毎日やりたいことばかり
生きていたいし、お腹いっぱい食べたいし、納得できる考えに至りたいし、進めていることにケリがついてほしいし、歳を取っても健康でいたいし……そうやって、やりたいことがどんどん積もって僕の生活を圧迫するばかりだ。だから元気に生きていくしかないってことだ。それをするんだ。しているんだ。そういう日なんだ。昨日もそうだったし、今日もそうだ。こんな年中夜更かし寝坊助にも、それくらいの希望や欲望くらいはあるのだ。
つまり、幸福になりたいのだ。普遍的な欲求だ。そういうものを叶えたくて生きているのだ。僕だけではない、みんなそうだ。全ての人が、結局はそうなりたくて生きているのだ。まだ、そうなっていないだけだ。だからこれからそうなるのだ。絶対にそうなるべきだ。どうしてならない!?
そうやってみんなの幸福を願おうとすると、やはり巨大な矛盾に出くわすのだ。もう何回もそうだ。誰かは他者の幸福を願い、他の誰かは他者の不幸を願うのだ。それが大きな潮流になって、世の中を形成しているのだから、それはもう僕個人にはどうしようもない程の威力を持っているのだ。それでも、やはり幸福であってほしいと思う。そうやって、ただ無尽蔵の願望を抱え込んで死んでいくのだ、僕は。
一人くらいは、幸福にしてやれるような人間かもしれない。でも、近所の人を助けるような事もできないままに、国の平和を実現するなどは全く出鱈目で、ならば世界平和も無理なのだ。全く不可能だ。そもそも自分一人幸せかどうかだって分かりゃしないのに!!
それでも、生きていたいし、お腹いっぱい食べたいし、納得できる考えに至りたいと思っているのだ。他にも色々たくさんの願いを抱え込んでいるのだ。それだけで、死んでいくつもりはない。願望はこの世に生きていくのだ。死んで残るのは身軽な感覚だけだ。全てを手放して、ただ緩やかに流れていくその感覚だけだ。それまでは、毎日やりたいことばかりだ。世界平和だってそうだ。いつかは必ず実現してみせようと、そう画策しているのだ。真剣だ。真っ当な真剣さだ。つまり本気だ。そしてそんなものでは、願望は何一つ叶わないということだ。願望を叶えるのはいつだって行動だ。僕にはそれが必要で、だから今こうして手に持っているというのに。
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