【自主企画用プレミスのみ】猟奇殺人敬意狂想譚イザホ~紋章で作られたワタシは生き返った死体じゃない~(仮)
オロボ46
エクササイズとプロミス
【完成したプロミス】
10年前の「鳥羽差市」で起きた猟奇殺人事件の遺体をつなぎ合わされ、「紋章」と呼ばれる魔術により命を吹き込まれた「イザホ」(主人公)は、現代の鳥羽差市で起きた失踪事件の犯人(敵対者)に狙われることになる(災難)。
きっかけは、自身の存在理由を確かめるために(目的)、鳥羽差市に引っ越してきた直後に失踪事件に遭遇したことであり(シチュエーション)、その失踪事件から始まる現代の猟奇殺人事件の解決のために行動していく(対立)中で、イザホは住民達から影響を受けて自分の存在を作っていく(葛藤)。
【エクササイズ】
■ 主人公は誰?
「
通称「イザホ」
バラバラ殺人事件の遺体をつなぎ合わされ、「紋章」と呼ばれる魔術によって命と人格を与えられた動く死体。
名前の由来は中世の魔女狩りで有名な「イザボー・シェイネ」から。
■ 主人公は平凡か、非凡か?
非凡。
■ 冒頭で主人公はどんなシチュエーションにいるか?
紋章によって人間なみの知能を持ったウサギの「マウ」とともに、育ての親の元を離れ、かつてバラバラ殺人事件が起きた街「鳥羽差市」に引っ越すところ。
そこを引っ越し先にした理由は、10年前の事件について知ることで、自分は事件の被害者とは違う存在であることを実感するため。
■ 冒頭での主人公の状態は?
10年前のバラバラ殺人事件の被害者たちは6人いたが、そのうちの誰からの記憶を引き継いでいない無垢の状態から命を吹き込まれた。
そのため、被害者の遺族の慰めのための存在なのか、被害者たちの意思を継ぐ存在なのか、それとは関係なく生きる存在のためか、自身の存在に自身が持てていない。
また、命を吹き込まれてから引っ越すまで、鳥羽差市から離れた屋敷で被害者のひとりの遺族と暮らしていたため、箱入り娘を自称している。
■ 主人公または敵対勢力によって、それはどう変わっていくか?
引っ越し先で遭遇した失踪事件から始まる事件を追いかける中で、イザホと関わる住人たちや10年前のバラバラ殺人事件の被害者の遺族との出会いによって、自身の存在を“見つける”のではなく“作っていける”ようになる
■ 主人公が置かれたシチュエーションは平凡か、奇抜か?
奇抜。
■ 主人公の目的は?
鳥羽差市で活動する探偵の助手として、現代に起きた失踪事件から始まる事件の解決。及び10年前の事件の真相を知ることによって、自身の存在を確立すること。
■ メインの敵対者は誰? 人物でなければ何と敵対する?
現代に起きた失踪事件から始まる事件の犯人、およびその協力者。
■ 「普通の世界」にいる主人公が葛藤や対立を体験し始めるのは、どんな災難が起きるからか?
引っ越しの直後に起きたトラブルによって現代の事件に関わりを持つ人物と遭遇したことに加え、現代の事件に探偵の助手として関わったことにより、現代の事件の犯人たちに狙われることになる。
事件を追いかける中で、犯人はイザホが10年前の事件の遺体をつなぎ合わせた存在であることを理由に狙っていることが明らかになっていく。
■ その災難に対する主人公のリアクションは、どんな葛藤と対立を生むか?
最初は生まれ故に人間の死に現実感を理解できず、10年前の事件と関連があると思い好奇心を高めていた。しかし、次第に人間らしい感情が強まり、自身の存在が見つからない苛立ちと犠牲者の増加に伴う非力さを実感していく。
現代の事件を起こし、複数の被害者を出した犯人との対立、そして、自身の存在と今後の生き方を模索していく葛藤が描かれる。
■ その葛藤と対立はすんなり解決せず、ストーリー全体を通して続く。その理由は?
失踪事件は10年前のバラバラ殺人事件の再現へと発展していく。犯人による犯行の複雑さ、そして捜査の妨害と殺意に満ちた罠。それに加えて犯人の協力者の存在や、消息を絶ったはずの10年前のバラバラ殺人事件の犯人の出現。これらにより事件は解決の兆しがなかなか見えず、主人公たちは街を駆け巡ることになる。
その中で出会うことになる、現代の事件、そして、10年前の事件と関わり合う者たちと出会う。彼らの事件に対する思いや生き方に触れ、イザホの葛藤は右往左往していくことになる。
■ このアイデアに説得力はあるか?
この物語のテーマのひとつに、「他人からの影響」がある。
物語の中で度々登場する「紋章」と呼ばれる魔術は、魔力を体や物に埋め込むことで効果を発揮するものとして、人々の間で普及されている技術として登場する。これは外部のものを自分に埋め込むことにより、力にしていることの象徴となっている。
また、イザホが出会う鳥羽差市の住民たちの生き方には皆、誰かの影響を受けている。ある人物の影響を受けて鳥羽差市を愛するようになった者、ある人物に何かを託したことによってそれを失った者、肉親の夢を叶えるために努力をしてその職業についた者……そして、10年前の事件に対して、独自の見方を身につけた者や、自身のイメージを変えられた者など。
もちろん、10年前の死体に命を吹き込まれた存在であるイザホも、10年前の事件の被害者の体が使われている点、それを被害者の遺族が命を吹き込んだ点、そして、事件の犯人による殺人により生まれるきっかけが与えられた点で、他人からの影響により自身が作られたことに気づいていく。
これらの他人の影響を受けているのは、10年前の事件や現代の事件の犯人たちも例外ではない。
これらのことから、「他人からの影響」というテーマに適しているという説得力を持つアイデアとなっている。
■ このアイデアに独自性はあるか?
猟奇殺人が起きた街を舞台としたサイコサスペンスに、死体から作られた存在であるイザホが自身の生き方を探るという成長と自立の要素、体や物に埋め込めて使う「紋章」という魔術が普及しているという、ダークファンタジーとサイバーパンクの要素を入れて独自性を高めている。
■ 他の類似したストーリーとの違いは?
SFの要素の入ったサスペンスとしてみると、技術を主にフル活用してくるのは事件を追いかけるイザホたちではなく、犯人側であるという相違点がある。
紋章は一般人にも普及はしているが、危険な紋章は法律で禁止されている。イザホは権利の与えられた刑事ではなく、私立探偵の助手に過ぎないため、紋章を使うというよりも足で犯人を追い詰めていく場面が多い。
その一方で、犯人は正体不明の紋章により異世界にイザホを引き込み、違法であるはずの紋章を使い、イザホとその関係者の命を狙いにくる。
また、この物語はSFの意味合いが強いものの、「紋章」という名の魔術、中世の魔女狩りの関係者から取られた登場人物の名前など、ダークファンタジーやゴシックホラーの雰囲気も併せ持っている。
主人公が自分を見つける物語として見るなら、主人公であるイザホという異質な存在が他の類似したストーリーとの違いを表している。
普通の悩める10代の人間とは違い、イザホは死体から作られた存在である。感情や知能、自我は与えられているものの、人間の価値観はまだ理解できていない部分が多い。
その一方で、一般的な人造人間とも違う点は、その体が10年前の事件はもちろん、現代の事件にまで関わっていること。6人の被害者の体をつなぎ合わされたイザホはその誰の記憶も引き継いでいない。それ故にイザホ自身は6人の被害者とは別であると考えているが、周囲の被害者の遺族からはそれぞれの被害者の生まれ変わりとして見られてしまう。被害者とは別人であるはずなのに、被害者の体を使われていることで別人として見られていない。
生き返ったゾンビというよりは、被害者の遺体を使って作られたフランケンシュタインの怪物の方がイメージとしては近い。しかし、フランケンシュタインの怪物にしては元になった死体が現代の事件にも関わってくるという点で違いを出している。
■ どうすれば独自性を高められるか?
事件を解決するための推理という面よりも、犯人の犯行の理由、およびイザホの葛藤の解決と自立といったドラマとしての面を強くする。そうすることで、「紋章」の他者からの影響の象徴である面を強調でき、なおかつイザホの存在を中心に物語を展開していくことで、独自性を高めることができる。
■ ストーリーの焦点は?
イザホが自分の生き方を模索し、自我を越えた自分としての形成が1番の焦点となる。
それとほぼ同等の焦点となるものが、現代で起きる事件。イザホが模索している間も犯人は暗躍を続け、犠牲者が少しずつ増えていく中、事件の真相に迫っていくイザホの自らの存在への葛藤と、10年前の事件を思い起こす住民たちの過去が互いに影響を与えていく。
■ ジャンルは?
ゴシックホラー風味のSFボックスガーデンサスペンス。
ボックスガーテンサスペンスとは、ひとつの街を箱庭として表現し、そこを訪れたよそ者の主人公が、現地の個性的な住民たちと交流しつつ情報を得て、箱庭の中で起きた事件の真相に迫っていくというジャンル。ただし、これは筆者が自称しているだけである。
これに近い作品を挙げると、デヴィッド・リンチ監督のドラマ「ツイン・ピークス」や、SWERY氏がディレクターとして手がけた2021年秋に発売予定のゲーム「The Good Life」など。
また、今作だけの視点でみると、犯人が作った異世界という面や、イザホが他人から影響を受けて自分を創り上げていくという心の中の箱庭という面も兼ねている。
■ 読者層は?
思春期を迎えた10代後半から20代の若者まで
■ 質問への答えを見ながら、プレミスとしてひとつの文にまとめて下さい。
あなたのストーリーのプレミス(ひとつかふたつの文で表して下さい)。
10年前の「鳥羽差市」で起きた猟奇殺人事件の遺体をつなぎ合わされ、「紋章」と呼ばれる魔術により命を吹き込まれた「イザホ」(主人公)は、現代の鳥羽差市で起きた失踪事件の犯人(敵対者)に狙われることになる(災難)。
きっかけは、自身の存在理由を確かめるために(目的)、鳥羽差市に引っ越してきた直後に失踪事件に遭遇したことであり(シチュエーション)、その失踪事件から始まる現代の猟奇殺人事件の解決のために行動していく(対立)中で、イザホは住民達から影響を受けて自分の存在を作っていく(葛藤)。
【自主企画用プレミスのみ】猟奇殺人敬意狂想譚イザホ~紋章で作られたワタシは生き返った死体じゃない~(仮) オロボ46 @orobo46
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