第6話 それぞれの想い ~シークレット~心に秘めた想い~

それから1ヶ月が過ぎ。


私の心に異変が起き始ていた。



“逢いたい” とか “話がしたい” とか……


“私以外の良い人が出来たのではないか?”



そんな事までもが脳裏を過る。


認めたくないけど認めざるをえなくて……




「………………」





だからって私から連絡?


出来る訳がない。


第一、揺れ動かないとか宣言した私が連絡なんて……



まさか、こんな気持ちになるなんて思ってなかった…




そんなある日、ショックな事件が起き……




谷口君が女の人と一緒にいる所を見かけた。


私の胸はズキンと痛み自分の想いに改めて気付き私は涙が止まらなかった。


そんな時に限って、まさかの谷口君からの連絡が入って来る。


しかもメールではなく電話がかかってきたのだ。



出るのに躊躇した。


私は電話に出るのを辞めた。


その後メールが入って来ては読む事なく放置。


数日間放置していた。



数日後。



「おいっ!夏川 理乃!」



ドキッ



「た、谷口君っ!?」



私は、逃げる。




後を追われグイッと腕を掴まれた。




「な、何?」

「逃げる理由が分かんねーんだけど!」

「そんなの…っ!」




キスされた。


唇が離れ、至近距離に胸がドキドキ加速する。





「…心配…かけんなよ…」

「…えっ…?」



体を離す谷口君。



「前にお前見かけた日があって、夜、連絡したら電話に出ねーし。メールしても返事ねーし。…誤解してんじゃねーかって……」



「………………」



「つーか…お前を落とすつもりが俺がお前に落ちた…」



「えっ!?」



「お前が好きなんだよ!夏川 理乃っ!」



ドキッ




「…谷口君…」


「お前と出掛ける事が増えて最初は普通に過ごしてきたけど…後々、お前の事が好きになって…意識しすぎて、一緒にいるの無理!と思って…態度変わったりして距離おいた…本当は毎日逢いたい位、お前にハマっていった…」



私は涙がこぼれる。



「…えっ…?ちょ、ちょっと何で泣く…」

「…ごめん…まさか…そういう理由だったなんて思わなくて…」

「えっ…?」

「…私……きに…なって…た……」



「…えっ…?」


「あんたの事、いつの間にか好きになってたのっ!」



「………………」



スッと両頬を優しく包み込むように触れる。


ドキッ



「俺と付き合って欲しい…理乃…」


「…はい…」




グイッと抱きしめる谷口君。




「つーか…お前も揺れ動かないとか言って結局、好きになってんじゃん!」


「し、仕方ないでしょう!?」




抱きしめられた体を押し離し私は帰り始める。




「ちょっと待て!」

「な、何?」

「送るついでにちょっと付き合えよ!それとも何か予定ある?」

「別にないけど…」

「じゃあ良いじゃん!」



私達は車のある所まで移動する。


私を助手席に乗せ、運転席に移動すると車に乗ってくる。



「理乃」



ドキッ



「な、何?」



振り向くと同時にキスされた。




「今日から改めて宜しくな!」

「う、うん…」


「後、先に言っておくけど、年の差とか、年上だからとか年下だからとか、そういう考えは捨てろ!恋人同士になったんだし、俺頼って欲しいし、思っている事は遠慮なく言って欲しい」


「う、うん…」


「お互い色々知るべきだし包み隠さず、これからお互いの事知ろう」





私達の恋は今、始まったばかりだよね。





~ E N D ~





































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