第4話 新境地
…はあ。スライム一体にあそこまでビビるとは自分でも予想だにしてませんでしたよ…。
「シスター、大丈夫?」
「怪我とかないですか?」
…ほら、もう皆で寄って集って私の心配してます…。これでも私、聖職者なんですけどねぇ。…設定上は。
「シスター、スライムであんだけビビるならもっと凶暴なモンスターだったら失神してたかもね〜www」
「あぁぁぁ…もうその話やめてください!」
何か弱みを握られた気分で、非常によろしくありません。
「…あれ?」
そういえば、どうしてさっきから敬語ばかり使っているんだろう。
他の皆も、通話の時と印象が全然違う…付喪神幼女さんに関しては性別が違うから仕方ないとしても…。
「確かにそうですね。何か、【この世界のルールに溶け込んでいる】感が否めないです」
「付喪神幼女さん、聞いてたんですか…。盗み聞きはちょっとどうかと思いますけど」
隣から声をかけられると誰でも驚く。大体の人の生理現象の筈なのに、妙に新鮮味がある…。これは本当に付喪神幼女さんの考察が当たっている可能性が高そうだなぁ…。
「シスター!幼女!早く行くよ!」
「幼女呼ばわりすんなあぁぁぁっ!これでも俺は男だぞ!?」
「見た目が良ければそれでいいじゃんか!」
「うわっリーダー今のはちょっと…(引)」
「えっ、何でっ!?僕おかしな事言った!?」
「今の言動が完全にロリコンなんだよ!」
…この世界に溶け込んでしまっていても、深層まではいかないでしょう。皆さん、どうかお元気で…。いつでも私が傷を癒してあげますから。
「…やべぇなあいつら。どうする?」
「ご主人様の指示に従います。なんなりと」
「おう。…えっと、その【ご主人様】ってやつ、やめてくれないか?なんかむず痒い…。いや無理して直せとは言わないけどさ」
「そう言う契約ですからね。直す訳にもいきません」
ったく、俺が行かねぇと駄目なのかあいつらは?…仕方ねぇな。
「…行くぞ、××」
「…はい、ご主人様。―――」
二つの影が、遠くから一行を見下ろしていた。
仲間と書いてた小説の世界に入ってしまった。しかも全員まとめて…。 落葉 @otivaaaaa___
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