九~一二

   九 多々波ちなみ

 ウロは犯人じゃない。神隠しの犯人は、絶対にウロじゃない。あたしの勘が、そう言っている。でも、それだけじゃダメだ。今回だけは、勘に頼っていちゃ、ダメだ。証明しなきゃいけない。絶対の証拠を上げて、二人に納得してもらわなきゃいけない。すすぐの側から離れなくなってしまったおもやに。霊触症の眠りについた、すすぐに。

 すすぐのやつ、霊触症だなんて一言も言っていなかった。おもやも知らなかった。知っていたら、教えてもらっていたら、あんな事故は起きなかったかもしれない。おもやがあんなに塞ぎ込むことだって、なかったかもしれない。どうして教えてくれなかったんだ――そう思わないと言えば、嘘になる。でもそんなこと、今だからそう考えられるって話なんだろう。

 すすぐは、言えなかったんだと思う。たぶん、怖くて。だってもし知られてしまって、距離を置かれたり、そうでなくとも変に気を使われたりしたら。霊触症という病は、そんな程度の心の負担ですら重症化につながる危険を孕んだ病なのだから。霊触症ってのがそういう病気だってことくらい、あたしでも知っていた。だから、水臭いだなんて、言えなかった。言えるはずがなかった。それに、仮に言ったところでもうすすぐは、あたしたちの声なんか届かない身体になってしまって――。

 ふざけんな。

 このまま諦めてたまるか。霊触症がなんだ。神隠しがなんだ。

 あたしは友達を取り戻したい。取り戻す。取り戻さなきゃなんだ。

 だからあたしは切り札を切る。二人を取り戻すために、絶対に切ることはないと誓ったはずの切り札を、切る。そして、証明してやる。ウロが犯人じゃないってことを、二人に。そうすればきっと、原因を取り除けばきっと、誤解だって判ればきっと、全部元にもどるはずだから。すすぐは目を覚まして、おもやはじいちゃんのことを乗り越えて、そしたらきっと……そしたらきっと、また三人で、バカをできるはずだから。だから――。

 だから父さん、ごめんなさい。あたしはあたしに、殉じます。


   一〇 多々波ちなみ

「やあ多々波たたなみのお嬢さん、ようやくお会いできたね。汚いところで恐縮だが、歓迎するよ」

「……お初にお目に掛かります。突然の願いにも関わらずこうして対面の機会を頂けたこと、感謝致します」

 そう言って私は、“王様”の前に跪く。両足のない“王様”よりも図の高くなることのないよう、身を屈めて。幸い……と言っていいのかどうかは不明だけれど、小柄なあたしにとってその体勢は特に苦もなく実現できるものだった。頭の上から、“王様”の軽薄な声が響く。

「なに、そう畏まる必要はないさ。お嬢さんはおれを知らないだろうが、おれはお嬢さんをよく知っているからね。イタマからもらったマフラーは役に立ったかい?」

「あれは――」

「知っているさ。下山家の犬っころに嗅がせて那雲崎のお嬢様や田中の坊主と遭遇した後、『あんどろぎゅのす』のカマ野郎に返してやった――そうだろ?」

 どうして――そう言いかけたあたしの言葉を遮り、“王様”がぐにゃりと口角を上げる。

「俺の目は、双見中を巡っているからね」

 ……唾液を飲み込む。見られている、知られている。何気なく暮らす日常が第三者の前で筒抜けになっている。その事実を告げられることがこんなにも気分悪く、また、恐ろしいと感じるものだとは知らなかった。……震えるな、多々波ちなみ。お前はそれを承知でここへ来たんだろう。結構なことじゃないか。だってこれで、噂が真実だと判ったんだから。深く息を吸う。部屋の中に充満した甘ったるい空気が、肺の奥へ溜まるのを感じた。

『屋無』の王様。本名も経歴も不明。通称まっさん。ただし、そのまっさんという通称を知っている者も、双見には少ない。爪弾き者の『屋無』のことなんてみんな気にしないし、むしろ積極的に視界に入れないようにしている。その点はあたしだって、町のみんなと五十歩百歩だ。でもあたしは、聞いてしまったのだ。「まっさんは双見で起こったことのすべてを知っている。情報によって町中をコントロールする『屋無』のあいつこそ、双見を牛耳る真の王なのだ」。そういう、黒澤組若衆の間で流れる噂を。

 噂の真相を突き止めてやろうと、あたるのやつに聞きに行ってみたこともある。けれどあいつは仲間外れにされているのか何なのか、そんな噂が流れていることすら知らなかった。仕方なく他の若衆に尋ねてはみたもののあたしの事を知っているやつらは面倒がって教えてはくれず、尾行して盗み聞きをしてみても殆ど当てにならない曖昧な噂以下の世間話程度が、それも極稀に漏れ聞こえてくる程度の成果しか得られなかった。

 だからあたしは、これは自分で突き止めてやらねばと『屋無』の区域、旧国軍基地の周辺を出入りするようになった。そこでイタマと出会えたのは、あたしにとって最大級の幸運だったと言って間違いない。

「それで、今日はどんな要件だったかな?」

「……これを」

「ほう。そいつがお嬢さんの“手土産”かい」

「はい。これは父さんが……多々波考真こうまがその生涯を賭けて掻き集めた秘蔵の資料です。これを、あなたに献上したいと」

 イタマはしゃべることの苦手な子で、話を聞き出すのにはずいぶんと手間取った。とはいえそれだけの労力を掛けた甲斐は、確かにあったといえる。噂は、強ち間違いでもないようだった。『屋無』を束ね、その『屋無』を用いて双見の全てを把握しているまっさんという人物は、現に実在していた。そして、どうやらかなりの食わせ物であるらしいと。好奇心が湧き上がっていくのを感じた。

「多々波考真のレポート……知っているさ、知っている。反骨のジャーナリストが権威や権力と戦いながらも積み重ね続けてきた膨大な“真実”の積層体。その中身を知るということが何を意味するのか、身震いが抑えられないね。……しかし、いいのかい? そいつは金庫の中で眠らせると誓った、お嬢さんにとってのお父上そのものだったはずじゃないのかい?」

「……構いません」

「なるほど、ずいぶんと思い切ったものだ」

 あたしはイタマを経由して、まっさんとの接触を試みてきた。イタマは『屋無』の仕組みの全部を知っているわけではないらしく、それ以上を知りたければ自分で行動する他なかったのだ。とはいえその行動は、芳しい結果をもたらしてはくれなかったけれども。基地内へ潜り込むことも考えたけれど、「それだけはやめて」と必死の形相のイタマに頼まれてしまったので、潜入捜査は断念した。強行したい気持ちはあったけれども、急ぐ必要はなかったから。他の噂を追いかけている間に、もっと良い機会に巡り会えるかも知れない。そう思って。

 でも、事情が変わった。

 そして今日、あたしは自ら機会を作った。イタマを経由し、まっさんに会いたいと伝えた。“手土産”を持参していくからと、付け加えて。まっさんが噂通りの人物であるなら、あたしの贈れる“手土産”の価値に気づいてくれるはずだろうと見込んで。――果たしてあたしは、王への謁見に成功した。好奇心なんていう、生半な理由なんかではなく。

「中は検めたのかい?」

「いえ、父はあたしに見るなといいました。だから、あたしは見ていません」

「はは、そいつは孝行なことだ。親を敬うその気持ち、嫌いじゃない。それに、懸命な判断だとも言える。……で、見返りは?」

「神隠しの犯人を」

 すすぐとおもやを――あたしの友達を助けるための、その方法を。

「……なるほど。誤解したままぶっ倒れた友達の目を覚まさせてやりたい、といったところかね?」

 既に乾いて空になった口の中で、のどだけが動く。それを見て取ったのだろう。まっさんが私を見下ろしながらいやらしく笑った。……呑まれるな。これは交渉だ。対等な取引だ。足元を見られちゃいけない。それだけの物を、あたしは持ってきた。父さんの資料には、それだけの価値があるはずだ。首から下げた模造の懐中時計を、握りしめる。

「仰るとおりです。あたしはあなたに父の資料を、あなたはあたしに神隠しの犯人の情報を、互いに交換する。今日は、その取引のために来ました。とはいえまっさん、あなたが神隠しについて何も知らないというのなら、この話もなかったことになってしまいますが」

「そいつは挑発のつもりかい?」

「……受け取り方は、あなたが決めてください」

「気が強いな、さすがは双見随一の跳ねっ返り。嫌いじゃないがね」

「……褒められているのでしょうか」

「そっちで勝手に受け取りな。が、それはそれとしてひとつ、はっきりさせておこうか。俺は双見で起こることなら何でも知ることができる。そういう自負もある。しかしそれは何もかもを知っているということを意味するわけじゃない」

「どういうことですか?」

「時間も人も、有限だってことさ。頭の中に詰め込める情報量もな。調べられるからと無制限に手を伸ばすようなやつは、そいつは情報を入手しているんじゃない。情報に溺れているだけだ。必要がないと断定した情報であれば、調べない勇気も持たなければならない」

「……神隠しの犯人は必要のない情報で知らない、そういうことですか」

「いや、そいつのことは知っている」

「なら――」

「……だが、だからこそこの取引には応じられない」

 なぜ――と、反射的に口走りそうになる自分を抑える。前のめりになったらきっと、つけ込まれる。冷静になるんだ、ちなみ。

「……資料の中身、知っているのですか?」

「いいや。予想はできるが、確証はない」

「ではあなたは、父の資料に価値などないと?」

「そんなことはないさ。いや、ある意味ではそうとも言えるがね。……まあ待ちな、お嬢さんみたいに可愛らしい女の子がそう怖い顔をするもんじゃない。確かにお嬢さん、俺は『屋無』の王で、双見で起こったことならなんでも知ることができる。だがそいつは、裏を返せば双見の外については無力であることを意味してもいるわけだ。多々波考真のレポートにはその欠落を補完する、垂涎の外の情報が得られることは想像に難くない。であれば成程、この交渉は俺にとっても利のある魅力的な取引と言えるかもしれない」

「なら、なんの問題もないじゃないですか」

「ふふ……“素”が出てきたんじゃないかね、お嬢さん。取り繕ったその態度はいったい、誰の物真似かな?」

「……」

「ま、人の話をよく聞いてくれ。俺は“かもしれない”って言ったんだ。利になるかもしれないし、ならないかもしれない」

「言っている意味が、よく……」

「それならなあお嬢さん、よぅく考えてみてくれ。そもそも情報ってのは、なんだ?」

 とつぜん問いかけられ、思考が答えを探し求めるモードに入る。情報。改めて言われると、これほど広範で曖昧な概念もそうないと思える。解釈を広げるなら、世の中の認識できる対象は何もかもが情報と言えなくもないのではないか。でも一般的には、情報という言葉をそのような意味では使わない。一般的な使われ方。そこに絞って思考しひとつ、結論を見つける。

「出来事や物事を伝達できる形に直したもの……?」

 情報とは伝達する為のもの……導き出した答えにあたしは、案外間違いではないんじゃないかと密かに自信を抱く。しかしまっさんは、どこか人を小馬鹿にした態度のまま、首を左右に振る。

「良い線いっているが、まあ、当たらずとも遠からずといったところだな。いいかいお嬢さん、教えてやる。情報ってのは、人を動かすための道具さ。状況を、関係を、意図した方向へ操作するために使用するものさ。故に、情報そのものに直接的な価値はないんだ。情報ってのは、用いる対象が在って初めて役に立つものだからな」

 まっさんの説明を黙って聞くものの、あたしにはいまいち納得できなかった。なんというかまっさんの情報論は、余りに功利的に過ぎるような感じがしたのだ。まだあたしの答えのほうが、正しいように感じる。そうした思いをあたしは口元へ集中させ、とがらせる。

「ぴんと来ないかい? なら『どこかの王様に遭うという目的の為、“友達になる”という情報を小出しにすることで哀れな爪弾き者を操作してきた誰か』のことを考えれば、少しは理解の助けになるかい?」

 鈍い衝撃が、頭から首へと伝った。それって、あたしと、イタマのことを――。

「あたしは、そんなつもりじゃ――」

「おや? 誰とは言っていないんだが、なにやら思い当たる節があるようだね?」

 何かを言おうとして開きかけた口を、閉じる。何を言っても、この状況じゃ言い訳にしかならない。例えそれが言い訳でなくとも、そう聞こえてしまう。ただ利用するためだけに近づいたなんて、そんな、ふうに。まっさんが、両手を広げる。

「ま、誰のことを思い浮かべたのかは知らないが、こいつはただの一例さ。しかしどうやら、理解してもらえたみたいだな。そうだ、情報とは、使用して初めて価値があるもの。翻って、使用する状況や相手が見つからない場合、畢竟情報にはデータとして以上の価値はなくなるんだよ。いやそれどころか、場合によっては負債になる場合すらある」

「負債?」

「お嬢さん。お嬢さんはこの交渉にあたって、意図的に情報の隠匿を行っていたね?」

「な……い、言いがかりはやめてください!」

「そうかい? ならどうして『危ないから見てはいけない』というお父上の遺言を伏せているんだね?」

「それは――」

 とっさに飛び出た声。しかし、そこで詰まった。反論が、出せなかった。

「交渉が不利になると思った、そうだろう? いやいや、大したものだお嬢さん。自身の都合に合わせた情報操作。あんた素質あるよ。愚民共を騙して操る、コントローラーとしての素質が」

「あたし、そんなの……」

「なんにせよ、お嬢さんのお父上が言っていた通り、そいつは知っているだけで危険が及ぶ良し悪しどちらへも振り切ったとびっきりの情報だ。おまけに俺がそれを手にしたとして、使用できる状況や相手を見つけ出せるかも不確実と来ている。お嬢さんの方は、明確に得をすると判りきっているのにだ。となれば当然、この交渉が公平なものとは言えなくなるよな?」

 おっと、「確かめてから判断して」だなんて、いまさら言わないでくれよ? そう、まっさんが付け加える。言われなくとも、理解していた。いや、理解させられてしまった。まっさんの言葉は、一々もっともだった。どちらが誠実で、どちらが不誠実か。あたしはそれを、自覚してしまった。でも、引けない。引くわけにはいかない。だって、だってあたしがこのまま引いてしまったら――。

「あたしが諦めたら、すすぐが……」

「そいつはあんたの事情だ。お嬢さんのお友達が二度と目を覚まさなくなって、それで俺に何か“損”があるかい? いや、そもそも――お嬢さんの行為、そいつは本当に意味のあることなのかい?」

「……なにが、言いたいんですか」

「お嬢さんは、真実を突き止めるだけで友達が目を覚ますって、本気でそう信じているのかい?」

 胸に、手を当てていた。模造の懐中時計、木造りのその感触が、折り曲げた指の関節を打つ。あたしだって、思わないわけじゃ、ない。無駄なんじゃないかって。こんなことしたって、すすぐが目を覚ますことなんかないんじゃないかって。でも、何もしない訳にはいかないじゃないか。信じるしかないじゃないか。だって、そうでもなきゃ……あたしは、なんだ。友達のために奔走する自分というポーズを取っているだけだなんて、そんな、そんなはずは、ない。ないんだ。

 ないんだ。

 あたしは自分で決めて、自分が信じたことに尽くしているんだ。それがあたしに殉じるってことで、それが大人になるってことで――なあ、そうだろ、兄貴。ねえ、そうでしょ、父さん。あたし、間違ってないだろ?

 間違って、いないよね?

「おっとお嬢さん、そう悲しそうな顔をしないでおくれ。そんな顔をされちゃ、俺のこの骨と皮しかない残ってない胸が心苦しさに押し潰されちまう。それに……早とちりするもんじゃあない。俺は何も、取引しないっていった訳じゃないんだからな」

「え?」

「あんたのお父上のレポート。そいつは膨大な価値を生み出す可能性があるものの、現時点では未知の闇に揺蕩うものだ。そいつだけで取引することはできない。だからそのレポートにもうひとつ、“確実な利益を生み出すもの”を提供してくれるならこの交渉、受けてやることも吝かじゃないさ」

 突然の意趣返しに、あたしは却って言葉を失う。そんなあたしを前に、まっさんは構わず話を続けていく。

「なあお嬢さん、不思議に思ったことはないかい? 俺たちみたいなロクでなしが、どうしてこの双見にいられるのかって」

「え? それは、黒澤組でそう決められてるからじゃ――」

「そいつがそもそもおかしいって話さ。ここにいるのは自意識と尊厳をクスリで溶かした人間未満のバカどもだらけだぜ? “あの”黒澤太平太が、愛する双見に特区を制定してまで滞在させたいと思うような連中じゃない。だが、事実として俺たちはここにいる。さあて、こいつはどういう絡繰りだろうな?」

 あたしは考えてみようとする。けれど、頭がうまく働かない。ぶんぶんと、頭を横に振る。

「なに、答えは簡単さ。金を落とすから。それだけのことだ。金を落とすから、『屋無』は黒澤から目溢ししてもらってるんだよ。じゃあ、その金はどこから振ってくると思うね。さあお嬢さん、懸命なお嬢さん、考えてみておくれ。お金はどうして増やすものかな?」

 まっさんによる問いかけ。あたしはやっぱり考えることができなくて、もう一度頭を振った。けれどまっさんは、答えを教えてはくれなかった。にやにやと笑って、あたしが答えるのを待っている。正体の解らない焦りが、胸の裡を掻き毟る。思いついたことを適当に口走る。

「は、働く、とか……」

「働く! いいね、実に曖昧で何にでも当て嵌まる回答だ! その通り、おじさんたちは額に汗して働くことで、ここに住まわせてもらってるのさ」

「……」

「はは、そう怯えないでくれよお嬢さん。見ての通り俺はこんなナリでね、殴り合いにでもなったら簡単にのされちまうさ。ま、意地悪もこの辺にしておこうかね。そう、おじさんたちはある物を売ってね、その一部を上納することで存在を赦されているんだよ。平たく言えば、お店屋さんってとこだ」

「お店、屋さん……?」

「そう、お店屋さん。かわいらしいだろ? ただし、扱っている商品がちょっと特殊なのさ。他所じゃ中々目にしないものを扱っているんだよ。珍しいものじゃないが、というよりありふれにありふれたものではあるんだが、どういうわけか市場にゃ中々出回らないものでね」

 頭がいよいよくらくらとする。まっさんの声が、どこか遠く聞こえる。だけでなく、まっさんの顔も身体も、歪んでいるように見える。まっさんだけでなく、目に見えるもの、全部が。

