つゆタレ
つゆやタレは、気がつくと増殖する。そうめんつゆ、そばつゆ、冷やしうどんつゆ、焼肉のタレ、ステーキのタレ、冷しゃぶのタレ、豚丼のタレ、まぐろ丼のタレ、うな丼のタレ、すき焼きの割り下。同じ焼肉のタレでも、いつもは醤油ダレだけど今日は塩ダレがいいとか言い出すと、さらに種類が増える。そして、冷蔵庫や台所のスペースをどんどん奪っていく。
そのうえ、なかなか使い切れない。家族が多いならともかく、そんなに頻繁に同じメニューを作るわけじゃないから、専用のつゆやタレは余ってしょうがない。
野菜炒めを作るときにタレを流用するなどしてなんとか消費しようとするわけだが、消費する量よりも購入する量が上回る。増え続ける一方である。
私は常日頃から、この無意味なつゆタレの山をなんとかしたいと考えていた。豚丼のタレを買ったら、なくなるまで豚丼週間にするとか、そのタレを流用できる料理しか作らないとか、いろいろ手を考えたりしたが、あるとき気づいた。これらつゆやタレは、結局はだいたい似たようなものでできている。だしとしょうゆである。
それで私は思いついた。だしとしょうゆをその都度調合すれば、専用つゆタレは必要ないのではないかと。
ベースとなる白だし、昆布だしはいいものを買い、しょうゆは真空パックされている鮮度の高いものを使う。そうすることで、シンプルながら専用つゆタレに匹敵するものをお手軽に調合できるのではないかと考えた。
というわけで、私は1年前から専用つゆタレを買うのはやめ、代わりにだしをアップグレードし、にんべんの白だしとヤマチュウの日高産根昆布だしを買った。しょうゆは従来どおりキッコーマンのしぼりたて生。
やってみると、これが存外簡単。つゆ系はたいがい、水と白だしとしょうゆを混ぜるだけでできる。これらの配合を調整することで、そうめんやそば、うどんなどの麺類のつゆは全部なんとかなる。根昆布だしも入れたらさらにうまくなるかと思ってやってみたが、これは旨味が強すぎて合わなかった。
タレは熟成が必要なので、その場の調合で作ることはできない。ただ、代替品で良ければ比較的簡単に作ることはできる。たとえば肉につけるソースなら、肉を焼いてフライパンに残った脂を流用し、しょうゆや酒、バルサミコ酢、にんにく、しょうがなどを料理に合わせて入れて混ぜ混ぜすればなんとかなる。塩味が足りないなら少しだしを足す。塩を足すと、ただしょっぱいだけで深みがない。それよりはだしで代用した方がいい。
もう少しアップグレードしたいなら、あらかじめ玉ねぎのみじん切りを冷凍しておいて、必要なだけ取り出し、飴色になるまで炒めるといい。玉ねぎのみじん切りは、冷凍しておけばその都度いちいち切らなくていいし、生よりも早く飴色になる。
ゴマダレは、先ほどの自作つゆにすりごまをぶち込んで混ぜ混ぜすれば、近いものはできる。
すき焼きの割り下も、しょうゆと酒でいける。私はすき焼きに甘味がなくてもいいので、自作する場合はみりんや砂糖は使わない。自分の好みに寄せられるので、既製品を買うよりいいかもしれない。
こうして整理された結果、我が家のつゆタレは一掃された。残ったのはぽん酢とサラダドレッシングだけ。
ぽん酢もしょうゆと酢と柑橘類の汁(と、好みでだしなど)で作ることはできるが、柑橘類やその汁はすぐ痛むので、常備してその都度作るのはやや面倒くさい。かと言って柑橘類なしだと悲しい味になる。特に私はゆずポンが好きなのだが、ゆずの常備はなかなか大変。というわけで、既製品を買ったほうがいいという結論になった。消費量も多いので、さして冷蔵庫で腐り続けることもない。
ちなみに、私が使っているのはマルテンの天翔ゆずポン酢。いろんなポン酢を試してみたが、これが一番コストパフォーマンスが高い。この価格でこの味なら文句ないと思う。
サラダドレッシングも、ぽん酢やマヨネーズ、バルサミコ酢などで代用可能だし、オリーブオイルとだしとしょうゆで簡単に作ることはできる。ただ、サラダはドレッシングの味がモロに出るので、その場しのぎで簡単に作ったものと、いろいろ混ぜ合わせて作られたものとではだいぶ差が出てしまう。かといって、サラダを出すたびに毎回凝ったドレッシングを作るのも面倒くさい。それで、サラダドレッシングは買うことにした。
ドレッシングはその都度別のを買っている。ずっと同じドレッシングだと飽きるので。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます