第13話 事件勃発 3 (顛末)

衛兵隊の取り調べの結果、獣人族誘拐犯達はやはり、ミミミ様の情報通り、獣人の国ズーラシアンでも長年に渡って誘拐をし続けていたのだそうです。




しかし、ズーラシアンでは誘拐犯に対する警戒を強めた為、遠く離れたまだ警戒心の薄い我がユイナーダ王国にいる獣人族をターゲットにしたのだとか。




今回拐われた子供達は、殆ど無事に保護者の元に帰る事が出来ました。




そう…殆どです。

拐われていた子供の中に孤児院の子供達が5人も居たのです。




しかも、彼等は『拐われた』のでは無く、神父とシスターに『売られた』というのです!

「それが本当なら、衛兵隊の手に負える事件では無い。」

と、いうのがアークの意見です。




予想通り、事件は第四騎師団に委ねられました。




こうなるともう私達の所まで、なかなか情報は降りて来ません。




一応、公式発表では『獣人族誘拐犯達は、獣人の国ズーラシアンから流れて来た盗賊団で、今まで沢山の同胞を拐っては、に売り飛ばしていた。

今回、予定の人数が集まらなかったので、を騙して子供達を教会から連れ出した。

騙された事にショックを受けた2人は、子供達に合わせる顔が無いと教会を去った。』

と、いう事になっています。




帰る所を無くした、子供達の境遇を知り学園街の人達が、3人住み込みの従業員として雇ってくれる事になり、それぞれ引き取られて行きました。




後の2人は兎族の兄妹だったので、ミミミ様が見習い執事と見習いメイドとして引き取る事に……




「私、末っ子なので、こんなに可愛い子達が来てくれて嬉しいですわ♪」

と、たいへん喜んでいました。




数年後、ミミミ様はこの時知り合った黒兎隊長さんと兎兄妹を連れて、ズーラシアンに帰国されました。




黒兎隊長さんが、ズーラシアンにある母方の伯爵家を継ぐ事になったのだそうです。

そしてミミミ様にプロポーズされたのだとか……




羨ましい限りです。

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