「みんなが持ってるものさ。俺も、ここのやつらも、あのえらーい黒澤太平太様だって生まれた時には等しく腹に抱えてるもの。もちろん娘さん、あんたの中にもあるもんだよ。そう――」

 複数に裂けたまっさんの指が、あたしを指した。

「人の、臓器だ」

 身体の内側が、きんと、冷えた。

「犯人の情報と引き換えに、お嬢さんの中身をいくつか頂こう。本来なら内側が空っぽになるくらいもらってやるところだが、お父上のレポートの可能性も加味して、ニ、三個ってとこにしといてやろうかね。なぁに、心配するこたぁない。人間には余分な臓器がいくつかあるもんさ。ちょぅっとだけ不便になるかも知れないが、なに、死にやしない」

 その冷たさが、声となった。

「もしかして――」

 叫んでいた。直感が。あたしの直感が、叫んでいた。

「もしかして、あんたたちが――」

 金切り声を上げて、叫んでいる。そうだ、こいつが、こいつらこそが――。

「――神隠しの、犯人?」

「……さすがは多々波といったところかね」

 頭は依然としてくらくらしていたものの、視界はいくらかマシになっていた。あたしを見下ろすまっさんの――“犯人”のにやついた顔が、よく、見える。

「そうさ。お嬢さんの言う通り、俺たちが神隠しの“一端”だよ」

「……一端?」

「一端は一端、言葉の通りさ。“神隠しを行っているのは俺達だけじゃない”って意味だ。そして、誓って言おうか。“お嬢さんが追い求めている神隠し”の犯人は、俺たちじゃない」

「……信用できない」

「信用が欲しいのかい? それなら信じるに足る情報をくれてやってもいいが……その証拠を話しちまうと、先にもう一個、モツをもらうことになるぜ? お嬢さんの華々しい将来のためにも、あまりおすすめはできねぇけどなぁ」

 あたしの裡の直感は、なおも叫び声を上げている。この人は信用できない。話の内容が信じられないのではなく、人間として信用してはならない。この人は、人を、人と思っていないのだ。でも――。

「はは、そう怖い顔しなさんな。ならサービスだ。うちは八重畑の先生や黒澤の親父さん公認の商売だからね、二人に弓引くような真似はできない。まして大得意の八重畑先生に手を出すなんてことはね。こんなもんでどうだい? ……はは、納得できちまったって顔だな。それじゃ、あらためて商談といこうか」

 納得なんか、しちゃいない。でも、まっさんは理解しているんだ。神隠しの真相に、あたしが自力で辿り着けないということを。あたし自身が、そう思ってしまっていることを。あたしが本気で犯人を見つけるつもりなら、まっさんに頼らざるを得ないという状況になっていることを。たぶん、あたしがここへ来る、ずっと前から理解していたのだ。始めから、公平な取引をするつもりなんてなかったんだ。

 それでもあたしは、選択をしなければならない。

 まっさんが、仰々しく両手を広げた。

「さあどうするね、お嬢さん。ここが考え所だ。目を覚ますかも不確かな友達と、自分の身体。娘さんにとって本当に大事なのは、果たしてどっちかな――?」

 あたしの、あたしの答えは――――。


   一一 イタマ

「ら、らめら! そんらこと、れきるわけない!」

「ただ取り次ぐだけだよ、あんたには迷惑かけない。用事を済ませたら、すぐに出ていくから」

「そ、そういうこととちがう! ち、ちいさなせんせえとおれたちはちがうんら、らから……よくない、よくないんらよ!」

「頼むよイタマ、お前にしか頼めないんだ」

「……れ、れも」

「頼む。イタマ、一生のお願いだ。あたしをあんたたちの“王様”の所へ――まっさんの所へ連れて行ってくれ」

「せんせえ……」

「頼む」

 一度こうと決めたら頑として譲らない。小さな先生がそういう人だってことは、もうずっと前から知っていた。勝負は端から決まっていたのだ。結局おれは、断ることができなかった。頭に被せた麻袋。そこからはみ出した懐中時計の振り子を見つめながらおれは、小さな先生をまっさんの下まで送り届けた。


 頭の中で、見つめ続けた振り子運動を何百回と再現しながらおれは、小さな先生とまっさんの“お話”が終わるのを扉の前で待っていた。不安だった。とても不安だった。鎖に繋がれ三日の間水も餌ももらえなかった時ですら、こんな気持ちにはならなかった。自分がなぜ不安を感じているのか判らないことが、余計に不安を煽った。

 おれはなぜ、小さな先生とまっさんを会わせたくないと思ったのだろう。まっさんは俺たちに居場所を用意してくれた、良い人だ。頭が良くて、何でも知っていて、すごい人だ。まっさんと小さな先生は“お話”するだけなのだから、心配することなんて、ないはずだ。理屈では、判っていた。自分がおかしいんだって。それなのに、止まらなかった。何度言い聞かせても、不安な気持ちが、止まらなかった。

