歩幅は自由自在

 つまりは、その人に由来するという事です。歩く速さの事です。特段理由はなくとも、伝えたい事の一つが歩幅なのです。


 実際のところ、皆が皆同じ速さで進んでいる訳もなく、やはりそれぞれの速度を持って進んでいるでしょう。それを、自分の速度が通常だとか、自分はあの人と比べて遅いとか、そうやって自分をないがしろにしようとする姿勢が全く無意味なのです。そこまで他者を突き放すなら、どうして自分一人だけで歩いていけないんですか? 自分が遅いと分かっているなら、どうして他者が必要なんですか? 結局、甘えているだけなんでしょう。そうでなければ、自分を変える他はないんです。それが成長するという事で、それは誰だってやってきているじゃないですか。どうして否定する時には、そうやって悦に浸る時には、他者に固執しなければならないというのは、詭弁でなければただの阿保でしょうが。


 自分の歩幅を持って、胸を張って進んでいけばいいんです。そうしていれば、少なくともそれはできるのです。そうでなくとも歩こうとしている自分はいる訳で、まずはそれでいいじゃありませんか。否定というのは、自分に吹いてくる追い風をあざ笑う仕草なのです。「お前は役には立たない」などと、馬鹿にする行為に他ならないのです。分かっているなら、どうして風が吹いてくる所に突っ立っているのかって話をしているんです! 初めからそうですよ。だから分かっているなら進むべきなんだ! 迷わず前に進むべきなんだ!! そうじゃなきゃ死ねないんだ!! 生きていなきゃ死ねないんだ!!


 だからそれまでは、生きていましょうと、歩いていきましょうと、そういう話をしているんですよ。別に歩かなくてもいいんです。走ってもいいんです。寝てもいいです。座っていてもいいです。何をするにしても、自分は辿り着こうとしているんだと、そういう気持ちを持っていようという訳ですよ。別に持たなくてもいい訳ですよ。自分で決めて、自分で始めればいい訳ですよ。ずっとそうしてきたんです。できる時に、できる事をやるだけです。今までそうしてきたように、今にもするだけなんです。

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