新しいバンドの発掘2-0 イントロダクション
10年ほど新規バンドの発掘をサボっていた私は、YouTubeの音楽リアクション動画で最近のバンドのおいしいところをざっと聴き、なんかいいバンドがあったら買ってやろうと思い、1ヶ月で200曲ほど聴いた結果、5つのバンドを厳選した。
そのうちの1つ、Postmodern Jukeboxについては、ライヴ活動と、YouTubeでカバー曲を披露しているバンドだったのでアルバムは買わなかったが、残り4つ、LOVEBITES、BAND-MAID、Unlucky Morpheus、仮バンドについては主要なアルバムを全て揃えた。たまたま日本のバンドばかりだったが、そこには特に意味はない。
短期間で曲を聴きまくったので、しばらくは新規発掘はいいかなと思っていたのだが、そんな折に、ゲーム雑記にコメントを残してくれた方がいた。
ゲーム雑記なんだからゲームに関してのコメントなのかと思ったら、よりにもよってETHOS(イーソス)の"Arder"に反応されていた。最近CD棚が崩壊した際に、危うく傷つけそうになったレア盤のひとつである。
ETHOSはアメリカのプログレバンドとしてはまあまあ有名な(はず)のバンドで、特にアメリカンプログレに興味のある人なら知っていてもおかしくはない。KANSASとかが好きならまあ知っているだろう。
とはいえ、ゲーム雑記を読む人がここに反応することはそうない。
ETHOSに反応する人なら、きっとカクヨムで音楽に関するエッセイを書いているだろうと思って行ってみると、ここ2年の間に発売されたメタルやプログレのアルバムを中心に紹介しているエッセイがあった。これは、新規バンドを探そうとしていた私にはお誂え向きだった。
というわけで、私の音楽探しの旅は延長戦が決定した。
今回も、とにかく紹介されているものは何も考えず、まず聴くこととする。そこから買うべきバンドを厳選する。
利用させてもらったのは真野魚尾さんの『マッケンジー音楽室』。
URLは以下の通り。
https://kakuyomu.jp/works/16817330650571948914
(真野魚尾「【メタル】マッケンジー音楽室【プログレ】」)
私もちょくちょくコメント欄にお邪魔させてもらい、ウザい長文コメントを残しているので、気になる人はチェックしてみよう!
……いや、私のコメントはどうでもいいから、曲を聴いて、自分に合うやつを探すといいだろう。
真野魚尾さんとこではSpotifyのリンクで曲を紹介していることが多いので、Spotifyについて軽く説明しておく。
Spotifyはスウェーデンの音楽ストリーミングサービスで、無料会員登録すると、パソコンやタブレットからアクセスする場合のみ、楽曲を指定して聴くことができる。
それ以外、スマホのアプリとかからだと、有料会員にならないと聴きたい曲を指定して聴くことはできないので注意。
Amazon Musicは最近のアップデートで、無料会員だと好きな曲を指定できなくなり、シャッフル再生でお目当ての曲が出てくることを祈るしかなくなってしまい、視聴サービスとしてはほとんど使い物にならなくなってしまった。Spotifyは、パソコンからアクセスする場合に限るが、その代わりとして利用できる。
無料で好きな曲が聴き放題なら、もう曲を買う必要なくね? と思う人もいるだろう。それは否定しないが、私はあくまでこれは試聴サービスだと考えている。買う必要のない程度の楽曲なら聴く必要もない、というのが私の持論。
音楽を買うにあたって、試聴できるのはありがたい。なにしろ昔はジャケットとかタイトルとか帯の煽り文句を見て「これは私の好みに合うのかどうか」などと不毛な推測をするしかなかったし(ジャケットのドラゴンのイラストが気合が入っているかどうかとか、わりとしょうもないことで判断するしかなかった)、ネットでレビュー記事を読めるようになっても、結局文章から音楽を推測するのは限界がある。
結局のところ、楽曲を買うべきかどうか判断するには、実際に聴くのが一番である。
じゃあなんで私はこんな記事を書いているのか……というと、文章から興味を持ち、試聴するする人もいるだろうから、である。
世の中には大量に音楽があるから、そこから適当に曲を聴きまくって、いい曲を探り当てるのはなかなか大変。なので、ある程度聴くべき曲を絞り込むために、こうしたレビュー記事を参考にする手はあるだろう。
もっとも、この記事を読む人はほとんどいないという根本的かつ致命的な問題はあるが。
私は真野魚尾さんの「マッケンジー音楽室」で紹介されていて、かつ、聴いたことのない楽曲を、ここ10日くらいで全て聴いた。バンドによっては紹介されている以外のアルバムも聴いたから、実際には相当数の楽曲を試聴したことになる。たぶん今回も200曲は越えているはず。
そこから、検討するまでもなく購入に値すると判断したものは即購入した。そのリストは以下の通り。
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THANK YOU SCIENTIST "Maps of Non-Existent Places"
THANK YOU SCIENTIST "Stranger Heads Prevail"
THANK YOU SCIENTIST "Terraformer"
PAT BOONE "In A Metal Mood- No More Mr. Nice Guy"
TANITH "Voyage"
AVENGED SEVENFOLD "Avenged Sevenfold"
KARMIC JUGGERNAUT "Dreams That Stuff Are Made Of"
BEATALLICA "Sgt.Hetfield's Motorbreath Pub Band"
BEATALLICA "Masterful Mystery Tour"
人間椅子 「人間椅子名作選 三十周年記念ベスト盤」
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他にも購入を検討しているものはあるが、ひとまずはこれだけ。