「彼女のことが気がかりですか、イタマくん」

 扉を挟んだ向かいから、トキワ先生が話しかけてくる。理知的で、聞いているだけで心が穏やかになるようなその声で。

「大丈夫ですよ、すぐに終わるはずです」

 だけれどおれは、そうしたトキワ先生の声に落ち着きを得ることは出来なかった。おれは無言を通す。そうしたおれの態度に、先生は何かを感じ取ったようだった。穏やかな微笑を浮かべた顔に陰りが生じ、真剣な面持ちへと変わる。

「……きみは敏い子です。気づかれぬよう隠して来たつもりですが、それでも薄々勘付いてしまっていたのですね。そうですね、私の知らないところで発覚するより、この場で話してしまった方がよいのかもしれません」

「……せんせ?」

「イタマくん、よく聞いてください。私達『屋無』は人の臓器売買によって生計を成り立たせています。他者を食い物とすることでその生存権を確保しているのです」

 臓器売買、判りますね。身振りを交えながら、先生が説明する。先生の説明は簡便で、おれなんかにもすぐに理解できた。理解できて、でも、驚きはなかった。どうしてか、やっぱりという気持ちの方が、強かった。おれがこれまで連れてきた人たちの顔。それらがいくつも思い浮かび、けれど二度とは目にしていないことをおれは、瞬間的に理解していた。暴力は、嫌いだった。痛いのも、痛くさせるのも、いやだった。そういうことから離れるために、ここへ逃げ込んだつもりだった。でも、そうではないようだった。

「イタマくん、気に病むことはないのです。生きるとはそういうことなのですから。生きようとすることは、決して罪ではないのですから」

「せ、せんせ、それは、いいれす。それは、もう、いいれす。そ、それより、ちいさなせんせえは、らいじょぶ、なんれすよね? らって、ちいさなせんせえは、“おはなし”にきたらけれすもんね?」

「……子供の臓器は、特に貴重ですから」

 先生の言葉の意味が、おれには理解できかねた。先生は、時々、むつかしい言葉づかいをする。だから、おれが勘違いしたのとは真逆の意味の話をしていることも、時にはある。今の話もきっと、そういうものに違いない。そういう時先生は、おれが誤解していることをすぐに読み取って、訂正するための話をしてくれる。今回もそうだ。そうするために、ほら、先生が口を開く。

「彼女がここから出ることは、おそらくないでしょう」

 意識よりも身体が先に、動いていた。腕が伸びる。指が伸びる。扉を開けようと、おれが動く。けれど、その動きは止められる。トキワ先生が、俺の身体にぶつかってきたせいで。

「ろ、ろいてせんせい! おれ、ち、ちいさなせんせえをたすけなきゃ!」

「そうは行きません。この扉を開けるということは、まっさんへの反逆を意味します。そうなればきみを、ここには置けなくなる。きみがここにいられなくなっては、私もきみを守れない」

 おれは、とても大きい。重くて、ちょっとくらい何かにぶつかられたって、びくともしない。でも先生は、トキワ先生は、おれの巨体を魔法のように転ばせて。

「イタマくん、きみが歴史や読み書きを彼女の為に学ぼうとしていることは気づいていました。その想いを咎めるつもりはありません。ですが、彼女は所詮健常を生きるものだ。外の世界の当たり前を、当たり前に生きられる者の一人です。一緒にはいられない。きみのような人が生き抜くためには、世界は余りに厳しすぎる」

 先生が、俺の上に乗る。おれは暴れて引き剥がそうとするけれど、細身で軽い先生はおれの腕や足を操って、どうしてかおれは上体を起こすことすらできなくなって。

「そも、なにゆえあなたは彼女に固執するのです。助けてもらった恩の為ですか。そうであれば、ここから横流しした証拠や情報で返したと言えるのではないですか。それに、きみを助けた者は他にもいたはずです。イタマくん、なぜきみは“せんせえ”に拘るのです。きみは敏い子だ。それがどんなに不合理なことか、自分でも判っているはずです。判ってください」

 両手も両足も先生に取られ、身動きすらむつかしい体勢に追い込まれたおれはそこで初めて、おれを見つめる先生の顔を見る。

「イタマくん、私はね、私はただ、あなたに死んでもらいたくないだけなのですよ」

 先生は、心底苦しそうな顔をしていた。苦しげにまっすぐ、まっすぐおれの顔を見つめていた。その気持ちが、痛いほど伝わってくるくらいに。この人のことを、悲しませたくない。瞬間的に、おれはそう思う。どうしてこの人が、こんなにおれを大切に思ってくれているのかは判らない。でも、理由など関係なく、この人のおれへの気持ちは本物であるとおれには判った。

