第5話 猫のコスプレ.....?
鈴見さんと再会を果たした。
俺は鈴見さんに買ったアイスを一つ渡してから翼にメッセージを送って。
それからみのりさんとコンビニのイートインスペースで話す。
「君の周りは美少女だらけだねぇ?」
「いや、そんなに知り合いじゃ無いけどな。勘違いするなよ」
「あはは。嬉しいです」
鈴見さんは控えめにアイスを食べる。
それから興味深そうに俺達を見ていた。
俺は美少女に見つめられ少しだけ恥じらいながら頬を掻きつつ鈴見さんを見る。
そんな鈴見さんは、それでどういう関係ですか?、とニヤニヤしつつ聞いてくる。
これに対してみのりさんが、腐れ縁、と直ぐに答えた。
「より正確に言うなら下僕だよ。海斗は」
「ひでぇ!」
「だってそうでしょうに。私は年上だよ。敬いたまへ」
「身体は小学生みたいなのに.....?」
「子供扱いするとは。なっとりませんな!アッハッハ」
頬を両方から掴まれながら。
俺は汗を流して痛みに暴れる。
すると鈴見さんが、良いなぁ。羨ましいです、と笑顔を浮かべた。
それから、私。Vチューバーやってるんですけどこんな楽しいのは無いです、と言う。
ん?Vチューバー?
「おや?Vチューバーとは?」
「私、鈴掛というVチューバーです」
「.....は!?」
俺よりいち早く反応したのはみのりさんだった。
みのりさんは、マジ!?、と愕然としながら、凄いね!日本で1から3位を争う超有名Vチューバーだよ!、と言う。
え?マジで?
情報不足だった。
「でも中身まで美少女とはかなり凄いねぇ。サイン貰える?」
「あ、でもサインの練習してないですよ?」
「コレクションするだけだから問題無いよ!このお店に飾ったりしないから。個人情報だし大騒ぎになるからね!」
ウインクしながらみのりさんは言う。俺はその姿に嬉しそうな鈴見さんを見つめる。
信じられんな。
マジに世界は狭いな!?
「白髪も可愛いね!」
そうみのりさんが言った瞬間。
鈴見さんがうるっと涙を浮かべた。
え!?、と慌てるみのりさん。
まずったか!?、みたいな感じで大慌てである。
だが次の瞬間。
鈴見さんから予想外の言葉が出てきた。
「この白髪の事を可愛いと表現してくれた人は初めてです.....」
と涙を流した。
俺達は見開きながら鈴見さんを見る。
鈴見さんは、嬉しいです、と笑顔を浮かべた。
俺はそんな鈴見さんに聞いてみる。
「苦労したんだね」
「それなりには苦労してます。私.....ずっと白髪お化け等と言われて悲しい思いをしてきました。だから正直に言って本当に嬉しいです。この白髪はアルビノなんです。お母さんとお父さんの髪の毛を受け継いでないけど自慢のアルビノだから悲しかったんです。悔しかったとも言えます」
「.....そうなんだな。.....周りが冷たい時は冷たいよな。俺も昔はみんなから無視されてて.....悲惨な目に遭った過去があるしな。分かるよ気持ちが。でも俺は白髪じゃ無いからそこら辺はよく分からないしな。君の気持ちは全部は理解出来ない。御免な」
ビックリしながら俺の話を聞く鈴見さん。
涙を拭いながら俺をみている。
するとその中でみのりさんが俺に向いてくる。
珍しいね。君がそれを話すとは、とである。
まあ何でだろうな。
話したくなったから話していた。
そんな感じではある。
考えながら俺は鈴見さんを見る。
「.....君だけじゃないけど.....でも世界は広いから。それなりに考えてみたらどうかな」
「.....そうですね。やっぱりそうですよね。.....世界をもうちょっと広い目で見てみます」
「アハハ。その意気その意気!アイスを食べたらええがな」
「アンタは能天気だな」
「お?そんな事ないよ?」
と笑みを浮かべてニヤッとしてくるみのりさん。
俺は盛大に溜息を吐いて首を振る。
すると電話が掛かってきた。
その電話の主は.....翼。
俺は目をパチクリして許可を貰って電話に出る。
「どうした」
『遅い』
「.....だから言ったろ。もうちょっと待てって」
『アイスが溶ける』
「冷凍庫に保管してあるから大丈夫だ」
『.....ふーん.....そうなんだー。.....というか何処で何しているの今』
だからコンビニだって、と俺は説明する。
すると翼は、ふーん、と言う。
そしてこう話してくる。
コンビニで何でこんなに遅いの。まさか女じゃないよね、と。
いやオイ、なんて察しが良いんだコイツは!
『.....違う?.....まあ、みのり、とかいう女居るしね。違わないよね』
「.....呼び捨ては良くないぞ」
『知らないよそんなの。.....第一私の下僕を横取りしている時点でおかしいでしょ』
「.....いや.....あのな.....」
そんな会話をしていると。
鈴見さんがみのりさんとヒソヒソして目を合わせていた。
俺はその姿を見ながら盛大にまた溜息を吐く。
それから.....聞く。
「下僕ってお前な。俺はお前の下僕じゃない」
『じゃあ何。私の下僕じゃなければ』
「ぎ・け・いだ!!!!!このアホ!」
『.....義兄?.....義兄.....まあ肩書きがそれならそれでも良いけど。取り敢えず帰って来て。早くアイスが食べたい』
それなら良いけどってこのクソガキ。
俺は思いながら盛大にまた溜息を吐く。
そして電話を切ってから鈴見さん達を見た。
鈴見さん達はニコッとしながら俺を見ている。
「すまない。帰らないといけないみたいだから.....」
「良いですよ。.....それにしても嫉妬ですね。そんなに愛されているなんて」
「.....え?それはどういう意味ですか?」
「別にー?何でもないです」
ニヤニヤニヤニヤするみのりさん。
というか顔文字で言うなら( ̄ー ̄)的な感じでムカつく。
俺は額に手を添えつつ冷凍庫に向かう。
すると鈴見さんが、すいません、と声を掛けてきた。
「メール交換しませんか」
「.....え?良いんですか?」
「はい。あと敬語も必要無いです。私の方が年下ですから」
「え?.....じゃあお言葉に甘えて。.....良いの?」
「構いません。.....その代わりに今度私と付き合って下さい」
「.....へ?」
俺は、ハァ!!!!?、と真っ赤になりながら愕然とする。
みのりさんは更に、ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ、とする。
青春だねぇ、と顔を歪める。
ウザイんだが.....と思いながらも。
俺はメールアドレスとかを交換した。
「有難う御座います♪」
「どういう事なのか.....」
「ん?.....私は何もしてないよ?アドバイスしただけぇ」
「いやそれでも怪しいですって.....」
何だか知らないけど.....みのりさんは余計な事を.....言ってないよな?
俺は思いつつ.....ジト目でみのりさんを見つつ。
そのままアイスを冷凍庫から取り出してからそのまま自宅に帰る。
するととんでもないモノを目にした。
そこには何故か猫のコスプレをした翼が立っている。
は?は?は.....?
三毛猫っぽい感じだが。
片言で、にゃー、とか言っている。
尻尾も背中に身につけているパーカー姿。
何やってんだこの馬鹿は!?
一体何故!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます