米に虫が涌く
米袋を開けたら、中に虫が大量にいた。
私は、開封した米は冷蔵庫で保管している。しかし、今回の米は未開封のまま2ヶ月ほど置いておいたもの。
未開封の米は常温で放置しても大丈夫だと勝手に思っていたが、よく考えたら、袋詰めの際に虫の卵が混入していて、袋の中で孵化することだってありえるわけである。
また、調べてみると、米袋には空気穴があって、そこから虫が侵入するケースもあれば、袋を食い破って侵入する虫もいるらしい。
いままで虫害に遭ったことがなかったのは、いつも米がなくなってから買い、買ったらすぐ開封して冷蔵庫に入れていたからだった。
今回は米が安売りしていたために、1度に2袋買ったのが良くなかった。今後は米の買い溜めはやめておくことにする。
しかしまあ、袋の中で虫が繁殖するんだったら、店で売っている米には、すでに虫が涌いているやつだってあってしかるべきなわけである。冷やして売っていないわけだし。いままでそうした米に当たらなかったのは、単に運が良かっただけなのかもしれない。もっとも、買ってすぐの米に虫が涌いていたら、店に言えば交換してもらえるかもしれない。今回のは2ヶ月も経過しているからダメだろう。
それはそれとして、問題は、虫の涌いた米をどうするか、ということ。ネットで調べると、米につく虫は食ってもたいがい害はないが、たまにアレルギー症状を起こす人もいるらしい。
人口増加による食料不足が懸念されており、虫を食うことが真剣に検討されている今、虫が涌いた程度で米を捨てるなどあり得ないだろう。
というわけで、とりあえず水で洗って虫を全部取り除き、炊いてみることにした。
虫入りの米を500gくらいずつボールに入れて水に浸すと、そこそこの数の成虫と、結構な数の幼虫が水に浮いてくるので、それを流し、再び水に浸す。
これをうんざりするほど繰り返し、虫を取り除いていく。5kgの米を、おそらくもう虫はいないだろうと思えるところまで徹底的に洗うのに3時間かかった。虫はもちろん、もはゆ米ぬかで水が濁らないほどぴっかぴかである。
これでとりあえず虫は除去できたと思うが、問題は、5kgの米が全部水浸しになってしまったということ。こうなったら全部炊いてしまうしかない。
それで、炊飯器と、家中の冷凍用容器をかき集めて、早炊きでガンガン米を炊いて冷凍することにした。
幸い、というか、家に容器はうんざりするほどある。母親が大量に買いだめしたものが残っている。母親は安いからという理由でタッパーを、冷蔵庫に入りきらないほど通販で買った。結局、使っていたのは3分の1程度で、残りは場所ばかり取って邪魔でしかなかったが、こんなところで日の目を見るとは思わなかった。
とりあえず出来上がった第一陣を確認すると、虫が涌いていたなんてことは、知らなければわからない仕上がりだった。まあ、これを食うのは私であり、私は知っているのだが。
食べてみたが、まあ、普通。今のところアレルギー症状もない。
ただ、水加減を失敗していて、ご飯がべちゃべちゃになっていた。いつもは乾燥した米で分量を計っているが、今回は水を含んだ米で計量したことが原因のよう。
どうせ何度も炊くことになるので、毎回少しずつ水加減を変えてみたところ、計量カップで6合分の米に対し、4.5合分くらいの水で炊くとちょうどいいらしいことがわかった。
私は普段、ご飯は一度に5合炊いて、残りは冷凍する。そのため、冷凍庫には5合分のご飯を保管するスペースは常に用意している。しかし、今回炊こうとしているのは約34合分である。さすがにこの量を保管することは想定していない。食堂じゃあるまいし。
結局、約5合炊きで7回早炊きして5kgの米をすべて炊き、そのうち1合は晩御飯として消費し、残りはたまたま冷凍庫が空いていたのでなんとか入ったが、ご飯だらけでとんでもないことになってしまった。
この季節になると、私はほとんど毎日鍋を作る。鍋は簡単でバランスも良く、味も変えやすく、洗い物が少なくて後片付けが簡単という、素晴らしい料理である。1年中鍋でもいいくらいだが、暑い季節には向いていないのが欠点か。
私は鍋にはたいがい麺類を入れるので、この季節はご飯の消費量が減るのだが、こうなるとそうも言っていられない。毎日雑炊でもするか。
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