第3話 そりゃ、まぁ得意でしたけど

*再三繰り返しますが、この物語は架空のお話です。現実では犯罪行為ですので「影響されました」は通じません。

そんな事ならお巡りさんは要らないんですよ。


以下本編

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他のスキル群を眺めても、コレだけ説明が異質。

古今東西、ゲームのRPGならほぼ定番だけど、「そこまで必要じゃないけど、あったら良いよね」程度。

時々レアアイテム狙いで時間を巻き戻してまで盗むを繰り返したりする作品もあるにはあったけど、さすがにここまでじゃなかった。

一応と言うか、理由と言うか心当たりがある。

最初の盗みは8歳ぐらいだったか? そう。小売店には憎き万引き窃盗だ。

時々見つかっては簀巻きにされた。親からもボコられる。

対策として、無駄に技術を磨いた。立ち回りを考えた。監視カメラや見張りの死角を探した。

盗んだつもりで店の中から落ち着いて不審がられずに、いかに素早く脱出・隠蔽・逃走するかを考えたりもした。

成長するにつれて、万引きの対象額が上がり、複数人で事に当たり、デコイをも用い始めたらもはや立派な組織的犯罪だ。

その内万引きに飽き足らず、車両やバイクまで盗んでは走り回って。

ニコイチサンコイチに手を染め始めて、ガス・アーク溶接をも学んで。

最終的に、巻き込まれるまで一度も逮捕までは行かなかった点をされたのか?

一応、倉庫にまでガサ入れが来たけど証拠不十分でお帰り願った事ならある。

勿論、原因になった子分は粛清の対象だ。 そいつは女を差し出して泣いて謝って来たので、許してやった。

……今更だけど、完全にやってる事がマフィア擬きじゃないかコレ?


スキル

盗むsteal:Lv34】【柔道:Lv02(黒帯)】【格闘術:Lv01)】【投擲術:Lv01】【性技:Lv01】

【建築物施工:Lv02】【魔導構築士プログラマー:Lv04】【建築物破壊:Lv02】【清掃:Lv04】

【重量物運搬:Lv05】【大型魔導機操作:Lv05】【統率:Lv02】【魔導高機動車操作:Lv07】

【芸術:Lv05】【模倣:Lv08】【魔力操作:Lv02】【構造物分解:Lv07】

【工作物分解:Lv06】【工作物構築:Lv06】【……


数が多いので、検索search。有るか無いかで難易度が変わる。

在った。Hit【言語理解】

レベルが有るスキルと無いスキルもあるんだな?

他に、有って欲しいスキルは…… 【索敵:Lv00】【技能隠蔽:Lv04】 …… おうふ。

…… 【アイテムボックス:Lv01】 ……ふぅ。


最低限の確認は出来た。

最後の確認を済ませつつ…… 他のスキルはどうやらLv10が最大(人生全てを掛けて到達出来る極み)なのに、盗むstealだけはそれを超えてる理由は…… やらなきゃならないって事だろうな とアタリを付けた。


トレーラーの窓の向こう、転がってる小僧や小娘共を見るに、だいたい16~17歳くらい?

学生服やブレザー姿が転がっている。

160cmもあれば大丈夫か……? 体格的に小さいと不利な事が多過ぎるからな。

前は2m超えそうになって不便だったんだけどな、と視線を下に移すと、足元が見えなかった。

慌てて着衣修正。【裁縫:Lv01】だが、無いよりかはマシだと思って助手席のカバンから予備の作業着を引っ張り出す。

裁縫スキルで作業着を下着に変換加工、装備フィギィアに被せ、技能隠蔽。


「時間だ。

君なら上手く立ち回る事が出来ると思わせてくれるね。

それでは、また会うのを楽しみにしてるよ。

それでは、行き賜え」



その後、すぐに時間が動き始めた。

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