ドトール ゲイシャブレンド(リキッド)

 本来なら4月中には飲み切るはずだったコーヒー豆が、風邪をひいたせいで飲む機会を失ってしまい、消費するのに長いことかかってしまった。

 専用の缶に入れて冷蔵庫で保管していたからか、開封から2ヶ月経った豆も、意外と鮮度が落ちなかったのは幸いだった。最後までちゃんとお湯を注いだ時に豆が膨らんでいた。


 例年通り、暑い間はコーヒーミルを片付けて、出来合いのアイスコーヒーを飲む。


 私は家で飲むアイスコーヒーは、基本的に「ボス・ホームカフェ 無糖」指定。多くのアイスコーヒーは香料を使用しているが、それが私には合わない。一般に売っているもので、香料を使っていないアイスコーヒーとなると、これになる。


 しかし、今年は試しにドトールのアイスコーヒーも買ってみようかな、と思った。ドトールの豆がうまかったので、もしかしたらアイスコーヒーもいけるんじゃないかと。


 ドトールは毎月感謝デーというのをやっていて、その日だとコーヒー豆やリキッドが10%引きになる。

 しかし、私は今月の感謝デーがいつか知らなかったので、10%引きじゃなくていいから、とりあえず1本だけ買ってみて、それで良かったら感謝デーにたくさん買おうかなと思った。


 で、店に行ってみると、ゲイシャブレンドのリキッドが売っていた。


 日本と関係ありそうな名前だが、「芸者」とは関係ない。エチオピアのゲシャ産のコーヒー豆。

 育てるのが難しい上にあんまり採れないので敬遠されていた種だが、2004年にパナマのエスメラルダ農園が国際品評会に出品し、これがめちゃウマだったそうで、脚光を浴びるようになった。


 ゲイシャもピンキリあり、高いのだと1杯何万円とかするらしいが、一般的にはだいたい100gあたり2000円~4000円くらいで売っている。高え! と思ったかもしれないが、1杯あたり200円~400円という値段は、喫茶店でコーヒーを飲むことを考えれば、そう高くない。


 ゲイシャは酸味系のコーヒーなので、苦味系コーヒーが好きだった以前の私は注目していなかったが、酸味系の良さに目覚めた今となっては、一度は飲んでみたいと思っていた。ただ、買いたくてもなかなか店頭で見かけないため、今のところおあずけとなっている。



 そのゲイシャブレンドのリキッドを、今年、ドトールは売り出したわけである。お値段1リットル860円。1杯200mlとして172円。

 ちなみに、私が買おうと思っていたドトールの普通のリキッドは550円。310円しか違わない。それでゲイシャが飲めるわけである。ブレンドだしリキッドだが。


 もちろん買った。とりあえず今日は1本だけ買ってみて、良ければ感謝デーに買い足せばいい。そうしたら10%引きの774円で買える。



 早速飲んでみた。……うまいよ、これ。リキッドとは思えんうまさ。

 ゲイシャブレンドはやはり酸味系で、苦味はそんなにない。しかし、その酸味が非常に上質。リキッドで酸味系のコーヒーを作るのは難しいと思うのだが、豆がいいのか製法がいいのか、よくできている。


 酸味系のコーヒーが苦手な人の多くは、単に豆が古くなって渋くなった味を「酸味系」と勘違いしていることが多い。しかし、古くなった豆の酸っぱさと、本当の酸味系コーヒーの酸味は全然違う。

 ただ、コーヒーで酸味を味わおうと思うと鮮度が重要で、いろいろ面倒くさい。というわけで、リキッドは苦味寄りのものが多い。

 酸味系のアイスコーヒーをお手軽に飲めることを考えると、このリキッドはかなりお得と言えそう。


 とはいえ、リキッドはリキッドなので、やはり豆を挽いて抽出したコーヒーに比べると味は落ちる。リキッド独特の味はやはりあって、それが豆本来の味わいや風味を損なっている感じはした。

 これはリキッドである以上、避けられないことなので、だからこの製品がダメと言っているわけではない。ただ、リキッドでこんなにうまいなら、豆から抽出したらよりうまいんだろうなとは思った。



 問題もあった。あまりうますぎて、すぐなくなってしまうこと。本当はこれ1本で次の感謝デーまでもたせる予定だったが、毎日2杯飲んだせいで3日でなくなってしまった。このペースで飲んでいたら、月にコーヒーだけで9000円かかることになる。それはあかん。



 ともかく、次の感謝デーでゲイシャリキッドを3本買って、一応通常のドトールのリキッドも1本買って飲んでみる予定。

 ボスカフェも何本か買う。ボスカフェは2リットル200円くらいなので、1杯20円程度とゲイシャリキッドの10分の1の値段。これをメインにしておかないと、ゲイシャをがぶ飲みしたら大変なことになる。


 豆だと挽いたりなんだり手間がかかるが、リキッドだと冷蔵庫から出して即飲めるので、お手軽感があってほいほい飲んでしまいがち。

 しかし、ゲイシャが世界一高いコーヒー豆の品種だということを忘れてはいけない。毎日飲むコーヒーじゃないのである。



[2024.06.16 追記]

 ドトールの通常のアイスコーヒーを買った。

 若干酸味もあるが、どちらかというと苦味系。ボスカフェと比べて圧倒的にうまい、というほどではなく、ボスカフェが2リットル200円前後なのに対し、1リットル550円という値段を考えるとどうかな、と思う。


 これを買うなら、もう少し出してゲイシャブレンドを買うのを私はおすすめする。もしくはボスカフェか。

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