第6話 乙女というのはどういう生き物なんだ.....?

何だこれは.....?、と思う状態なのだがどうしたら良いのだ。

帰って来たら何故か翼が猫のコスプレで立っている。

三毛猫っぽいの。

俺は困惑しながら、何しているんだ、と聞く。

すると片言で、シャー、と警戒する音を発してきた。


「意味が分からない.....」


「フー」


「.....お前さんよ。何やってんのマジに」


「.....アイス」


そう言われた。

俺はただただ困惑の中、アイスを手渡す。

それから舐める様にアイスバーを食べながら俺を見る。

な、何だよ.....?

と思いながら翼を見つめる。


「このコスプレは可愛いか」


「.....可愛いとかじゃなくて.....お前は仮にも義妹だし.....何とも思えない」


「.....フーン.....そうなんだ」


どう反応すれば良いのだ。

本格的に考えながら顎に手を添える。

顎を撫でるが答えが出ない。

僅かな髭が痛いだけで、である。

すると翼はアイスを食べながら俺をジト目で見てくる。


「可愛いとか無いの」


「可愛いっちゃ可愛いけど.....それ以外は特別な感情は.....」


「フーン.....」


「.....お前.....何を言ってほしいんだよ?イライラするな」


「.....別に。これといって振り向いてほしい訳じゃ無いし。エッチな感情を抱くかなって思ったんだけど期待外れ」


義妹にそんな感情を抱く訳が、と思ったのだが。

仮にもその罠に引っ掛かっている奴が居る。

俺だ。

つまり何も言えない。

俺は考えながら.....猫耳を外す翼を見る。


「.....期待外れすぎた」


「.....何だよ。何を期待してほしかったんだよ」


「ふんだ。馬鹿」


「.....?????」


ゴメン。

全く分からないしイライラする。

折角人と話していたのに。


考えながら俺は猫のしっぽを外す翼を、と思ったら。

スカートが捲れて縞々パンツが見えた。

そしてスカートは降りる。


「.....!」


「.....見た?」


「.....い、いや。見てない」


変態。

やっぱり男ってのはこういうのが好きなの?、と俺に向いてくる。

俺は、いや。すまん。正直言うと見た、と正直に告白する。

すると、フーン.....、と言ってからニヤッとした。

俺は、?!、と思いながら赤面で翼を見る。


「私のパンツを見た代金を貰わないと。.....そうだね。私に付き合え」


「付き合えってお前.....」


「良いから付き合え。私のパンツを見た事をネットに言いふらす」


「分かったよ!!!!!やれば良いんだろう!!!!!」


このクソガキィ!!!!!

つうか何に付き合えってんだ!

俺は考えながら翼を見る。

翼は俺を見ながら、そうだね。じゃあ私とゲームして、と言ってきた。

何だそれ?


「.....新作のゲームは2人じゃないと楽しめない。だから付き合え」


「.....いや良いけど。それで良いのかお前?」


「それで良いから。.....それ以外にどうしろっての」


「.....いや。野外デートとかするのかと」


「家から出れないのにどうしろと」


「.....確かに」


翼はムッとする。

まあそれは確かにな。

思いつつ俺は顎に手を添える。

そして俺は盛大に溜息を吐きながら翼を見る。


「翼。それだけじゃなくて他にも考えてやるよ」


「.....?.....何を」


「一緒にアニメとか観ないか。お前もアニメファンなんだろ」


「.....まあ確かにそうだけど。何で?それデートじゃない」


「何で俺が義妹とデートしなくちゃいけない.....」


「.....嫌なんだ?フーン.....」


もうどうしろってんだよ。

俺はまた額に手を添えると。

ビニール袋に人差し指で指差された。

それから真顔で言う。


アイスを溶けるよ、と。

俺は見開きながらアイスを見る。

思いっきり溶けていた。

それから翼は何事も無かったかの様にリビングに入る。


「あの野郎.....。ハァ.....」


でもまあ悪い気はしない。

取り合えずこれは兄妹として望んだ事だしな。

考えながら俺は苦笑しつつリビングに同じく入った。

それから翼を見てみる。


「で。何のゲームだ」


「オンラインゲーム」


「.....そうか。それ何時するんだ」


「今度でも良いし今でも良いけど」


「.....じゃあちょっと用事あるし良いか」


「それは今度って事なの。どっちなの」


今度で、と言いながら俺は言うと。

一瞬だけ残念そうな顔をしてから真顔になる。

何だ今の一瞬の顔は。


思いつつ見る。

だが翼は何事も無かったかの様にコスプレ道具をビニール袋っぽいのに直した。

それから俺を見てくる。

真顔で、だ。


「今度。約束」


「.....分かったよ。やるから」


「.....」


「.....何だよ」


「.....何も。.....別に」


そして翼はアイス棒をゴミ箱に入れてから。

そのまま去って行った。

俺は?を浮かべつつ.....そのままスマホを開く。

何だってんだアイツは、と思いながら。


(アバターは完成したか?)


(吹替え中だけど)


(そら結構なこった。頑張ってな)


(.....うん)


(何だどうした)


俺はその様にメッセージを送る。

すると、いや。何でもない、と首を振る様なメッセージを送ってくる。

何だってんだよ。

思いつつ俺はどいつもこいつも、と思いながら溜息を吐いた。


(ねえ。海斗)


(何だ)


(Vチューバーってモテるの)


(.....どういう事だお前?意味が分からない。.....でも個人個人で接触は滅多に無いんじゃないか)


(.....そうかなぁ)


怪しげな目線を向けて来る様な文章。

何だよコイツ。

女子の心は分からんな。

考えながら、だからお前もストーカーとかに気を付けろよ、と送る。

すると、まあうん、と送ってきた。


(でも私は.....振り向いて欲しい為にやるだけだから。そんなに人気になる気は無いよ)


(.....は?何だそれは。意味が分からないんだが.....じゃあ選んだのが何故にVチューバーなんだ.....)


(まあ.....それにうん。叫びたかったのもあるし)


(.....は.....???)


意味が全く分からない。

しかしながら.....まあそんな気持ちになるのか乙女は?、と思う。

忙しいんだな、と考えてしまった。

そんな乙女に質問してみる。


(なあ。翼の様子がおかしいんだけど.....どう思う?)


(どんな感じで)


(.....いや。俺に対してなんか.....うん)


(.....)


何か.....返事が無くなった。

どう対応したら良いのでしょう。

考えながら俺は.....返事を待つが。


全く返事が無かった。

5分間途切れてからスマホを置いていると。

何とか的な感じで返事が.....。


(負けられない)


(.....?????.....は?)


(ぜっっったいに負けられない)


(.....は、はい?)


何かますます混沌が深まった気がした。

俺は本当に猛烈な溜息を吐くしか出来ず。

考えたが答えが出ず。

モヤモヤしか広がらなかった。

困ったな.....話の論点がズレている気がするんだが.....。

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Vチューバーに恋した俺氏、衝撃の事実を知る事になる アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

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