ChatGPT(無料版3.5)を使ってみる

 話題のChatGPTの無料版を使ってみた。


 ChatGPTは、自然言語によって質問したことに対し、AIが答えてくれるサービス。無料版と有料版があり、無料版は古いバージョンかつ文字制限とかが有料版より厳しい。



 とりあえず使ってみないことには何もわからんので、試しにサウジアラビアの都市計画、"THE LINE"について聞いてみた。


 すると、間違ってはいないが、なんかふわっとした回答が得られた。ざっと回答を要約する。


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「THE LINE」は、サウジアラビアの未来の都市計画プロジェクトで、2021年1月にサウジアラビアのクラウンプリンスであるムハンマド・ビン・サルマンによって発表された。持続可能な都市の創造と新しいライフスタイルの提案を目指している。


コンセプト: 持続可能性、テクノロジー、革新の原則に基づいて設計された未来の都市。その中心的なコンセプトは一直線上に延びる低炭素の都市環境を作り上げること。


持続可能性:エネルギー自給自足の都市を実現することを目指している。


テクノロジー: 自動運転車や人工知能などのテクノロジーが積極的に導入される予定。


ライフスタイル: 公共施設、教育機関、医療施設などが充実しており、住民の生活の質が向上することが期待される。


経済効果:新たな経済的機会を創出し、雇用を増やすことを意図している。新しい産業とビジネスが育成され、地域経済の活性化が期待されている。

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 ChatGPTの知識は2021年9月までのものらしく、当時だとTHE LINEの計画そのものがふわっとしていたから、まあ仕方ない。2023年8月現在でも具体的なことはよくわからないままだが。


 では、THE LINEを実現させる上での課題は何か、と聞くと、やはりふわっとした回答で、あんまり意味のないものだった。



 しょうがないから、こっちから具体的に問題を提示してみた。

 THE LINEは直線状に都市を設計する計画だが、既存の都市はだいたい需要の高い地域を中心に環状に発展する。THE LINEは計画通り、直線状に発展させることが可能なのか? と。


 すると、やはり、いろいろ書いてはいるものの、あんまり中身のない答えが返ってきた。


 埒が明かないので、「具体的に、どうすれば都市を環状にならずに直線状に発展できるか?」と聞いてみた。


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軸線の確立: 都市の中心軸や複数の軸を設定し、その軸に沿って発展するような都市計画を検討する。


用途地域の配置: 都市内の用途地域を計画的に配置することで、需要の高い地域が中心に集まりすぎないようにする。


交通インフラの最適化: 交通の流れを効率的にすることで、都市の発展を直線的に誘導する。


景観と緑地の保全: 都市の周辺に緑地や自然エリアを設けることで、都市の発展を緩やかにする。


高層建築の利用: 都市内での高層建築物の利用を検討することで、限られたスペースを効果的に活用し、直線的な都市発展を促進する。


参加型プロセス: 地域住民や専門家との協力を通じて、都市計画を策定する際には参加型のアプローチを取ることが重要。

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 これはだいたい実際のTHE LINEの構想に近いことを言っている。THE LINEでは、都市を高層化することや、都市を貫く地下鉄によって、都市の端から端まで素早く移動できるようにすること、ショッピングモールやピザ屋、運動公園など、主要な施設へ家から5分でたどり着けるようにすることなどを掲げている。また、THE LINEの外は風力発電所を建てたり緑地化したりする予定。


 ここからもう少し突っ込んだ質問をしてみる。

 用途地域を計画的に配置するのはいいが、都市の用地は運用されるにつれ使われ方が変わってくる。コンビニが潰れてドコモショップになったりとか。すると結局、需要が高い地域が集まってくるのではないか?


 すると、完全にそれを防ぐことは難しいかもしれないが、と前置きしつつ、いくつか対策を提案してきた。


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柔軟な用途地域: ある地域が需要が高まった場合に、その用途を適切に変更できるような枠組みを設ける。


混合用途地域: 用地地域を混合用途にすることで、異なる需要を同じエリアで調和させる。住宅、商業、オフィス、公共施設などを組み合わせることで、均衡の取れた都市発展を図る。


