ココスにも配膳ロボが配備される

 割引券を使うためにココスに行くことにした。

 平日の昼だしどうせ空いてるだろうと思ったら、意外と客が多くて驚いたが、そういえば学校が夏休みなのだった。おかげで平日昼でも子供連れの客が多いわけである。


 客が多いこと以外にも変化があった。

 まず、注文がタッチパネル式になっていた。注文する際にいちいち店員にアプリのクーポンを見せなくていいので便利。


 そして、配膳ロボットが導入されていた。タッチパネルでパスタを頼むと、さっそく配膳ロボットがやってきた。



 配膳ロボットは、ガストのものと形状が似ている。配膳中に流れているBGMまで同じ。調べてみると、どちらもPuduという同じメーカーのものだった。ガストで使っているのはBellabotという型で、ココスのはKettybot。


 同じメーカーのものだから基本的な仕様は似ているが、もちろんいくらか違いがある。


 まず、ココスのロボは前面にディスプレイ画面があり、そこに宣伝が表示されている。今だと期間限定のかき氷の画像とかが表示されている。


 次に、ガストのロボよりもひとまわり小さく、トレイがちょっと狭い。ガストのロボのトレイは広く、パスタ皿を余裕で2つ載せられる。そのためにトレイから皿がはみ出ているのはいままで見たことがないが、ココスのは2皿乗せると必ず少しはみ出してしまう。そのためにほぼ常に皿がトレイからはみ出ている。ちょっと危なっかしい。椅子の背や客の腕に引っ掛かって料理を落としたりしないか心配になる。


 そして、何より大きな違いが、音声が素っ気ないこと。料理を運んでくると「ただいま、お料理を提供中です」とかなんとか、日本語としてちょっと怪しいセリフを、機械音声丸出しで言ってくる。

 一応ロボの頭には小さい麦わら帽子がくっついていて、なんとか可愛らしさを演出しようとする店側の苦労が忍ばれるが、音声が合成音声丸出しなせいで、何をどうやっても無機質感は拭いきれない。

 音声が素っ気ないのもアレだが、客に具体的に「トレイから料理を取って、取り終わったらボタン押してね」と言わないところも問題。「料理を提供中です」とか言われても、要するにどうして欲しいのかちょっとわからない。いやまあ、注文したものを持ってきているのだから、何も言われずとも取ればいいだろうことは察しが付くのだが。

 これがガストだと、「青く光るトレイから、お料理をお取りくださいにゃ」と言う。謎の語尾が付いているのはともかく、客にどうすればいいか指示していることが大事。もっとも、たいがいの客はこのセリフをちゃんと聞いていないと思われるが。


 挙動については、ガストよりしっかりしている気がする。ガストのロボはすぐ椅子や壁の近くでプルプル震えたりしがちだが、ココスのは見ている限り、変なところで引っ掛かったりはしていなかった。

 あと、これは店側がそのように設定しているのだと思うが、ロボがドリンバーコーナーを通らないようにしていた。ドリンクバーコーナーを通ると客と接触する可能性が高くなるので、それを回避するのは賢い選択だと思う。


 一方で、しゃぶ葉で働いている熟練ロボのような風格はなかった。これは何度も言っているが、なぜかしゃぶ葉で稼働しているロボは、他のすかいらーく系列で働いていているものより動きがいい。同型のはずなのに。

 余談だが、最近しゃぶ葉に行ったら、そのロボの名前が「チュクミ」とかに変わっていた。なんで名前変わってるんじゃー! と思ったら、どうやら現在しゃぶ葉で韓国フェアをやっている影響のようである。いやしかし、突然名前を変えるのはどうなのよ。韓国フェアが終わったら、ちゃんと名前は元に戻るのだろうか。



 ともかく、ココスのロボはしゃぶ葉ほどではないが、ガストよりは安定して稼働しているように見えた。導入して日が浅いはずなのに、もうちゃんと動いている。ただ、音声が素っ気ないのでロボ感丸出しなのはいただけない。それならいっそHAL9000みたいな無機質音声にしてくれたほうが面白かったような気もする。いや怖いか。



 ガストで使っているロボがガストオリジナルでないのであれば、ココスも同型を使ったって良かったはずである。そうせずに小型のものを使ったのは、ガストの物真似に見えるのを嫌ったためか。

 しかし、トレイが小さいのはファミレスで運用するには致命的な問題のような気がする。本当にあれで良かったのか。真似でもいいからネコロボを使った方が良かったような気がする。


[2023.08.18 追記]

 再びココスに行くと、ロボのセリフが変わっていた。はっきりとは覚えていないが、おおむねこのようになった。

「お待たせいたしました。鉄板などの熱い皿はお取りになる時にご注意ください。お料理を取り終わりしましたら完了ボタンを押してください」

 相変わらずそっけない音声だが、とりあえず必要なことは言うようになった。

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