読まれるべき、名作

 14歳の女の子が、戦争の時代に生まれ、あてがわれた環境の中で必死に生き、成長していく物語です。
 そこにチートも、魔法も、ご都合主義もありません。

 この作品は物語に必要なシーンに、必要な描写だけが書かれ、知識ネタや、大袈裟な表現はなく、表面的には淡々とした作風に見えるかもしれません。
 が、読み進めると登場人物の全てに「幸せになって欲しい」という想いが込められている事に気が付きました。

 少女が戦闘機に乗る、という突飛にも思えた設定にも、しっかりと「この世界、この時代の技術背景から作られた飛行機」にとって必要な条件として描かれ、とても好感を抱きました。

 また、描かれる作中の随所に、深い意味を持つ名言が数多く存在しています。
 これを名言ととるかは読み手次第です。この手の戦争を舞台にした物語が好きな方なら胸を打つシーンに出逢えるはずです。
 
 多くの評価、レビュー、★の数が「名作の証拠」ではないと、本作を通じて強く感じると同時に、もっと多くの方に読んで頂きたいと心より願っています。