書く事なくなっても書くんだ
なくなるという事は、死んでしまう程にありえない。つまり、いつか必ず訪れる事なのだ。僕はこれに対して特に対処する方策を持っていない。むしろ諦めてさえいる。そういう時もあるのだ。そうやって、誤魔化そうとして、失敗するばかりだ。
ずっと気になっている。もし何も書けなくなった時に、僕が今まで続けてきた事というのは、どのような意味を持ってくれるのだろうか。その時、全く何の意味もなかったと、否定せざるを得ないのかもしれない。だとして、僕に何ができるのか?
結局、僕は続けるしかないのだ。死ぬ為に生きている訳ではないように、筆を折る為に文章を書いている訳じゃないんだから、そうやって続けていくしかないのだ。例え何の意味もないとしても……あるいは、何の意味もないからこそ、続けなければならない。僕の代わりに僕の人生を無駄にしてくれる人なんて、どこにもいないのだから。
そうやって、僕は今も書いている。だから理由を問われても、まともに答えられないだろう。答える責務も抱えないだろう。ここにいて、何かをしている。それが生きているって事なら、みんなしているし、僕だってそうだ。そんなどうでもいいことを、わざわざ親切に答えてくれる人が、一体どこにいるものだろうか。僕もそうやって、そんなのは当たり前だと言って、やはり書き続けているだろう。それだけだ。それだけでよかったはずだ。いつからか、そうではなくなるのだろう。いつも、この世のはじっこの方で、一人で、心のどこかで、そう思っている。
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