第3話 キョヒハンノウ
ごくり。
俺のベッドに好きな女が寝ている。
スカートから白い太ももが覗き、色気を醸し出している。
「どうしたの?早くしてよ」
「お、おう。」
あまりのことに声が上ずる。
そおっと手を、その‥あの‥胸に伸ばす。大きな山の頂上に手が触れようとした瞬間。
パシッ。
薫の手が俺の手首をつかんだ。
ん?
「‥胸は嫌なのか?」
薫は顔を少しひきつらせた。
「…いいから。早く。」
「薫がそう言うなら…」
俺は薫にまたがった。
俺のアレが薫の股に擦れる。そして顔を近づけ、唇を重ねて舌を絡める。
ガブッ。
「痛いっっ!!!!!」
薫に舌を噛まれた。
「ご、ごめん。」
俺は涙目になりながら薫の服を脱がせようとブラウスのボタンに手をかける。
―ボタンに手をかけたとたん。
薫は身を起こしながらそのしなやかな脚で俺の股間を蹴りあげベッドから脱走した。
「痛っ!!!!!!!!!―――」
俺は言葉にできずにうずくまって痛みに耐える。
しばらくして。
「佐藤さんさ、俺のこと殺そうとでも思ってんの?」
「ごめんなさい‥」
涙目の俺と、顔をひきつらせた薫は正座で向かい合っていた。
薫はため息をついて話始めた。
「‥今のでわかったと思うけど、私、セックスを拒否しすぎる体質みたいで。そのせいで恋愛もできないし、まず、そもそも興味ないしで、あなたと付き合えない。‥わかったでしょ?」
…確かに拒否しすぎな気がした。
「あなたとならいけるかもと思って色々準備したんだけど。やっぱり無理なのね。」
そう言う薫が少し、寂しそうな顔をしていて胸がキュンと疼く。
俺は薫の手を握った。薫の身体が拒否反応を起こす前に一気に言う。
「俺と、付き合わないか」
君のとろけた顔が見たいのです。 柳瀬 新 @shinjun
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