 でも――。

「……せんせえ、らけなんら」

 暴れるのは、違うような気がした。

「お、おれのこと“おんな”ってわかってくれたの、せんせえ、らけなんだ……」

 ちゃんと伝えなきゃいけない。そんな気がした。

「だれもきづかなかったけろ、せんせえらけは、気づいてくれたんら。お、おれも、おんならからなんらってわけじゃないけろ、れ、れも、うれしかったんらよ」

 ちゃんと伝えて、理解してもらわなきゃいけないって。

 もしかしたら――。

「怪物とか、何かの代わりとかじゃない、おれをおれとして見てくれたって……対等に、みてくれたって、そう、感じたの、せんせえが初めてらったから。らから――」

 もしかしたら、こういう人が――。

「せんせ、おれ、ちいさいせんせえのともらちになりたいんらよ……れす」

 お父さんやお母さんというものなのかもしれないなんて、そんなことを、思いながら――。


 ありがとう、トキワ先生。今までお世話になりました。


   一二 まっさん

「まっさん、なぜ行かせたのですか? あなたらしくもない」

「人聞きの悪いことを言うなよトキワ。それじゃまるで、この俺が悪人みてぇじゃねぇか」

「何を今更。希釈し香代わりとした薬で正常な判断力をなくさせ、相手を意のままに操作するあなたの常套手段。どこからどう見ても悪人の所業に違いないでしょう」

「悪とはな、大事の前の小事にびびってつまずくことさ。俺には大義がある。もし俺が悪になる時があるとすればそれは、大義を忘れちまった時だけさ。置き去りにした犠牲の山を、無意味なものにしちまった時。それだけは、積み重ねた犠牲に申し訳が立たないことだ」

「……」

「それにいつも言ってるだろう。俺が抜くのは畜生のモツだけだ。同胞の腹をかっさばくなんて畜生染みた真似、俺にはできねぇんだよ。俺は畜生じゃねぇからな」

 トキワのやつはどうも納得しかねている様子だったが、わざわざ説明してやる義理もない。イタマの野郎が乱入してきたのには驚いたものの、既に結論は下した後、何が変わるでもなかった。俺は既に、多々波ちなみという存在の人間性を見極め終えていたのだから。

 まさかあいつ、即答するとはな。

 あれは、国士だ。国士になる女。正真正銘、本物の八百人人。同胞の為であれば潔く生命を投げ出せる、高潔な八百人の魂を継ぐ者。貴重な血肉を、このような些事で損なわせる訳にはいかない。それはこの国の、八百人という国にとっての損失に他ならないのだ。

 イタマを近づけさせた甲斐があったというもんだ。薬も効かないあんな木偶の坊、荷物にしかならないと思ったが、何でも拾っておくものだ。多々波考真のレポートをかすめ取るだけのつもりが、予想外の逸材を発見することもできた。

 俺が思い描く、新古同一の世界を先導する人材。

「トキワ、お前の“教育”の賜物だよ。お前には何か、褒美をくれてやらねぇとな」

「何の話でしょうか」

「御国の話さ」

 イタマのやつは、もうここへはもどってこないだろう。おそらくは多々波ちなみの周囲を、隠れて付きまとうはずだ。その感情、導こうとすれば利用価値も残っているかもしれないが、あの頭にあの障害、どうせ先は長くはない。放っておいても構わないだろう。出ていくというのなら、処分する手間が減るだけ経済的と言える。それよりも、いまは、こいつだ。

 多々波考真こうま。特別な後ろ盾があるわけでもない一介のジャーナリストが、よくもまあここまで調べ上げたものだ。執念……いや、怨念染みたものすら感じる。何がここまでこの男を駆り立てたのかは知る由もないが、集めた情報は平等な情報、せいぜい利用させてもらうことにする。そして、第一に。俺が真っ先に調べなければならないこと。

 ……あった。

「お目当ての情報は得られましたか?」

「ああ、予想はしていた。……当たっては欲しくなかったがな」

 見つけ出した資料に、何度も目を通す。見間違いではない。すべてのデータが、すべての情報が、俺の予想が真実であることを裏付けている。思わず、声がこぼれた。

「……やろう、何が同志だ。ずいぶんと虚仮にしてくれたもんじゃねぇか。え? “純”よぉ」

 ここにはいない、同じ目的のためと誓った相手に呪詛を吐く。奴の言葉は、その大本において偽りであった。計画推進において欠くべからざる情報については、虚偽もないだろう。だが、奴の語った核心は、すべて嘘だと思っていい。やつと俺の目的はこれでもう、“絶対に”重ならないと判明したのだから。であれば最早、何を憚ることもない。ここから先は――速度重視の争奪戦だ。

「決行だトキワ、『屋無』どもを集めろ。奴らに先んじて俺たちが――」


「相道ウロを、確保する」


「そしてあなたは『大規模霊触』によって『神国』八百人を再興。夢へと潰えた八百人による永続世界統治を実現なさるおつもりなのですね――“松尾護國まつお もりくに特別高等捜査官”」

 ――バカな。

 瞬時、トキワを見た。バカな。俺は、『大規模霊触』についても、目的についても話しちゃいない。いや、何より――。

「トキワ、てめぇなんで俺の名を――」

 その時、基地の中から悲鳴が聞こえた。ヤク中共のトリップじゃない。明らかに苦痛によるものと判る悲鳴。残響し、基地を揺らすそれ。それが、ひとつではない。増えていく、際限なく。壁を跳ね返り、無限に倍加する。

 トキワはまるで、動じていなかった。

「てめぇトキワ、裏切ったのか!」

「ええその通りです。私はあなたを裏切りました。できることなら裏切りたくはありませんでしたが、そうせざるを得なかった」

「なにを!?」

「自らが課した重みに耐えきれず自壊したあの時代の、圧殺する秩序が暴走の再現――あなたの望みは、危険極まる懐古主義に他なりません」

「お前は……貴様は、誰だ!」

「何者でもありません。国のために戦い、無様にも生き延びて帰国した一兵卒に過ぎない者です。国の外で国の為に戦っている間に、忠実なる国の下僕たる『特高』のあなたに家族を殺された、ただの一国民が私です」

 喪われた足が、うずく。父を返せ、母を返せ、息子を返せ、娘を返せ。血走った無数の目。無数の凶器。無数の憤怒に、無数の憎悪。千切られ腐り、引きずりこぼれた己が足。外夷の飼い主に家畜の尾を振る、至近の視野しか持てぬ国売りの愚民ども。

「復讐の――」

「復讐。そういった気持ちが、皆無とは言いません。ですが、私の願いは別にある」

「願いだと……?」

 なるものか……。貴様らなどに、国家が存亡を侵されてなるものか。

「もしもあなたが神国などという膨張した過去の虚影を祓い、“彼”の協力者に徹するようであれば……私も私の亡霊に別れを告げ、あなたの腹心として生涯を共にする覚悟もありました。しかし、あなたはやはり、変わってなどいなかった。護国のためと称して我が父と母、妹、歳の離れた知恵遅れの弟を拷問の末に殺害した当時のあなた、そのままに」

 本官は間違っていない。間違ってなど居ない。本官を否定するとは、本官を侮辱するとは――。

「私の願いはね、あなたのような人によって起こされる戦争という狂気を食い止めたい、ただそれだけなのです。あんなものに生命が、魂が翻弄されるなど、二度とはあってはならない。そして、“彼”ならばそれを達成してくれる。ですから――」

 本官の積み重ねた数多の犠牲を侮辱するも同じことだ――!

「死んでください、亡国の亡霊よ。あなたが募った亡者と共に――」

 トキワが、よろめく。銃声。懐から取り出した、本官の拳銃。トキワがこちらに近づく。更に撃つ。更に撃つ。更に撃つ。

「本官が殺したのは……本官の殺した者が売国奴だ! 畜生だ!!」

 そうだ、本官が重ねてきたものは犠牲だ。国賊であろうと売国奴であろうと平等に、国家の礎となるべく敷き詰め重ねた土台石だ。その死によって奴らは、神国八百人に貢献する栄誉を得たのだ。本官は、松尾護國特別高等捜査官は、穢れた売国奴共に栄誉を授ける救世主だったのだ。それを、奴らは――。

「畜生共も売国奴共も、八百人を穢す者はみな死ねべきなのだ!!」

 敗戦だと? 植民だと? 国家の分断だと? 認められるか。認められるものか。そのようなものを認めればあの戦争で散った数多の英霊の魂、どうして鎮魂できようものか! でなければ――。

「弟、には、国という、意識も、ありません、でした」

「危急の際の荷物など、存在自体が国家の汚辱である!!」

 死を、どうして受け入れられようものか――!

「……よかった、その言葉を、聞けて。これで、あなたの、死に、毫程の罪悪感も、抱かずに、済む……」

 熱。焼ける。喪われた足が、駆ける。ここから逃げろと、駆ける。しかし、それはもう、ない。本官の感じるこの足は、それは――ただの、幻想に、過ぎない。

「お先に……失礼させて、頂きますね……」

 足音。来る。売国奴の列が。殺さなければ、殺さなければならない。でなければ、殺される。国が、八百人が、殺される。殺さなければ。来るならば、来い。来い……来い、来い! 全員、全員殺す。一人残らず皆殺しにしてくれる。皆殺しにして、貴様らも礎に並べてやる。栄誉をくれてやる。そして、そうして――。

 本官は、八百人を――――。


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