毎日更新から目を背けている

 これは単なる怠惰なのか。それとも適切な目標を打ち立てられない能力不足の結果なのか。未熟な僕には、区別がつかない。例え何も内容がなかったとしても、それでも書くべきなのだろうか。そもそも、いつも書いている文章に中身なんてあるのか?


 もっとこう、明るい事を書くべきなのかもしれない。若者特有の、満ち溢れた万能感を発揮するべきなのではないか。特筆すべきことがないからこそ、ほとばしる万能感……それもまた、中身がないと一蹴できてしまえる物事だろう。だが、それはまだ若さという主題があるから、一貫した流れはそこに生じるはずだ。


 しかし、僕にはそんなものはない。だから表現もほとんどできないだろう。やってみせても、実際に持ち合わせている人と比べれば、大した内容にはなるまい。見せかけの元気を見透かされて、最後には離れていくだけだ。僕はここに一人いて、椅子に座っている。情けない気持ちを背負って生きている。離れていく人の顔は、どこにも見えない。だから僕はここで椅子に座っているだけだ。


 この世のどこかで、毎日更新を諦めている人がいる。それは僕だけではないのだろう。孤独は、この世に蔓延はびこっているという。孤独は孤立した個人だが、一人だけではないのだ。作家は皆、孤立する生き物だ。自分だけが見た景色を、どうにかして共有しようと躍起やっきになっているものだ。僕もそうだ。僕の見た景色は、どうやら大したものではなかったようだが……しかし、今さら止める訳にもいかない。止めたところで、最早どこにも行けないだろう。どこにも、たどり着けるところなどないのだろう。そう思い詰めて、やがてまた書き始めるだけだ。


 僕は書かなくては。誰に言われなくとも、たった一人でここに存在しなくては。そうでなければどこにいるのだ。どこにいられるのだ。どこにいたっていいだろう!?




 僕には、使命感が欠けている。死ぬかもしれないとさえ思わせる、恐怖心が足りていない。そんなものは、足りていなければそれでいい。そんなものがなければ何もできないのなら、四六時中、ただ続けている人に追いつけやしない。僕は続ける人にならなくては。ただ一心に、続けている人にならなくては。

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