小学六年生の女の子、明日果の趣味は、小説を書くこと。
そんな日明果はある日クラスのイケメン男子、理輝くんから、一緒にゲームを作らないかと頼まれます。
小学生がゲームなんて作れるのかと思いきや、理輝くんはゲームクリエイターを目指していて、プログラムだって組める。そんな理輝くんは明日果の書いた小説を見て、彼女の物語をゲームにしたいと思ったのでした。
自分の書いた小説を誉めてくれて、ゲーム作りに誘ってくれるなんて、物書きとしてどれだけ嬉しいか。
ゲームのシナリオは作ったことのない明日果ですけど、誘ってもらえたことがとても嬉しい。
そうして二人の、ゲーム作りの日々がはじまるのです。
こんな物語があったら面白い。こんなゲームをやってみたいと思った経験は、誰もがあるのではないでしょうか。
物語を形にすべく頑張る明日果と理輝くんはとても楽しそうで、こんな風に夢を追いかけるのは、なんて素晴らしいことでしょう。
そして、ゲーム作りに大事なのは、シナリオとプログラムだけではありません。
綺麗なグラフィックや、魅力的なキャラクターの声など、必要なのはたくさんあります。
生憎、二人で全てをこなせるわけではありませんが、自分達だけでできないのなら、誰かの力を借りればいい。
まるでRPGで味方を増やすように仲間を集め、ゲームを作るという大きな目標に向かって突き進む明日果達。
小学生で結成されたパーティーはいったい、どんなゲームを作ってくれるのでしょう。
夢を追いかける楽しさや、仲間と協力する喜びを、強く感じさせるお話です。
子供の頃に、時間を忘れて何かに夢中になっていた時の気持ちを、読んでいて思い出しました。
小説を書くのが趣味の女の子、明日果は、ある日同じ小学校の同級生でイケメンのパーフェクト男子、理輝くんから呼び出されます。
これはもしや、恋の始まり? と思いきや、理輝くんは明日果に、自分の作るゲームのシナリオライターになってほしいと言ってきます。実は理輝くん、ゲームクリエイターになるのが夢で、今もそれに向かってゲームを作っていたのです。
恋愛的な告白でないのは残念。だけど、自分の書いた文書に惹かれてこんなことをお願いされるなんて、とっても嬉しいことではありませんか?
そして、ゲーム作りに必要なのは、理輝くんのプログラムや、明日果のシナリオだけではありません。シナリオに絵がついたら。さらにはそれに声がついたら。お話の世界が、そしてゲームとしての面白さが、ますます広がっていくことでしょう。
必要な技術はどれもバラバラ。だけど違う特技を持ったみんながそれぞれ協力して、一つの目標に向かって進んでいく。なんだか、RPGのパーティーのよう。仲間が増えるたび、完成に一歩近づくたび、どんどんワクワクしていきます。
ゲーム作りという目的のために集まったパーティーは、見事最高のエンディングを迎えることができるのでしょうか。