動的な都市計画: 都市計画を逐次的に見直し、需要の変化に応じて調整するプロセスを確立する。


地域住民の参加: 地域住民や利害関係者との協力を通じて、都市計画の変更や調整を行う際には参加型のプロセスを取り入れる。


モジュラーなインフラ: インフラや建築物の設計をモジュール化し、需要の変化に応じて追加や変更がしやすいようにする。

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 これも実際のTHE LINEの計画に近い内容である。THE LINEでは、建築物をモジュール化する計画である。モジュール化することで、必要に応じての建て替えが容易になる。


 ただ、私はこれを知ったとき、疑問に思ったことがある。モジュール化するのはいいのだが、建て替えが容易なことと、需要地域を分散させることはイコールにならないんじゃないかなあと。

 建て替えが容易なために、ある地域にピザ屋が密集してしまい、バランスが崩れたりしないだろうか、と。

 ……なんでよりにもよってピザ屋を例に挙げるのかというと、ディスカバリーチャンネルでTHE LINEの宣伝番組があって、そのときに「徒歩5分圏内にショッピングモールや運動施設、ピザ屋があるようにする」みたいなことを言っていたから。なぜか飲食店と言わずにピザ屋限定だったのが、ちょっと面白い言い回しだった。


 ChatGPTが、モジュール化を密集回避策のひとつとして提案してきたからには、モジュール化にはその効果も期待されるのだろう。

 しかし、どうやって? 私にはどうも、建て替えが容易なことが、かえって偏りを生じやすくなる原因になりそうな気がするのだが。


 ……いや、そうでもないのか? ゴーストタウンがゴーストタウンになるのは、土地の再利用がし辛いからである。使われていない土地が増えることでその地域が不便になり、それが周囲にも悪影響を及ぼす。

 モジュール化によって、使われなくなった土地を素早く再利用できれば、結果的に都市の一部に需要が集中することを防ぐ効果が出てくるのか。


 これは今まで考えたことがなかった。ChatGPTがそう答えたわけではないが、ChatGPTのやりとりの影響で、その点に気づくことができたのだから、このやりとりは有意義だったと言えるだろう。



 ついでなので、大都市の需要が賄えるだけの海水の淡水化装置は実際にあるのか聞いてみた。

 答えは「ある」だった。


 どこで運用されているのかと聞いたら、具体例を出してきた。


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サウジアラビア: サウジアラビアは、海水淡水化技術を広範に使用しています。特に、海水淡水化プラントを通じて淡水を生産し、都市や産業へ供給しています。また、サウジアラビアの「THE LINE」プロジェクトでも海水淡水化技術が活用される予定です。


アラブ首長国連邦(UAE): UAEも海水淡水化技術を積極的に導入しており、ドバイやアブダビなどの都市で海水淡水化プラントが運用されています。UAEは水資源が限られているため、海水淡水化は重要な水供給手段となっています。


シンガポール: シンガポールも海水淡水化技術を使用して淡水を生産しています。シンガポールは水不足に直面しており、海水淡水化をはじめとする水資源の多角的な取り組みを推進しています。


カタール: カタールも海水淡水化技術を活用し、国内の水需要を支えています。特に、石油・ガス生産における副産物として発生する排水を再利用する取り組みも行われています。

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 こういう、事実がはっきりしていることについては、有益な情報をくれる。ただ、この情報が本当に正しいのかは裏取りしないといけないが。


 900万人(THE LINEの予定人口)に必要な水の量と、その量を淡水化するのに必要なエネルギーコストを聞くと、様々な要因によって変化する、という前置きがいろいろ付いていたが、水の量は900万~1800万リットル、淡水化装置は1立方メートルあたり1~3kWhとのことだった。


 1立方メートルあたり2kWh、1500万リットル作るとして、3万kWh。


 太陽光発電の面積に対する発電量を聞くと、一般的には1平方メートルあたり1kWと答えてきたので、淡水化に必要なエネルギーを太陽光発電で賄った場合、3万平方メートルの面積が必要なようである。


 砂漠環境だと、砂で太陽光発電の効率が悪くなる問題がありそうな気もするが、単純に設置場所のことだけ考えると、そう無茶でもないようである。

 ただ、これは水の確保に必要な電力のみの話。都市を運用するにはさらにもっと電力が必要。




 さて。今度は何の役にも立たないことをやらせてみる。


 ChatGPTは創作のお手伝いもできるらしい。実際、ChatGPTに小説のアイデアを出させたり、小説を書かせたりしている人は結構いる。

 デキは良くないが、ヘタクソな人間が書いたものよりはマシだったりもする。


 ChatGPTは、できるだけ無難な回答をするようにできているようである。それが小説を書くときにも影響して、無難なアイデアしか出せないし、無難なことしか書けない。



 ともかく、実際やらせてみる。

 とんでもなくアホな話のアイデアを出させるため、『荒野のカップメン』のアイデアを元に話を考えさせてみた。


『荒野のカップメン』は、あまりに現実離れしたアホな設定にしたために、非常に書くのに苦労した作品である。そのうえ、あまりに現実離れているせいで意味不明すぎて、ほとんど誰にも読まれなかった。あの苦労をChatGPTにも味わわせてやるとしよう。


