第4話 めんどくせぇ
時間が動き始めたのが何故分かったか?
バリトンボイスの奴が言ったこともあるが、今まで動いてなかったトレーラーのエンジンが動き始めたから。
E13Cの13Lが問題なく動いてるという事は、ここの世界と
色々と確認したい事もあるので、さっき着替えを引っ張り出したバッグを手にしてキャブから降りる。
降りる前から気が付いていたが、小僧小娘共はまだ夢現の中の様で、30人全員がハッキリとした意識を取り戻してる状態ではなさそうである。
男女分かれて縦に並んで転がってるのは…… ああ、バスに乗ってたって
連中が転がってる床を見ると、実に綺麗に磨き抜かれていて、薄ぼんやりと私の顔まで映ってる。…… 何らかの模様のようなモノが違和感丸出しになってるが。
態勢は色々で、スカートが捲り上がって
まだ起きそうにもないので、振り返ってトレーラーに向き合う。
ヘッドからシャーシまで併せて全長約20m。20フィートコンテナを改造した、防災用コンテナを2個積んだままだが、それが在っても支柱が存在しない部屋。
床面も併せて、そこそこの技術力はあると見た方がいいだろう。 ここじゃ「最悪の想定」ぐらいがちょうど良い筈。
転がってる連中の間を縫って、必ず持ってるとアタリを付けたスマホを回収しつつ、連中の程度を観察。
特に小娘。どいつもこいつも肌艶が良く爪も綺麗で、髪のキューティクルに痛みが見られない。下着も金が掛かってるハイブランドばかりで、そこらの底辺学校とは雲泥の差が見える。何気にスマホ、男子はProMAXで女子はMiniで揃ってやんの。おいAndroidはどうしたんだ。
見える範囲でカメラは押さえた。レコーダーを隠し持ってる場合も考えたが、その時はその時だ。バッグに全員分のスマホを投げ込んだ辺りでトレーラーのコンテナの向こうから物音が響く。
辛うじて上っ面が見えた。コンテナの向こう側が扉になってる。内開きの様で、コンテナが邪魔になって開かない様だ。現地人ご到着 か。
アイテムボックスにバッグを放り込む。「使う」事を意識するだけでスルッとバッグが手の平に飲み込まれるように消えた。こりゃぁ便利だ。
『くぁwせでfrgtrhytjyくぃぉ;p:@@:cm、ん・h!』…… 何か大声で喚いてるようだが、何言ってるかが分からん。 あれ?「言語理解」仕事してる? お仕事の時間ですよ??
『人の手で押さえてる感じではありません! 何か重量物で抑え込んでると思われます!』
『扉を破壊しても構わん! もはや一刻の猶予もないのだ! 確保が最優先だが、抵抗するなら多少嬲るのは構わん!』
『近衛隊! 爆裂魔法用意!』
やばい。爆裂魔法がどの程度か知らんが、爆破で扉を吹き飛ばすとなると、中の私にまで被害が出る可能性がある。小僧小娘は転がってるので、ある意味対防爆態勢ではある。
つっかえてるトレーラーを動かそうにも、部屋の寸法ギリギリで切り返す事すら出来やしない。
アイテムボックスに入れようにも、どう考えたってLv01では入りそうにない。
場当たり的に使いたくは無かったが、アイテムボックスのレベルを上げる。
スキル
【
【建築物施工:Lv02】【
【重量物運搬:Lv05】【大型魔導機操作:Lv05】【統率:Lv02】【魔導高機動車操作:Lv07】
【芸術:Lv05】【模倣:Lv08】【魔力操作:Lv02】【構造物分解:Lv07】
【工作物分解:Lv06】【工作物構築:Lv06】
【索敵:Lv01】【技能隠蔽:Lv04】【裁縫:Lv01】【アイテムボックス:Lv01】……
アイテムボックスのレベルを10に。消費ポイントを更に倍で即時適応されるらしい。流石に待機時間10時間は無理だ。倍消費してもポイント20だ。まだ目を瞑れる。
即時適応して、Lv10にしたアイテムボックスにトレーラーが収納された。
消えた途端、甲冑を着込んだ集団が部屋に雪崩れ込んで来た。
扉は内開きで、私はその真ん前に居た訳だが、棒立ちで待つのではなく扉の陰に隠れた
ダメなパターンは様々だが、最初からダメな場合が多いんだよな
古からのスキル「盗む」を再考察した結果 妄言 @ARGYROS_G
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