02
彼女がいた。所在なさげな感じで、立ち尽くしている。声をかけたかったけど、それどころではなかった。
追われている。見つかって捕まると、街が丸ごと吹っ飛ぶ。爆弾と鬼ごっこしてる気分だった。
彼女も大切だけど、同じぐらい街のことも大事だった。なにより、街が吹っ飛んだら彼女も爆散する。バッドエンドまっしぐら。
彼女。まだ、危険な仕事を続けているのだろうか。はやくやめてしまえばいいのにという思いと、そういう場所でしか彼女は生きられないのだろうという
彼女にとって自分は、何だったんだろう。分からない。
雨。本格的に降ってきた。彼女は傘を差していなかった気がするけど。濡れて風邪をひいたりしないだろうか。
撃ち欠けの意思 (短文詩作) 春嵐 @aiot3110
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます