カリフォルニア米 カルローズ
「日本は米なんぞ作らなくていいのだ! 車やカメラを作っていればいい! 日本には我々が半値以下でうまいカリフォルニア米を売ってやる!」
……というセリフが『ゴルゴ13』の「穀物戦争 蟷螂の斧」にあるが、私はこれを読んで以来、「うまいカリフォルニア米」に興味があった。
しかし、スーパーにはアメリカの米なんて売っておらず、実際どんなものなのかは知ることなく、長い年月が過ぎた。
しかし、ついにその辺のスーパーで、普通にカリフォルニア米が買える時代が来てしまったのである。これもひとえに、日本政府の長年にわたる、地道な国産農業を潰す試みの成果といえよう。
田んぼで米を作らなかったら補助金が出るという、壮絶にアホなことを何十年もやっている国は地球上で日本だけだろう。もし他にもあったら、その国はどうかしている。
というわけで、今回買ったのは、カリフォルニアのカルローズという米。日本米とタイ米の中間くらいの見た目をしている。
勝手がわからないので、まずはとりあえず普通に炊いてみる。
日本米と同じように炊いて、とりあえず炊きたてを食ってみると、ちょっと水分量を間違えて固く炊いた米、みたいな味だった。案外日本米と変わらない。
しかし、それから5分もしないうちに、カルローズはすっかり固くなってしまって、食えなくはないものの、かなり固くてボソボソしていてイマイチな味になってしまった。炊きたてから5分経っただけでこれなので、冷や飯は食えたもんじゃないだろう。
大丈夫なんかね、この米。10kgも買っちゃったんだけど。
不安になりながらも、このご飯を使ってオムライスを作る。
オリーブ油を使い、根昆布だしと酒で軽く味付け香り付けして炒めた後、乾燥バジルを加え、最後に火を止めて醤油を回す。
皿に盛り付けたら、上からオムレツらしきものを乗っけて、ちょっとだけケチャップをかける。完成。
炒めているときに、国産米との違いははっきり感じられた。カルローズはパラパラしているのである。
家庭のコンロは火力が低いので、国産米で炒メシを作るとき、パラパラに仕上げるのは難しい。冷や飯を使うとか、ご飯に生玉子をよく絡めてから炒めるとか、いろいろテクニックは紹介されているが、どうやっても専門店のパラパラ感にならない。
しかしカルローズは、何も工夫せずとも、普通に炒めるだけでパラパラになる。簡単。
出来上がりを食ってみたら、想像以上にうまかった。さっき、炊いたままのものを食った時のボソボソ感からは想像できないほど、ちゃんとご飯に潤いがある。炒めることで水分を取り戻したようである。変な話だが。
しかも、国産米で作った炒メシにありがちな、べっちゃり感が全く無く、絶妙な水分量なのである。
まとめると、カルローズは炊いてそのまま食うには適していない。水分量をかなり大きく間違えたときの安物国産米の食感。ぎりぎり食えるがかなり酷い。特に冷や飯は終わっている。ボソボソガチガチ。
しかし、炒めると一気にうまくなる。炒めた時のうまさは国産米をしのぐ。
カルローズを白飯で食いたい場合は、仕上げに軽く炒めてやるといい。
カレーとかで使う場合は、オリーブ油で炒めて、仕上げにバジルとかを混ぜてやると、いい感じになるだろう。
国産米とは似て非なるもので、用途が明らかに異なる感じがする。うどんと中華麺の関係みたいな感じ。
国産米は白飯で食べるのに適していて、カルローズはチャーハンとかパエリアとかリゾットとか、米を料理の具材のひとつとして使う場合に適している。両方あると使い分けられて便利だと思う。
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