なお、人間椅子については、実はエッセイ中では紹介されていない。コメント欄で「宇宙からの色」をすすめている人がおり、聴いたら良かったので購入した。
これから何回かに分けてこれらのアルバムを紹介していく予定。
なお、購入を検討しているアルバムのリストはこんな感じ。この辺もいいバンドだと思うのでざっとコメントしておく。
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FLESHGOD APOCALYPSE "King"
NE OBLIVISCARIS "Exul"
UNLEASH THE ARCHERS
ALL FOR METAL"Legends"
COMUS
FIRST FRAGMENT
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FLESHGOD APOCALYPSEはイタリアのシンフォニック・デスメタルバンド。オケ隊がバンドを食うほどでかい音で演奏され、下手なシンフォニック・メタルよりよほど無駄に壮大な音楽を作り上げている。そして、オケ隊に負けじとドラムが高速ブラストビートを叩きまくる。なかなか変なバンドである。
ひととおり聴いたが、4thアルバムの"King"のデキが一番いい。
私はコンセプトを突き詰め、行くところまで行ってしまった曲は好きだから買ってもいいが、とりあえず先に買ったアルバムを消化してから。
NE OBLIVISCARISは、オーストラリアのプログレ・ブラックメタルバンド。グロウルを多用し、ブラックメタル独特のリバーブ感があるから、多分ブラックメタルと分類していいと思うが、wikiでは単に「プログレメタルバンド」と書かれている。
グロウルとクリーンを使い分けることと、ヴァイオリンがすんごい目立っているのが特徴。ギターはもっぱらリズムギターに徹していることが多く、ソロをやるのはヴァイオリンの仕事。
このバンドもひととおり聴いて、最も良くできているのは4thアルバムの"Exul"だと判断している。
Unlucky Morpheusとは曲の傾向が異なるものの、グロウルとクリーンの使い分け、ヴァイオリンをフィーチャーした曲作りなど、似ているところもあり、比較すると、現状では私としてはUnlucky Morpheusの聴き込みを優先したいので保留している。
UNLEASH THE ARCHERSはカナダのパワーメタルバンド。ヴォーカルが女性なのでハイトーンに無理がなく、聴きやすい。
取り立てて特徴があるわけではなく、わりとまっとうに正統派なメロパワをやっているのだが、なんかいい。
あと、曲とは関係ないが、MVがやたらと凝っていたりする。『マッドマックス』風とか中世騎士風とか。しかし、どのMVも絶妙にチープ感があってなんか面白い。私はMVに力を入れているバンドは応援したい気持ちがある。
今は消化すべき楽曲が多いので保留。後でざっと聴いて、どのアルバムが一番いいか精査してから考えたい。
ALL FOR METALはドイツのパワーメタルバンド。こういうド直球なバンド名はガチか"SPINAL TAP"系のジョークバンドかのどちらかだが、ALL FOR METALはガチである。
恥ずかしい歌詞を堂々と連呼し、嫌でもメロディが耳に残る。気づくと口ずさんでいたりする中毒性のあるバンド。曲の傾向としては異なるが、清々しいほどド直球な中二病歌詞を高らかと歌い上げる感じはRHAPSODY OF FIREと似た感じがある。ライヴで歌わない選択肢がないアレ。
ただ、一見バカで恥ずかしい漢メタルに見せかけながら、曲自体はものすごく緻密に作られている。男女コーラスの切り替え方などを聴いてもそれはわかる。実はものすごくインテリジェンスで繊細に作られた曲だったりする。
買うのに不安はない、堂々たる漢メタルっぷりだが、これはあくまでデビューアルバム。私はむしろ2ndアルバムで彼らがどうするのかが興味ある。
COMUSはイギリスのプログレ・フォークバンド。実は私はプログレ・フォークというジャンルがある事自体、初めて知った。フォークは専門外である。
このバンドの曲は、フォークというジャンル名から想像されるものとはだいぶ異なる。なんというか……暗黒音楽?
どうやらOPETHがこのバンドの影響を受けているらしく、言われてみると"Blackwater Park"あたりのOPETHがクリーンサウンドをやっているときと雰囲気が似ている。
こんなバンドが1970年代初頭にあったことは驚くべきだし、歴史資料的には買うべきバンドだと思うし、この手の暗黒音楽はわりと好きな方だが、やはりロックやフュージョンなどと違って、展開にとりとめがなさすぎるのが私の好みからは少し外れるので優先順位を下げている。
FIRST FRAGMENTはカナダのテクニカル・デスメタルバンド。
このバンドのインスト部分はテクニカル・メタルで、これが実に良かったりする。ギターもベースも弾きまくり。また、インスト部分ではアコギを用いたフラメンコやポルカ的な曲をやっていたりもする。これも素晴らしい。
しかし、グロウル・ヴォーカルが入った途端に一気に曲が平凡なデスメタルっぽく聴こえてしまうという、致命的かつ謎な欠陥がある。
結局のところ、このバンドでいい曲は1stアルバム"Dasein"収録のインスト曲、"L Entite"だったりする。
このバントにデス要素は本当に必要なのか? インストバンドとしてやっていくわけにはいかんのだろうか。
デスメタルで「グロウルいらなくね?」と思ったバンドはこれが初めてである。なんか惜しい。もしこのバンドがインストバンドだったら私は即買いだった。
ただ、もしかしたらもっと聴いていれば、グロウル込みで好きになれるかもしれないと思い、現在、Spotifyでたまに聴いてみている。何回か聴いていたら多少許せるようにはなってきたが、やはりグロウルは要らないんじゃないかという気持ちは拭いきれていない。
インスト部分は好きすぎるので、このバランスは残念。ただ、今後化ける可能性はある気がしている。
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