庭木手入れ用の装備を調える

 涼格は高枝切り鋏(15mmの枝まで切断可能)を手に入れた!

 涼格は新しいほうきを手に入れた!

 涼格はでっかいちりとりを手に入れた!

 涼格はビニール製の落ち葉入れ(箱型)を手に入れた!


 ……見た目とか木の健康とかを考慮せず、単に鬱陶しい庭木をばさばさ切るだけなら、素人でも意外と簡単、と、前回書いたものの、長年放置されてぼっさぼさになったカイヅカイブキに関しては例外で、こいつは切っても切ってもぼっさぼさでうっとうしく、なかなか手を焼いている。


 とりあえず、樹冠だけでも調整して、これ以上無駄に高く伸びないようにしたいのだが、そうすると、今使っている高枝切り鋏の切断能力を越える枝をどうしても切る必要があった。


 それで新たに、15mmまで切れる高枝切り鋏を買うことにした。

 ついでに、家で長年放置されて朽ちていたほうきやちりとりも新調。特にちりとりは、すでにプラスチックが劣化していて穴が空いているだけでなく、ちりとりそのものが小さくて、大量の枝葉をがっさがさ集めるには明らかに容量不足だったので、新しく落ち葉集め用のでっかいのを買った。水や砂利抜きができる穴の開いた、落ち葉集め専用のちりとりである。

 あと、落ち葉を簡単にたくさんぶち込めるビニール製の折りたたみ式四角い落ち葉入れみたいなものも売っていたので、それも買った。

 装備が調い、これで本格的に庭仕事ができるというもんである。



 庭仕事用の道具に、これまでで13000円くらい投資したが、これで人を雇わず自分で庭木を手入れできるようになるなら安いもんだし、人を雇うにしても、仕事を知っておくことは無駄にならないので良しとする。


 素人とプロの違いは、技術や経験の差もあるが、使っている道具の差も侮れない。素人でも、プロ仕様の専用道具を揃えれば、案外プロと遜色ない仕事ができる場合も結構ある。

 技術も経験もないと自覚しているならいるほど、道具はちゃんとしたものを揃える方がいい。達人は道具を選ばないかもしれないが、ヘタクソは超便利な道具に頼るべきである。


 結局、高枝切り鋏を2つ買うことになってしまったが、別に無駄にはなっていない。なぜか知らないが、最初に買ったやつのほうが使い勝手がいいので、メインはそれを使い、太い枝だけ、新しく買った15mmまで切れるやつを使うことにする。



 新しい高枝切り鋏は、確かに15mmまでの、かなり太い枝まで切ることができるが、太い枝を切るには、結構力が必要だということもわかった。「こんなに無理やり力を入れて切ろうとしたら壊れるんじゃないの?」と思えるくらい、本気でレバーを握りしめてやらないと、10mm以上の太い枝は切れない。

 やはり本来、太い枝はのこぎりで切るべきなのだろう。ただ、高いところの枝をのこぎりで切るのも大変なので、どっちがやりやすいかは状況に応じて考えて使い分けるほうが良さそうである。


 もっとも、こういうときのために、高枝電動のこぎりという便利なものも世の中にはある。ホームセンターで売っていて、だいたい2万円くらいからある。

 私が電ノコじゃなく鋏にした理由は、チェーンソーは対ゾンビ用の武器のような気がするから。たかが枝を切るのにそんなのを使うのは大げさな気がする。あれはゾンビとか不死身の殺人鬼とかと戦うために使うもの。……ホラー映画の観過ぎである。


 電ノコなら枝の太さとかも関係なく、力を入れずともなんでもぶった斬れるはずなので、初心者は鋏より電ノコを買ったほうがいいのかもしれない。

 ただ、電ノコだと細かい仕事には向いていない気がする。大雑把に切り払うならともかく、狙った枝だけを切るには鋏のほうが適していると思うので、何が必要かは各自考えて選んでほしい。優等生的な回答としては、両方あるのが理想だと思う。



 カイヅカイブキ以外の木に関しては、比較的簡単に、まあまあ納得の行く剪定ができたが、別の問題があった。

 何の木だか知らない(ツバキじゃないかと思うのだが、何しろ私は木に興味がなく、自分の家に何が植えられているか知らない)が、その幹に、ダンゴムシみたいなのがいっぱいくっついていたのである。調べても何の虫かはわからなかった。それは、ツバキその他の木に付く主要な害虫リストには該当するものが見当たらなかった、ということであり、いいニュースとも言える。


 見た感じはワラジムシ系の何かで、特に害はなさそうなのだが、勝手に人の家の庭の木の陰でたむろしてくつろいでいるのはとりあえずムカつく。

 ほうきで掃いて追っ払ったものの、しばらくするとまた戻ってくるので埒が明かない。

 明らかな害虫なら殺虫剤を撒くが、今のところ正体不明で、たぶん放っておいても問題ない奴らなので、そこまでやるのはどうかと思う。


 そこで、香りに防虫効果があるとかないとかという、カイヅカイブキの枝葉を、その木の周囲に敷いてみることにした。


 結果は、効果がなかった。カイヅカイブキのかほりがぷんぷんする中、ダンゴムシみたいなのは気持ちよさそうに木の枝にしがみついていた。


 仮にカイヅカイブキの香りに防虫効果があるとしても、それは成分を抽出して濃縮し、効果を高めないと、実質的には役に立たないようである。ただ切った枝を敷くだけではダメ。ただいい香りがするだけである。


 ただ、他の木に比べると、カイヅカイブキには虫が付かないのも事実なので、ある程度あの香りには虫よけ効果が実際にあるんじゃないかという気もする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る