米の値段がさらに上がる

 米の値段がさらに上がっている。

 私がずっと買っていた米は、2年前は5kgで1480円だった。それが今年に入ったあたりで1980円になり、7月の段階では2480円になっていた。

 新米が出回ったら値段が落ち着くのかね、と思っていたが、実際はさらに値段が上がり、10月には3480円に。この1年で2000円値上がりした。


 たしか8月頃に、吉村大阪府知事が、国に備蓄米を放出するべきだと発言したのを受けて、当時の農林水産大臣だかが、9月には新米が出回って、そうすれば価格は落ち着く、と発言していたはず。さすが政府は嘘つきである。単に「災害時でも飢饉でもないのに備蓄米は放出できない」と説明すればいいのに、なんで余計な嘘をつくのだろう。


 嘘と言えば、備蓄米を放出するには手続きとかで時間がかかるとか言っていたが、あれも嘘である。政府はその気になれば数日で備蓄米を放出できる。そうでないと緊急時に対応できない。

 今の政府や官僚は、物事をきちんと説明する気が全くない。とりあえず適当なことを言っときゃいいやという舐めた態度丸出しである。



 この件は結局、安いうちに米を買い占めた人が判断としては正しかった、ということになりそうである。一時的には、だが。

 買い溜めするにも限度があるし、それが尽きたら結局は高い米を買わざるを得ないことに変わりはない。せいぜい数千円得した程度だろう。大量の米を保管する手間も考えたら、そんなに効率が良くない。



 今までは、いくら米が値上がりした。高くなった、と言っても、依然として主食の中では最も安価だったことも事実で、多少高くても米を買う方が食費を抑えられた。

 しかし、ここまで価格が高騰すると、無理に米を買う意味がなくなりつつある。


 5kgで3480円ということは、100gあたり69.6円。もはや麺類と同等、下手をすると麺類の方が安く買える。

 もう少し考えを進めて、いっそ炭水化物偏重の食事をやめて、豆腐を主食にするという考えまで成立しそう。


 もっともこの先、麺類や大豆も高騰する可能性は大いにあり、そうすると結局、米が一番安くなるかもしれない。



 そして、スーパーによってはアメリカ米を売るようになった。5kgで2480円と、今となっては安い。

 ついに日本の米はアメリカに征服されるのかもしれない。長年、政府が地道に続けてきた減反政策の成果がようやく現れたわけである。よかったね。


 これは何度でもしつこく言うが、わざわざ食料生産を減らそうとする馬鹿な国は、この地球上に日本しかないと思う。


 作りすぎて余って捨てるのがもったいないから生産数を減らしましょうというのは、いかにも日本らしい美しい思想であり、その美徳と先見の明のなさと共に飢えて滅びるのも一興だろう。


 アメリカ米にはちょっと興味があるので、もしかしたら試しに買うかもしれない。



 ニュースによると、今年は豊作だったらしい。だから今後、米の値段が安くなるかというと、現状を見る限りはそうならなそう。



 悲しい話ばかりだとなんなので、ついでに言及しておくと、あまり話題にはなっていないが、一時期高騰していた鶏卵はすっかり値段が落ち着いている。

 この、なにもかも値上がりした中で、以前通りの据え置き価格なので、相対的にめちゃくちゃ安く感じる。


 先にも書いたが、高くなった炭水化物を減らして、代わりに玉子だの大豆だののタンパク質を増やすのは、結構現実的な考えになりつつあると思う。

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