「西部劇風」「カップメンにお湯をいかに素早く注ぐかを競う決闘」という条件の話の概要を考えてみて、と頼んでみた。


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時は西部時代、乾燥した砂漠の中にある小さな町「スチームタウン」。この町は、鉱山労働者や放浪者たちが訪れる賑やかな場所だった。しかし、町にはひとつの習慣が存在していた。それは、カップメンを使ってお湯を注ぐ「スチーム決闘」だった。


町の中心にある広場では、毎週土曜日にスチーム決闘が行われていた。町の住人たちは、カップメンを片手にしてお湯を注ぐテクニックを競い合い、誇りをかけて闘っていた。スチーム決闘は、ちょっとした遊びから本気の勝負まで、様々なレベルで行われていた。


物語の主人公は、無名の若者ジェイク・ハリス。ジェイクは町に住む孤児で、スチーム決闘での腕前を磨きつつ、町で生計を立てていた。彼は、幼い頃に両親を失った過去を持ちながらも、明るく前向きな性格で周囲の人々と仲良くしていた。


ある日、町にはるか遠くから、スチーム決闘の名手と噂される「熱湯バンディット」が現れるという噂が広まった。彼は、お湯を瞬時に注ぐ驚異的な技術を持ち、町の人々を挑発してきた。ジェイクもまた、熱湯バンディットとの対決に興味を持ち、決闘の舞台に挑むことを決意する。


物語は、ジェイクが熱湯バンディットとのスチーム決闘に向けて鍛えられ、仲間たちと共に戦いながら成長していく過程を描く。ジェイクは、スチーム決闘を通じて勇気と友情を学び、町の人々と絆を深めていく。そして、最終的には熱湯バンディットとの熱い対決に挑むことになる。


物語は、西部劇の雰囲気を楽しみながら、ジェイクの成長と冒険、そして友情を描いた感動的な物語となる。スチーム決闘を通じて、人々が一つの目標に向かって共に戦う重要性が描かれることになるだろう。

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 予想通り、設定や話の流れは非常に無難なものになっている。私が要求した変な前提条件のせいで変な話に見えるだけ。


 というか、これでどうやって成長と冒険、友情を描いた感動的な物語になるのかは疑問。

 疑問があるなら本人に聞きゃいいのだが、聞いたところで無難な答えしか返ってこないのは明白なので、やめておく。なんとなく予想がつく。たぶん主人公とバンディットは最後に和解して友になるのだろう。西部劇というよりはスポ根もののノリである。



 それよりも回答が面白そうな、熱湯バンディットの、お湯を瞬間的に注ぐ技術って具体的に何なんだよ、という方を聞いてみた。


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彼の技術は、周囲の温度を利用して水を高速で加熱し、蒸気を効果的に利用することによって実現されます。


温度のコントロール: 熱湯バンディットは、周囲の環境温度や日光を活用して、水筒内の水を瞬時に高温に加熱する方法を熟知しています。これにより、お湯をすばやく沸騰させることが可能です。


蒸気の利用: 熱湯バンディットは、お湯を生成する際に発生する蒸気を巧妙に利用します。水筒のキャップやバルブを操作することで、高圧の蒸気をカップメンに導き、お湯を注ぐ瞬間に蒸気の力を活用して速やかに注ぐことができます。


反射神経の鍛錬: 熱湯バンディットは、驚異的な反射神経を持ち、お湯を注ぐタイミングを見極める能力に秀でています。彼の目は、お湯が最適な温度に達した瞬間を逃さず捉え、そのタイミングでカップメンに注ぐことができるのです。


瞬時の動作: 熱湯バンディットの手の動きは、まるで風のように素早く、正確さを持っています。彼の手が水筒とカップメンの間を移動する際、その速さと正確さによって、お湯の注ぎ作業が滞りなく行われます。


これらの要素が組み合わさった熱湯バンディットの技術は、通常の決闘とは一線を画す圧倒的な速さと効率性を持ち、町の人々を驚嘆させることになるでしょう。

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 私の元々の構想では、水筒に入っているのは最初から熱湯ということになっている。お湯の温度を保つために、ヌードルマンはステンレスの保温タイプの水筒を携帯している。なので、決闘でお湯を沸かす必要はない。

 お湯を沸かすところから始めてもいいが、すんごく絵面が地味になりそう。


 ……というか、日光で瞬時に水を加熱するのかよ。結構めちゃくちゃ言っているぞ。


 他の項目も、一見具体的なようで、実はふわっとしたことしか書かれていない。とにかくなんかすごい技術でお湯を瞬時に注ぐのだ、ということを、長い文章で書いているに過ぎなかったりする。



 そもそも、こいつの考えている「スチーム決闘」はどういう決闘なのだろう。聞いてみた。


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スチーム決闘は、お湯を入れた水筒とカップメンを使用して行われる競技です。参加者たちは、お湯をどれだけ素早くカップメンに注ぐかを競い合います。以下にスチーム決闘の基本的なルールと進行を説明します。


ルールと進行:


準備: スチーム決闘の前に、参加者は水筒に十分な量のお湯を入れ、カップメンを用意します。水筒の蓋はしっかり閉められており、カップメンは通常の状態で用意されています。


スタート: 参加者たちは、競技場や広場などで対決します。対決の主催者や審判が合図を出し、参加者たちは同時に競技を開始します。


お湯の注ぎ込み: 参加者は、水筒からお湯をカップメンに注ぐ際に、独自のテクニックやスキルを駆使します。一般的には、お湯の注ぎ方や角度、お湯を注ぐタイミングなどがポイントとなります。


速さと正確さ: スチーム決闘では、お湯を素早く注ぐことが求められますが、同時に正確さも重要です。お湯をこぼさずに、カップメンに適切な量のお湯を注ぐことが勝利への鍵となります。


対決の終了: 参加者たちは、カップメンにお湯を注ぐ作業を完了したら、対決が終了したことを審判に示します。審判は各参加者の成績を確認し、お湯の注ぎ込みの速さや正確さを評価します。


勝者の決定: 勝者は、お湯を素早く正確に注ぐことで最も優れた技術を示した参加者とされます。成績の優秀な参加者が決定され、賞品や誇りを手に入れることができます。


スチーム決闘は、楽しみながらも技術と競争心を鍛えるイベントとして町の人々に親しまれており、西部劇風の雰囲気の中で行われることで、独自の魅力を持つ競技となっています。

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 なんか知らないが平和で楽しそうな競技である。西部劇の決闘とは思えないくらいほんわかしている気がする。


 ……というかだね。こいつが考えている決闘も、やっぱり水筒に入っているのはお湯ということになっているのだね。じゃあ日光で瞬時に沸かす技とか意味ないんじゃ。魅せ技? 拳銃を無意味にくるくる回したりするのと同じ?


 あと、私が考慮して、ChatGPTが考慮していない要素がある。カップメンのふたを開け、薬味などの袋を取り出し、袋を開け、中身をカップに投入する動作である。


 一方、私があまり重視せず、ChatGPTが重視しているのは湯量の正確さ。もちろん、湯量を正確に入れることは重要だが。余分に入れたらそれだけ時間のロスになるのでね。



 次に、決闘では具体的にどうやって素早くお湯を注ぐのかを聞いた。


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ウィンディングストリーム: 競技者は、水筒からお湯を注ぐ際に、手首を円を描くように素早く動かすことで、お湯の流れを加速させます。これによって、お湯がカップメンに滑らかに注がれるため、素早さと正確さを兼ね備えた技です。


スチームバースト: 競技者は、水筒の蓋を瞬時に開けて閉じることで、高圧の蒸気をカップメンに導きます。その後、蓋を開ける瞬間にお湯が急速に注がれるため、瞬時にお湯を注ぐ効果的な技です。


サイドスウィープ: 競技者は、水筒を横に傾けながらお湯を注ぎ込むことで、カップメンの一側からお湯を流し込みます。この技は、お湯を均一に広がらせつつ、速やかにカップメンに注ぐのに使われます。


ヴォルテックスプア: 競技者は、カップメンを回転させながら水筒からお湯を注ぐことで、お湯の流れを回転させる効果を生み出します。この技によって、お湯がカップメンに早くかつ均一に注がれ、注ぐ量の調節も可能です。


フリップスプラッシュ: 競技者は、カップメンをテーブルの上で軽くバウンドさせながら水筒からお湯を注ぎます。カップメンが跳ねる際にお湯が広がり、複数の箇所に均等に注ぐことができる技です。


これらのお湯の注ぎ込み技は、競技者たちが独自のスタイルや戦術を築き上げるための基盤となります。スチーム決闘では、これらの技を駆使してお湯を素早く、かつ正確に注ぐことが勝利への鍵となります。

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 なんかこいつノリノリだな。なにそのダサい技名。

 しかも、どの技もなんか変。本当にカップメンにお湯を素早く注ぐことに貢献するのか、疑問な技ばかりである。特に、カップメンを回したりバウンドさせたりする必要は絶対にない。


 しかし、これでわかったこともある。バンディットが日光を利用してお湯を沸騰させるのは、スチームバーストの効果を高めるための技として考えているようである。

 だが、このスチームバーストって、本当にうまくいくのかね?



 ここまででわかったことは、AIはあんまり過激なことを提案しないようにできている、ということ。決闘の敗者は首吊り台直行とか、そういうことは提案しない。


 一応、無難な物語のパターンに乗せたストーリーラインを提案してくれるので、これに沿って書けば、大きな失敗はしない。ただし、陳腐にもなる。




 ついでなのでもうひとつ、「定年退職した男が友人から動く家を借りて旅行する話」を考えて、と頼んでみた。

 これは、思いついてから長いことモノになっていないアイデア。


 定年退職した男が、友人から借りた動く家に乗って、昔、妻と娘を連れて行ったことのある思い出の海岸へと旅行する。その旅程で主人公は人生について振り返ったりするのだが、海岸に着いた頃、間の悪いことに巨大怪獣が上陸してきて、動く家はなぎ倒されてしまうのである。


 意味がわからんと思うが、考えた私も意味がわからない。



 とりあえず、「定年退職した男が友人から動く家を借りて旅行する話」という条件のみで話を考えもらうと、やはり無難な概要を提案してきた。


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物語は、定年退職した主人公である中村健太郎(通称: ケン)が、友人から借りた不思議な動く家での旅を描いています。ケンは長年の仕事から解放され、新たな冒険と経験を求めていました。


ある日、ケンは古い友人で発明家の佐藤と再会します。佐藤は最新のテクノロジーを駆使して、家を車輪がついた動く家に改造してしまったのです。ケンは佐藤の誘いに乗り、動く家での旅行を決意します。


旅の始まりは緊張と興奮に満ちています。動く家はまるで移動する小さなアパートのようで、居心地が良く、必要なものはほとんど揃っています。ケンは家の中でくつろぎながら、窓から広がる風景を楽しむことができます。


ケンと動く家は、美しい田舎道や山々、海岸線を訪れながら、新しい場所を発見していきます。旅の途中でケンは、地元の人々と交流し、彼らの暮らしや文化に触れる機会を得ます。また、ケンは自然に囲まれた環境で新たな趣味や興味を見つけることで、自身の人生観を深めていくのです。


しかし、旅行中には困難な状況も発生します。動く家が故障したり、天候が荒れたりすることで、ケンは様々な試練に立ち向かう必要があります。これらの困難を乗り越えながら、ケンは友人との絆を強め、自身の内面の成長にも気付いていきます。


物語のクライマックスでは、ケンと動く家は最終目的地に到着します。その場所でケンは、これまでの旅で得た経験と気付きを振り返り、新たな人生の章を歩み始める決意をします。


物語の結末では、ケンは友人たちとの別れを惜しむ一方で、新たな未来への期待と希望に胸を膨らませています。彼は定年退職後の人生を謳歌し、動く家の旅が彼にもたらした素晴らしい冒険と成長を心に刻むのでした。

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 では、私が考えているアイデアを全て含めるとどうなるだろう。


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物語は、定年退職した男が久しぶりに友人と再会する場面から始まります。二人は居酒屋で楽しく過ごし、男が退職後に暇を持て余していることを話しています。その中で、男が旅行したいと口にすると、友人は面白い提案をします。友人は、自分が手に入れた動く家を使ってみないかと提案し、男はそのアイデアに同意します。


男は友人の動く家に乗り込み、昔妻と娘と共に訪れた海岸への旅行を計画します。途中の風景を眺めながら、彼は人生について振り返り、喜びや悲しみ、成し遂げたことと未だ達成していない夢に思いを馳せます。友人との楽しい会話もあり、男は新たな人生の冒険に胸を膨らませています。


とうとう海岸に到着した男たちは、驚愕の出来事に直面します。巨大怪獣が海から上陸し、恐怖と混乱が広がります。男たちの乗る動く家も怪獣の襲撃を受け、抵抗する間もなくなぎ倒されてしまいます。海岸は壊れ、平穏な旅行は一瞬で終わりを告げます。


物語は、男たちが怪獣の襲撃から逃れる方法を見つけ、友情と勇気を持って立ち向かう過程を描きます。男は自分の人生を振り返りながら、今回の試練に立ち向かう決意を新たにします。友人とともに、彼は動く家の残骸から這い出し、怪獣に立ち向かう壮絶な戦いが繰り広げられます。果たして、男たちは怪獣を撃退し、再び新たな未来への旅を続けることができるのでしょうか。


《動く家の旅》は、友情、冒険、困難に立ち向かう勇気をテーマにした感動的な物語です。男の人生の転機と、怪獣との壮絶な闘いを通じて、読者は希望と成長のメッセージを受け取ることでしょう。

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 ……ああ、うん。怪獣と戦うのか。それは予想外。

 AIには、主人公は怪獣と戦うものという固定観念があるようである。実際、そういう話は多いからね。




 AIの倫理観もテストしてみた。これは結果がつまらんかったので概要だけ。


 トロッコ問題の変型を出題したら、これはトロッコ問題だと見破った上で、トロッコ問題を考える上での倫理的視点には功利主義と義務論があると提示した上で、自分は個人の意見や感情を持つことはないと返答した。


 ChatGPTには役割を演じさせる機能があるので、たとえば義務論の支持者を演じさせて、その立場からトロッコ問題を考えるように言えば、「仮に多数の犠牲者が出ようと、分岐器を切り替えないことには正当性がある」という意見を擁護する論拠の例をいくつか示す。

 ただ、どこまで行っても、「私(ChatGPT)」はこう思う、こう考える、という言い方はしないようになっている。




 最後に、フラッペの作り方について聞いた。自宅で作れないかなあと思って。


 そんなもんgoogleで調べればすぐ出てくる、と思うだろう。しかし、実際調べてみると、意外とレシピがすぐ出てこない。ページからさらに、なんかよくわからないブログとかを踏まないとダメなところばかりだった。


 無駄に複数のページをたらい回しにされるのが気に食わなかったので、この際だからChatGPTに聞いた。


 ちゃんと出てきた。具体的なレシピも出てきたが、それは省略。要は氷を砕いてコーヒーと牛乳を入れて混ぜればできるらしい。甘味は好みで足す。


 ミキサーがあれば簡単にでき、私の家にはミキサーがあるが、どうも氷に対応してないようである。何度か砕いたことがあるので不可能ではないようだが、説明書を読むと氷を入れるなと書いてあった。刃が欠けて混入したものを誤飲したりしたら嫌なので、その後は氷を砕くことを控えている。


 ……氷対応ミキサーを買い直すべきなのか。それか、去年買ったかき氷器でかき氷を作り、それにコーヒーと牛乳を足すか。


 この手の簡単な調べ物なら、いちいちよくわからないリンクを踏まないといけないgoogleで検索するよりも、ChatGPTに聞いたほうが簡単かもしれない。もちろん、正しいとは限らないからその点は気をつけるべきだが、それはgoogle検索でも同じこと。




 使ってみてわかったことは、 ChatGPTは調べ物をしたり、定型に沿ったアイデアや文章を書かせるには適しているが、ChatGPT自身に創造的なことをさせるのは無理がある、ということ。

 本人も言っていたが、ChatGPTは自分の意見や感情を持たないように作られている。ChatGPTに何かを提案させると、必ず無難な提案しかしない。その無難さが必要な時はそれでいいが、創造的な提案は求めるべきではない。


 ただ、利用者が突飛なことを考えて、それが無難な視点から考えるとどうなのか、というのを確認するとかなら使えるかもしれない。

 たとえば、今回の「動く家」みたいな役に立たないアイデアでも、ChatGPTは欠けている部分を補修して、一応作品にできなくもない形にはしてくれる。それを見て、物語として完成させるためには何が足りないのかを確認する、みたいな使い方はできるだろう。

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