応援コメント

H・P・ラヴクラフト「宇宙からの色」」への応援コメント

  •  元々ポーの後継者的な印象を持っていましたが、最近まで読んだことはありませんでした。令和に入ってから、新潮社から三冊の文庫本が発売され、ラヴクラフトもぐっと身近になった印象があります。というか、この作家の作品は怖いですね。これまでホラー小説というと、幼い頃に読んだポーの『黒猫』が印象に残っているのですが、初めて読んだこの作家の作品が『異次元の色彩』であり、これまでに読んだどのミステリー作家とも違う味に驚いたのを覚えています。緻密な描写で恐怖を募らせていって、ストーリーの最後にもう一度ひねってくる辺りがすごいですね。

     ラヴクラフト新潮文庫は三冊とも購入しましたが、まだ、すべては読んでいません。表題作をはじめ、『インスマスの影』や『ダゴン』は印象深かったのですが、これ以外に涼格さんのおすすめの作品があったら、ぜひ教えてください。

    作者からの返信

     ラヴクラフトのホラーは、主人公が自ら恐怖に突っ込んでいくタイプのものが多いですね。いかにもヤバそうなものを調査していたら、知ってはいけないものを知ってしまったとか。アカデミックな雰囲気があるのが特徴だと思います。

     本文にも書きましたが、クトゥルフの神と遭遇すると人は発狂するわけですが、その理由は、知ってしまったものを脳が処理しきれないからなんですよね。人間の知識欲に根ざしたホラーだと言えます。


    ……で、ラヴクラフトの作品を読んだら、私の作品のいくつかが、ラヴクラフトテイストなのもバレるということですね(笑)
    「その命さえ涙の色」は「インスマウスの影」そのまんまですが、『鹿翁館のミステリー』が、一見探偵小説っぽいのにオカルトな方向に行っちゃって、しかもよくわかんないまま終わるのは、そういうことです。


     新潮文庫版の目次をチェックしましたけど、どうやら新潮文庫版は、だいたい面白い順に作品が収録されているようです。

     なので、『インスマスの影』収録作品→『狂気の山脈にて』収録作品→『アウトサイダー』収録作品の順におすすめ、ということでいいと思います。
    『アウトサイダー』の作品は、ちょっとイマイチなのが多いですね。

     一応、私の方で勧めるなら、「ダンウィッチの怪」、「ピックマンのモデル」、「クトゥルーの呼び声」でしょうか。
    「ピックマン」以外は、順に読めばそのまますぐ読むことになります。


     本当は、長くて読んでいてうんざりするけど、ラストがラヴクラフトの作品とは思えないほどイカしている「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」も勧めたかったのですが、新潮文庫版には収録されていないみたいです。残念。
     まあ、確かに読んでいて途中でダレてくるのは事実なので、厳選するなら外れてしまう、という判断なのでしょうね。

     もし興味があるなら、創元推理文庫版の『ラブクラフト全集2』に収録されています。図書館で借りるとかするといいのかも。