第12話 事件勃発 2
前書き
クロ大活躍?
夏の騒動は続くんです。
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ミケルちゃんのお店を襲撃した犯人は、アークの言っていた通り5人。
その内1人は、態と逃してシルバー達がアジトを突き止めてくれました。
今も見張りを続けてくれています。
問題は…どうやって衛兵隊に、アジトを知らせるかです。
衛兵隊に知り合いでも居れば良かったのですが、残念ながら居ませんしね。
『囮り捜査』という方法もあるそうですが、彼等が狙っているのは子供。
私が『囮り』になるとミリアとアークに迷惑がかかるので、却下されました。
そして思い付いたのは、エミール殿下が翻訳された本に載っていた『投げ文』、という方法です。
しかしながら『投げ文』という文化がこの国には無いので、クロに『犯人のアジト』の情報を書いた『手紙』を持って行ってもらう事にしたのです。
ミミミ様も同胞の方達の為に、協力して下さいました。
「私の知り合いが何人も、行方不明になっていますの!
どうか、助けて下さい‼︎」
クロを見つけたミミミ様は大袈裟に、
「まぁ!アレはお友だちの飼っているカラスだわ!
きっと居場所を知らせる為に飛ばしたのね!」
ミミミ様迫真の演技です。
流石は『中等部の#お姫様女優__・__#』と、言われるだけあります。
手紙は私が書きました。
《悪い人たちに捕まってます!
『もうすぐ町を出る。』と言っているので、早く助けてください!
私達は、二階の部屋に閉じ込められています。
場所はこの子が知ってます!》
真っ青な顔で(たぶん)、必死に訴えるミミミ様と、クロの持って行った手紙のお陰で、何とか衛兵さんを誘導して『誘拐犯のアジト』へ向かわせる事に成功しました。
その後は割と早かったです。
「お嬢さん!案内をありがとう。
ここは危ないから、衛兵詰所で待っていてください!」
キリッ!!
おぉ♪衛兵詰所の黒兎隊長さんが、ミミミ様に惚れた様です。
(黒兎隊長さんは、ウサ耳のイケメンです。)
ミミミ様も満更でも無さそうで頬を染めています(たぶん)。
「よろしくお願いしますわね。
あの子達に何かあったら私……。」
「お任せ下さい!傷一つ負わせずに、救出してみせます!」
キリッ!
隊長さんの命令で衛兵さんが数名、中の様子を伺っています。
このアジトは、二階建てで地下室等は無く、拐われた子供達は全員、二階の部屋にいる事が確認されています。
衛兵さん達は二手に分かれ、隊長さんは誘拐犯達の殆どがいる一階の入り口、副隊長さんや身軽な衛兵さん数名は二階から同時に踏み込む計画みたいです。
後でアークに教えて貰ったのですけど、こうする事で、誘拐犯達は移動出来ずに、その場に留まるそうなのです。
私には理由はよく解りませんでしたけど、流石はプロですね。
六の鐘(午後三時)を合図に衛兵隊が同時に、アジトに雪崩れ込み、あっという間に征圧してしまいました。
何事かと街の人達が見守る中、衛兵隊の皆さんが誘拐犯達をお縄にし、拐われていた子供達も無事に、救出されました。
「カッコ良かったですわ!
皆さまのお陰で沢山の子供達が助かりました。
後程、改めてお礼に伺いますわね。」
と、ミミミ様がおっしゃると黒兎隊長さんは、
「いえ、そんな……任務ですから!」
キリッ!
お互い顔を赤らめながら(たぶん)見つめ合うお二人……
素敵ですね。
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そんな皆さまの遣り取りを、私達はこっそり着けさせたアークに持たせていた【撮影の魔道具】で記録し、その映像を、寮の部屋で観賞しています。
本当は近くで見たかったのですが『危険だから』と、ミリアと寮で待機していました。
私も生で見たかったわ。
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