1.私って…
中学3年の春。
「ねぇねぇ、どこの高校みんな行くん?」
親友である凛が中学3年生ならではの質問をしてきた。その質問に対しみんなは
「地元の○○高校かな?行く人多いし。」
「私は××高校やなぁ。進学したいし。電車1駅なら距離ないし。」
と、もう聞きなれた会話をしていると「もう将来の夢とかみんなあるん?」とまた聞きなれた質問が聞こえてくる。
そこでは「幼稚園の先生になりたい」や「ダンサーになりたい」「サッカー選手になる」など各々きちんと将来の夢を持っていた。
「咲良はどこ行くの?なんになりたいの?」と凛が聞いてきた。
私は深く考えずに
「みんなと一緒のことろに行こうかな?夢とかまだないし。」と言うと
周りの友人たちは「めっちゃわかる!」や「とりあえずどっか高校行ければいいよな?」と言う声もちらほら聞こえた。
結局この話になると毎回「行ける高校に行ければいい」と言う話で終わっている。
正直将来自分が働いている姿など想像できないし、はっきり言って私は性格は悪い方だで、顔も整っている訳でもなく、成績も中の上程度だ。何より私が住んでいる場所は大分県の中でも田舎の方だ。都会に出れば成績は悪い方になるのかもしれない。
こんな私が世の中に出て何ができるのだろうか?と考えてみるが向いている職業はないだろう。なら、凛もいる高校に行く方が多分楽しいし進学もできる高校だから、「まぁいいか」。と考えていた。
そんなことをたまーに考えなが生活していると気づけば部活も引退していた。私は凛と同じテニス部に所属しレギュラーだったが凛ほど真面目ではなかったと思う。中学3年最後の大会で弱小とも言っていい私の中学はもちろん負けた。チームメイトの3年生レギュラーはみんな泣いていたが私だけ泣いていなかった。悔しくなかったわけじゃないが心の中で「負けても仕方がない」と性格の悪さが出ることを考えていた。自分でも本当に性悪だと思う。どうやったらそんなに一生懸命になれるのだろうか?
なんとなくでもなんとかなる @naco-naco
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