関西のココス事情
用事で大阪へ出掛けた際にココスに立ち寄った。
チェーン店は普通、どこの店に行ってもだいたい同じ雰囲気をしている。ほぼ同じ内装でほぼ同じメニュー。
立ち寄ったココスも見知った雰囲気だったが、なんとなく違和感があった。
その違和感の正体がわかったのは、席に着き、店のアプリの導入を勧める広告を見たときだった。
普段行っているココスと、違うアプリの導入を勧めていたのである。
私が普段行くココスでは、ファイブスターというアプリを使用する。しかし、そこではココウェブというアプリを勧めていた。
どういうこと? 同じココスなのにアプリが2種類もあるの? なんでそんな面倒くさいことするの?
意味がわからなかったので調べてみた。すると、関西のココスの面倒くさい事情が見えてきた。
ココスはゼンショーグループの傘下だが、北陸と関西、岐阜の一部では、平和堂グループのファイブスターが運営している。
ファブスターはココスジャパンのフランチャイズとして運営しており、基本的には直轄のココスと同じだが、一点異なるのは、本部とは異なる独自のポイントシステムを導入している、ということ。
ココスの本部が運営しているアプリはココウェブだが、ファイブスター傘下のココスではファイブスターの公式アプリにのみポイントを付与できる。具体的には、関西では滋賀、奈良、京都はファイブスター、それ以外はココウェブ。 関西ココスの半分は、いつの間にか平和堂に制圧されていたのである。
私はたまたま、ココスがポイントカードを導入して以降、京都、奈良、滋賀のココスにしか行ったことがなかった。そのため、いままでずっと、ココスの公式アプリはファイブスターアプリだと思い込んでいたのだが、実はココスの本来の公式アプリはココウェブ。ファイブスターアプリを使うほうがマイノリティだったわけである。
なぜ関西の半分だけが平和堂傘下になってしまったのかは、wikiには書かれておらず、詳しい事情は不明。
ただ、スーパーの平和堂やフレンドマートが滋賀県外で店舗を一気に増やしてきたのはここ10年くらいのことなので、その間になにかあったんじゃないかなあという気はする。
思い返すと、奈良や京都のココスが次々と閉店していた時期があって、その後に新しくココスができていたりしたのだが、あのときに直轄から平和堂傘下になったのかもしれない。
大阪のココスは平和堂傘下ではないが、その大阪でもフレンドマートはかなりの店舗数を出しており、今や滋賀県は「琵琶湖の水を止めるぞ」と脅すよりは、「平和堂グループを撤退させるぞ」と脅したほうが効果があるんじゃないかと思えるほどである。
事情がわかったところで、当面の問題は、今、この店を利用するために、ココウェブアプリを導入すべきか、ということ。大阪のココスに来ることは滅多にないし、もういいかなぁと思いつつも、とりあえずココウェブを落としてみた。
すると、ちょっと面白いことがわかった。
ココウェブとファイブスターアプリの間ではポイントの互換性はない。ココウェブで貯めたポイントはファイブスター店舗では使えないし、逆も同じ。
ただし、ココウェブのアプリから出せるクーポンの一部は、ファイブスター傘下のココスでも使える。逆はダメで、ファイブスターアプリのクーポンはココウェブ店舗では使えない。
ココウェブとファイブスターでは、発行されているクーポンが違う。ココウェブはクーポンの数は多いが割引率は低い。一方、ファイブスターはクーポンの数は少ないが割引率は高め。そして、期間限定のデザートを除くと、両者のクーポン対象商品はほぼ被っていない。
つまり、ファイブスターココスを利用するなら、両方導入しても損はないわけである。
というわけで、一応インストールしたままにしておくことにした。今回加算するポイントを使う機会は多分まあないと思うが。
思えば、確かにココスを利用するとき、いつも疑問に思っていたのである。なぜココスで平和堂のHOP-VISAでポイントが付くのかとか、なぜゼンショーグループのくせにCooCaが使えないのかとか、そもそもファイブスターってなんなんだとか。
クーポンも、京都、奈良、滋賀では使えるけど大阪では使えないとか注意書きが書いてあったりして、なぜなのかと思っていたが、まさか運営が異なるとは思わなかった。
近所のココスは軒並みモーニングをやっていないのに、大阪のココスではモーニングをやっているのも不思議に思っていた。あれも運営が違うとわかれば不思議ではない。おそらくファイブスター傘下の店舗はモーニングをやらない方針なのだろう。
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