第5話 生活

『いらっしゃいませ!』

ハジメの元気な声が響く

あの日家を飛び出して以来、車を家にしてハジメは生活していた

朝から夜までリサイクルショップで接客し

夜はスーパー銭湯でお風呂に浸かる

身体を洗うタオルが無いので、Tシャツを洗濯がてら使った

パンツには気を遣っていた、明らかにパンツとわかると具合悪いので、可能な限り黒を選んだ、そうやって風呂、歯磨き、洗濯をスーパー銭湯で済ませる、髭剃りは使い捨ての物を錆びてもまだ使ってる

ボディソープをうんと使って、かろうじて剃れる

そこから、クタクタになるまで風呂に入って

フラフラになってから車に戻り店の駐車場まで湯冷しのドライブをして駐車場で晩御飯を食べる

晩御飯と言ってもリサイクルショップでたまに売られてくる、お菓子を安く買わせてもらい晩御飯のかわりにした、飲み物はスーパー洗濯の冷水器の水をペットボトルに汲んで持ち歩いた

ハジメが1番気をつけたのは、服装だった

ホームレスと誰にも知られたく無い!

現代の様にミニマリストが認知されておらず、同じ服しか持ってないの?と冷ややかなリアクションが多い時代だったと思う、1番は自分がミニマリストになれなかっただけなのだが


案外やっていけるなぁと思った矢先に

インフルエンザになってしまった

インフルエンザで接客なんて論外、ハジメは仕方なく店に公衆電話から電話して休みを取った

『昼ごはん食べれなくなっちゃったな』

ハジメにとって仕事は昼ごはんの食べる為の手段なのだ、ハジメは退屈なまま物思いにふけていた

突然頭にリカの名前が浮かんだ

由美と関係が日に日に悪くなって、声すらかけにくくなっていた

リカの名前が浮かぶのはある意味自然なのかも知れない、、、

早速電話をしようと考えたが、電話はすでに強制解約されている

公衆電話はなんか勿体無い、、、

『しんどいけど、暇だし行こうかな、、、』

リカの家に行く事にした

リカ元気にしてるかなとか考えながら

不思議と身体が楽になった気がした



リカの家に着くと、リカの子どもと見知らぬ男性が遊んでいた

『あ、、これは、やってしもたな』

思わず口に出たが、リカの子どもがハジメを見つけた途端に名前を呼びながら走ってきた


仕方なく彼氏と思われる人に挨拶した

『どうも、ハジメっていいます。』

すると名前を聞いていたのか彼氏?さんは

あっ!て表情をして

『どうも!リカが世話になりました!』

何やら感謝されたような

とりあえず穏便に切り抜けたなと思い、退散しようとしたら、リカが現れた

『ハジメ!心配したんよ?!連絡くらいしてやー!』

嬉しかったけど、彼氏の前じゃ気まずいよなぁ

『彼氏とどっか行くんやろ?ごめんなー退散するわぁ』

逃げようとしたらリカに掴まれた

『ハジメさ?カーオーディオ取り付け出来たりする?』

さっぱり話しが見えてこないけど、多分大丈夫と伝えた

『友達がつけたいらしいんよ、今から皆で行くし、ハジメも来てよ』

退屈な気持ちが勝ってしまい、ついて行く事にした

閉店した店の駐車場に行くとリカの友達が躍起になってオーディオをつけていた

適当に挨拶をして早速車を見る

『あれ?ケーブルたらんやん』

サブウーファーとデッキを繋ぐケーブルが無い事に気付いてしまった

足りないと聞いてお通夜ムードになったのは笑えたが、なんとかしてやりたくなった

『携帯貸してくれん?』

リカから携帯を借りて、地元の先輩の務める車屋に電話をした

事情を話すと今暇だし部品代だけで取り付けてくれるとのこと

場所を教えると、リカの彼氏が道を知ってるとの事でリカの彼氏とリカの友達が一緒に車屋に行く事になった

一方で残された我々は洗濯がしたいと言っていたリカとリカの子どもを家に送って解散となった。

結局インフルエンザだったのにいろんな人に会って何をしてるやら

なんか凄く疲れたな、、、、

リカの家の近所のスーパーの駐車場で眠りについてしまった

身体の痛みで目を覚ました

何時間寝たんだろう、すでに夜になっていた

ふぅ、、、、

ため息にもにた一息を入れて

活動を再開した

ふと、昼間のリカを思い出す

ムラムラと性欲が沸いているのがわかる

ダメ元でリカに迫ってみようかな?

気がつけば公衆電話からリカに電話をかけていた

『もしもし?リカ?』

電話に出たリカは明らかに嬉しそうだった

『なぁに?ハジメ』

『なぁ、エッチしやん?』

『フフフ、ええよ〜抱いてぇ』

あれ?彼氏いるのにいいんかいな、、、

誘っておいて気にしてしまうのは何故だろうか

リカの家の駐車場に行くと、リカが車に乗り込んできた

駐車場から出ようとした辺りで、リカは股間に手を伸ばしてきた

『えらい積極的やん?』

するとリカはズボンのチャックを、おろして

トランクスの隙間から陰茎を出して舐めだした

『ハジメこーゆーの好きちゃうかなぁて思ってん』

尽くされて喜ばない訳もなく、痛いくらい勃起させられてしまった

『あー.早く合体出来そうな場所探さな』

そわそわするハジメの隣でリカは静かにショーツを脱ぎ鞄に入れた

信号待ちで、リカがキスをしながらハジメの上に跨り、そのまま奥深くまで挿入した

『マジかよ』

あまりのエッチなシュチュエーションに興奮がとまらなかった

『ずっと挿れていたいから、このままドライブしよ、信号で止まったらいっぱいパコパコしてな』

AVなんか比べ物にならないエロさに興奮が止まらなかった

結局夜中だった事もあり、信号で止まる回数が少なく、1時間以上入れっぱなしで、ずっとキスをしていた

最終的にリカの家の駐車場で激しく腰を振りリカの中で果てた

結局朝までリカと何度も身体を重ねた


なぜあんなに積極的だったのか全く分からないが、満たされたのは間違いなかった



インフルエンザだったのを思い出したのは帰り道の事だった


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