無印良品 着る毛布パジャマ
ネットをダラダラ観ていると、無印良品の「着る毛布」なるものがいいらしい、という話題を目にした。
私は厚着するのが好きではない。厚着をするとし動きにくくなるし、少し動くとすぐ蒸れてくる。そのため、冬でもTシャツとYシャツの2枚だけ、という軽装で外をぶらついたりしている。最近はその上に黒い白衣を着ているが。
それもあって、最初にその情報を目にしたときは、特に関心はなかった。
しかし、その話題を目にしてすぐ、数時間くらい経つと、にわかにやたらと部屋が寒くなってきた。
足元でセラミックファンヒーターを稼働させることで、ある程度寒さは緩和されたが、背中が寒い。白衣を着てみたが、それでは追い付かないくらい寒い。
こういうときのために、私の部屋には2台目のセラミックファンヒーターがあり、それを使って体を暖めることができる。
セラミックファンヒーターは、点ければすぐ暖かくなるし、部屋の湿度を上げも下げもしないので、部屋が乾燥して喉を痛めたり、湿度が高くなりすぎて窓が結露したり、部屋にカビが生えたり、といった事態が起きにくい。
ただ、根本的な欠点として、暖める範囲が狭い、という問題がある。
その欠点をカバーするために、私はセラミックファンヒーターを2台使っている。1台を強運転(1200W)するより、2台を弱運転(600W)する方が暖まりやすい。
そろそろ2台目の出番かなあ……と思ったその時、私に天啓が下った。「着る毛布を着れば背中を防寒できるのではないか」と。
最初目にしたときは私には縁のない商品だと思っていたが、実は、私にこそ必要な品なのかもしれない。
私が「蒸れるのが嫌」というのは、外での話。歩いていると体が暖まってくるのだが、厚着していると熱が逃げないので暑くなりすぎるのである。それが嫌、ということ。
しかし、部屋なら歩いたりしないから、多少厚着しても問題ない。
残る問題は、その「着る毛布」が、パソコンを使ったり、ものを書いたりするのに邪魔にならないか、ということだが、それは実際、使ってみないとわからないところ。こういうのは試着だけではわからないものである。
早速、近くのショッピングモールにある無印良品に行くと、ものはあっさり見つかった。正式には「着る毛布パジャマ」というらしい。お値段6999円。
実は私は現物を見るまで、この商品がいくらか知らなかった。7000円はちょい高いかな、と思った。
それで、同じモールにあるユニクロも見てみることにした。無印にある衣料品は、だいたい似たものがユニクロにもあるもんである。
実際、ユニクロにも似た商品があった。上下セットで4000円くらい。
値段は圧倒的にユニクロだが、品物をチェックしてみると、ユニクロの方はだいぶ薄手のようだった。ちょっと防寒効果が頼りなさそうか?
ユニクロとしてはヒートテックとの併用を想定しているのかもしれない。ヒートテックで充分暖かいんだから、さらに過剰に暖める必要ないだろ、という。
なお、私はヒートテックは使っていない。蒸れそうな気がする。
あと、ユニクロのはちょっと着心地が私の好みっぽくなさそうな予感がした。予感だけなので実際のところはどうかわからないが。
さんざん悩んだ末、初志貫徹して「着る毛布」の方を買うことにした。ちょっと高いが、ないと寒くておうちで過ごせないのだから、これは必需品と言っていいだろう。必需品にはケチるべきでない。
意を決してレジに行くと、なぜか4999円と言われた。値下げしていたらしい。だったら値下げしたことを告知した方がいいと思う。たぶん、7000円なら悩むが、5000円なら即決という人はそこそこいると思う。商機を逃している。無印もユニクロも、しばしばこういうことがある。
翌日、別の無印の店舗に行くと、ちゃんと「値下げしました」シールが貼ってあったから、シールそのものは用意されてあり、店がそれを貼るのをサボった、というのが実情のようである。
無印もユニクロも、多くの商品を扱い、しかも頻繁に値下げするから、いちいち値札をつけ直すのが大変、というのはわかる。私も"Supermarket Simulator"でさんざん値札の貼り直しの面倒くささを味わったから、サボる気持ちはわからんではない。実際、私も一時期サボっていた。
しかし、そういうところをきっちりしている店舗は、やっぱり雰囲気もいい、というのは事実ではある。値札の貼り替えに手が回らない、ということは、それだけ店員に無理をさせており、売り場に余裕がない、ということでもある。そうなると、接客態度などにも影響が出てしまう。
家に帰ってさっそく荷ほどきをすると、実はこれ、上下セットの商品だったことがわかった。上着だけでなくズボンもある。上着だけだと思っていた。
家の中はすっかり冷えきっており、着る毛布を試すには絶好の環境だったので、早速着てみた。
この「着る毛布」の本来の使い方はどうだかわからないが、私は普段着の上からこれを着て使っている。要するに、シャツとかズボンとかを着た上に、これを重ね着している状態である。なので、いつでも脱ぐだけでノーマルモードになれる。
それでこの「着る毛布」、これがなかなか絶妙な品だった。
この商品、一見めちゃくちゃ暑そうだが、実は適度に通気性があって、蒸れにくいようになっている。ちゃんと寒さを防ぐが、熱がこもりすぎて蒸れて汗をかいたりしにくくなっている。
その分、保温性が少し犠牲になっており、毛布ほどには暖かくないが、それはそれで問題ない。なぜならこの商品は、暖房と併用したり、この上に掛け布団や毛布をかけて寝ることを想定したものだからである。これ1枚で雪山遭難しても大丈夫、という代物ではないし、そうである必要もない。そこまで保温性を追求しすぎると、普段使いしづらくなる。脱ぐと寒いが着ると暑くなりすぎて、全然使えない代物になってしまうのである。
この「保温しすぎない」というのが非常に絶妙。これこそ、私が長年求めていた冬用部屋着のバランスだった。
私が今まで試してきたものはみんな、暑くなりすぎる、という問題を抱えていた。その課題を克服しつつ、ちゃんと部屋用防寒着としての機能を備えた部屋着が、まさかこんなところに転がっているとは思わなかった。
たまにはネットのおすすめに、素直に従ってみるのもいいもんだな、と思った出来事だった。
と、いうわけで、私はもうずっと、部屋ではこれを着て過ごしている。下は本当に寒いときだけだが、上着はもう、部屋ではほぼ着た状態。
最近はかなり寒い日が続いているが、そんな日でも足元セラミックファンヒーターだけで充分過ごせている。ヒーターなしだとちょっと厳しい時間帯もあるが。
着る毛布は、セラミックファンヒーターユーザー必携の品かもしれない。セラミックファンヒーター特有の「背中が寒い問題」をいい感じに解決してくれ、その結果として電気代も抑えられる優れものである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます