新しいバンドの発掘その3 Postmodern Jukebox
アメリカのニューヨークを拠点に活動するジャズ系ローテーションバンド。
YouTubeにて多数のカバー曲を投稿しており、中にはBABYMETALの「ギミチョコ!!」を1920代ジャズアレンジしたものなど、かなり大胆なアレンジをしているものもある。
https://www.youtube.com/watch?v=69bid4gUOHQ
(Gimme Chocolate - Babymetal (1920s Jazz Cover) ft. Tara Louise)
アレンジとしての完成度も高いが、ちゃんと日本人が聞いて違和感のない日本語で歌っているのもすごい。
もちろん、曲によってデキに差はあるが、総じてレベルが高い。ただ、元ネタを知らないとこのアレンジのすごさはわからないので、知っている曲があればチェックしてみると面白いだろう。
特に質が高いと思ったのは2曲。
まずは、Aerosmith"Dream On"のオールディーズジャズアレンジ。
https://www.youtube.com/watch?v=Yq4KA0mUnC8
(Dream On - Postmodern Jukebox ft. Morgan James (Aerosmith Cover))
もともとこんな曲だったんじゃないかと思ってしまうほど完成度が高い。
エアロスミス自身、ライブでオーケストラを率いてアレンジしたバージョンを披露したことがあり、それはスタジオ盤を遥かに超えた素晴らしいものだったが(たぶん探せばネットのどこかに転がっていると思う)、Postmodern Jukeboxはもっと小規模な楽団で、エレキギターを使わずそれに匹敵するアレンジをした。
比較すると、本家によるオーケストラアレンジバージョンの迫力には劣ると言わざるを得ないが、この小規模編成でこれだけのものを作り上げたのは称賛に値する。
もうひとつは、Michael Jackson"Smooth Criminal"のフィルム・ノワール風アレンジ。
https://www.youtube.com/watch?v=cRRJIUI6-tY
(Smooth Criminal - Michael Jackson ('Film Noir' Style Cover) ft. Aubrey Logan)
"Smooth Criminal"の歌詞は、何か犯罪的なことが起こったっぽい雰囲気を匂わせてはいるが、実際のところはよくわからない内容である。
映画"MOONWALKER"でこの曲が流れるときも、そのダンスや演出にアニーらしきのは出てこない。
マイケル・ジャクソンは歌詞の内容に合わせてMVを作ることが多いのに対し、"Smooth Criminal"では歌詞から離れた演出をしていることに違和感があった。まあ、白スーツでキメたマイケルはめちゃくちゃカッコイイから、それはそれでいいのだが。ジュークボックスにコインを投げ入れたり、マイケルに合わせて階段が下りたりなど、演出そのものはイカしている。ただ、アニーとは全く関係ないだけ。
この曲をフィルム・ノワール風にアレンジするのは、アイデアからして優れていると思う。このアレンジよって、原曲よりも歌詞に説得力が増したように感じるからである。
フィルム・ノワールといえば、暴力と犯罪に満ちた社会、反社会的で破滅的な男、謎に満ちた危険な女、そしてモノクロで低予算。まさにこの曲にぴったり。
原曲だと、アニーは少なくとも何かの被害者っぽいのだが、このアレンジによって、アニーは実は殺されたフリや連れ去られたフリをして主人公を誘き寄せようとしてるんじゃないか、Smooth Criminalと共犯なんじゃないかとか、何か裏がありそうな面白い存在感が立ち上ってくる。
そして、アイデアだけなく、アレンジも演奏も素晴らしい。特にヴォーカルがアニーを本気で心配しているように聞こえるところがいい。
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