代車試乗記 トヨタ アクア
フィットのエンジン音がうるさくなったので、点検に出した。
症状は、寒いときの走り始めにモーターの回転音みたいな音がする、というもの。走っていると音は小さくなる。
経験上、たぶんプーリーのベアリングの劣化あたりだろうと思っていたが、果たしてその通りで、アイドルプーリーのベアリングの劣化が原因だろうとのことだった。というわけで修理することに。
その際に代車を手配してくれたのだが、それがトヨタのアクアだった。なにげに人生初ハイブリッド車である。
フィットの修理は3時間とかからず終わったので、アクアに乗れる時間は長くなかったが、ひととおりハイブリッド車を体験することはできた。
乗ったアクアは走行距離16万kmで、私のフィットよりも走行距離が多い。そこから考えると、最初期のモデルじゃないかと思われる。
アクアの操作系統のレイアウトは、初代フィットとほぼ同じ。
強いて違いを挙げるとすれば、エンジンをかけるときにボタン一発で始動するくらい。アクアにはエンジン始動用の鍵穴がなく、電子キーが車内にあることを認識すれば、それでキーを差したことになる。
便利といえば便利だが、キーの電池切れや車の受信機の故障等でキーの電波を拾えなくなったら、車を始動できなくなる、ということでもある。そういうときはどうするのだろう。
アクアにはEVモードがあり、あまり加速していないときはエンジンを使わず走行する。
EVモードは、巡航速度を維持する分には問題ないが、発進時の加速には物足りない。EVモードだけで発進しようとすると、かなりのろのろ運転することになる。
ネットの情報によると、アクアのEVはマイナーチェンジ時にパワーアップしたらしい。私が乗ったアクアのEVモードがパワー不足だったのは、初期型だったからかもしれない。
EVモードのバッテリーは、加速時に消費し、ブレーキ使用時に充電する。
意外だったのは、エンジンブレーキ(フットブレーキを踏まずに減速すること)だとほとんど充電できないこと。ブレーキを踏まないとダメ。急減速すると効率よく充電される。
充電効率を考えると、減速するときはエンジンブレーキを使わず、軽くでもいいからブレーキを踏んだほうがいいようである。いっそ左足ブレーキで運転した方がいいくらい。しかし、これをやると変なタイミングでブレーキランプを付けることになり、後ろのドライバーが混乱する。
かといって、エンジンブレーキを多用しすぎるとバッテリーが回復せず、どんどん消耗することになる。
普通、エンジンブレーキを多用するのは燃費の良い走り方のはずなのに、この車ではそれをやるとダメらしい。変な車である。
気になったのは、エンジンブレーキの効きが弱いこと。
もともとAT車はMT車に比べてエンジンブレーキの効きが弱いが、そのAT車のなかでも、特に効きが弱く感じる。
私は普段、エンジンブレーキを多用しているが、いつもの感覚で減速しようとすると、ちっとも減速しなくて、慌ててブレーキを踏んだ、ということが何度かあった。
肝心の燃費だが、実はよくわからなかった。一通りいじってみたが、どうやっても燃費計算の表示が出なかった。
たいがいの車は、走行距離が表示されている部分の表示切り替えボタンを押せば燃費が表示されるのだが。
高燃費がウリのこの車で、燃費計がないなんて考えられないが、付いてないのか、表示のさせ方が特殊なのか、どうしても出てこなかった。
ただまあ、発進時以外はほとんどEVで走っていたので、かなり燃費は良かっただろうとは思う。バッテリーはかなり減らしてしまったが。
乗ってみてわかったのは、ハイブリッド車は一見ガソリン車と同じように扱えるが、実は重大なところに違いがある、ということ。
プリウスがしばしば変な動きをすることは、ドライバーの間ではよく知られているが、その原因の一旦は、ハイブリッド車の特性によるものなのかもしれない。ハイブリッド車をうまく扱おうとすると、ガソリン車とは異なる挙動をせねばならず、それが他のドライバーには予測しづらい可能性がある。。
ハイブリッド車の後ろに付いたときは、十分な車間距離を取った方が良さそうである。
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