収納】に保管。量産したトルネードコンロはアマホーム(迷宮核で創った塔型ダンジョン、ミツグ命名)近くのミツグ地下作業所となり、地下倉庫に保管。ミツグは街に出たら露店でコンロを売ろうと考えているが、自分の顔色の悪さ、レア青マンドレイク(人参)カラーが、客足の悪さにつながるのを懸念し悩んでいる。
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