訳が分からないよ
第4話 ちっこい姉さんと再会と
義妹とか出会いとか不思議な事ばかり起こっている気がする。
だけどまあこんなもんだろうと受け止めている自分が居る。
おっそろしいもんだな。
考えながら俺は自室で肘を突いて欠伸しながらユウトベを観ていた。
クリンちゃんがオススメするアニメのOP曲を探したり。
ED曲を探したりしていた。
それがまあ趣味の一環でもあるから、だ。
「しかしどの曲も捨てがたいな。.....むー」
そんな感じで曲を買う為のカードを買う為の資金の事を考えながらクリンちゃんの配信動画を時折観たりしていた。
するとふと目に入ってくる。
それは.....別のVチューバーの動画だ。
銀髪の2次元少女が可憐な感じで踊っている動画である。
「.....?.....この娘.....何だか雰囲気が似ているな。あの出会った子と」
俺は?を浮かべながら名前を確認する。
鈴掛リユ、とある。
ん?随分と名前も似ている様な。
考えながら俺は生配信中のVチューバーのその娘の動画を観た。
するとこんな話題になっている。
『皆さん。実はですね。私は嬉しい事があったのです!それはリアルで.....優しい人に出会いました!』
優しい人、と聞いたコメ欄は、マジかよ!?鈴掛ちゃんに出会った!?、なんて羨ましい、などとコメ欄が賑わう。
それを他所によく見ればこの子も相当な登録者の数のチャンネルだ。
こんな娘が居るなんてな、と思いながら観ていると。
更にこんな事を話した。
『私はその人が良いなって思ったんです!.....でも恋では無いですよ!こんな人も居るんだって嬉しくなったってご報告です!』
鈴掛ちゃんは優しい!、投げ銭10000!、とコメ欄が賑わう。
俺は、本当に愛されているキャラなんだな、と笑みをついつい溢してしまう。
それから俺は暫く生配信を観ていた。
そして切り替えて勉強などをする。
「優しい子も居れば義妹みたいなのも居るか。.....でも今日の翼は何だかおかしかったな。.....何でだろう」
そう思いながら顎に手を添える。
そして考えてみるが思い付かない。
翼が何であんな行動をとったのか.....。
まあどうでも良いけど。
「それにしても人は変わるもんだな.....」
考えながら欠伸をしつつ居ると。
何故か横に眉を顰めた翼が居.....ファ!?
うお何だこの野郎!?!?!
何してやがる!!!!!
「散々声を掛けたのに返事が無いから。何やってんの」
「そ、そうだったのか。何の用事だ。それもいきなり部屋に入って来るなよ。ビックリするだろう」
「そっちが悪いでしょ。返事しなかったんだから」
「そうですね.....確かに」
しかし心臓が止まるかと思った。
幽霊の様に横に現れやがって。
考えていると翼は、アイスが食べたいから買ってきて、と告げてきた。
何だよそれ。
俺をこき使う癖が治ってないじゃないか。
「お前が外に出ろよ。何で俺なんだ」
「.....私は外に出られないから。.....だから頼んでいる。.....お金は払う。全額」
「いやそのお金はどっから出ているんだ......」
「ぽけっとまねー」
「.....???」
ポケットマネー?
お前は働いてないニートだろうに。
何処からポケットマネーとか出てくるのか。
考えながら俺は額に手を添えて、分かったよ、と立ち上がる。
するとパソコンを覗き込んできた。
「鈴掛リユじゃん。こういうのが好きなの」
「いや。別に好きって訳じゃない。そもそも俺が好きなのはVチューバーで言えばクリンちゃんだ」
「.....え.....」
「.....へ?」
何故か赤面する翼。
それから否定する様に首を振った。
そしてまた厳つい.....その。
ゲンコツ親父の様な顔になる。
俺は?を浮かべながら、どうした、と聞いたが。
「.....何でも」
「.....?????」
ゲンコツ親父は答えなかった。
何だよコイツ.....今日は色々とおかしいな。
そもそも俺に注文など初めてだろう。
何かの食べ物を買ってきて欲しいとか、だ。
考えながらも、分かった。今からコンビニ行く、と立ち上がる。
それから歩き出した。
何故俺は手駒の様にされているのに従っているのか.....。
自分でも分からん。
☆
「おはおは」
「何言ってんだお前は。おはおはってもう夕方だよ」
「まあそんな事を言う勿れ。私は君の顔が見れて嬉しいよ」
「大学生の割に変な言葉を使うよなお前」
「そんな事を言う勿れ」
「繰り返すな」
近所のコンビニ。
そこの店員として働いている彼女。
俺より年上で大学1年生だが身長が140センチしか無く。
胸が無く、顔が童顔すぎて小学生の様な顔立ちで、しかもポニテにしているのでやけに小学生の様に見える合法ロリ。
可愛いので何とも言えないがロリコンが襲いそうだ。
円谷みのり(つぶらやみのり)19歳。
俺はそんな彼女にお気に入りにされている。
付き合っている訳では無いのだがまあ何というか腐れ縁。
そんな感じの彼女である。
あまりに幼いので俺はタメ口になってしまう。
「そいで今日は何のご用事」
「今日はアイスをご注文です」
「.....ご注文はアイスですか?」
「.....いや。あのな.....」
「あれ可愛いよね。可愛い女の子が色々出てくるし。.....素晴らしい作品だよ」
言い忘れていたが。
この娘はかなりのアニメオタクである。
その為に俺にアニメを叩き込む様な性格をしている。
八重歯を見せながらニヤニヤする、みのりさん。
「.....今日は色々なアイスを買えそうだ」
「ほほう?金が無いのに珍しいね」
「全部、翼持ち」
「.....ほほーう?あ、それはそうと翼ちゃん元気?」
「相変わらずだけど.....でも痩せている。可愛くなったよ」
そして俺は例の犯罪を収めた写真を見せる。
するとその写真を見たみのりさんは目をパチクリして、これ翼ちゃん?、と驚きながら二度見する。
俺は頷いた。
「可愛くなっているねぇ。羨ましいな。こんな娘と一緒に生活なんて」
「勘違いしないでほしい。俺は幸せじゃない」
「またそんな事を。.....愛されているじゃないか君は」
「ないわー」
「真剣にお姉さんが言っているのにそんな口調はないわー」
お姉さんてwww
何処に居るんだよ。
考えながら俺は額に手を添える。
そしてみのりさんを見る。
みのりさんは、笑ったのが気になるが.....まあ早く買っていってあげなさい。お姉さんのオヌヌメはガリガリです、と回答した。
「ガリガリ美味いよな」
「そうだねぇ」
「でもやっぱり小学生の様だな」
「.....それは私への宣戦布告かな?どんな物を食べても良いじゃないか。あはははは」
「違うけどな」
胸を見ながら俺は否定する。
すると無い胸を隠しながらみのりさんは、セクハラー、と言葉を発した。
というかこんな無い胸を見てどうすんのよ、とも言葉を発する。
いかんな。
やはり小学生の様に見てしまう。
そんな事言ったらまあ殺されるけど。
「.....すまん。まあ取り敢えずアイスを適当に」
「君は本当に切り返しが早いね。お姉さんは真剣に怒っているよ?」
「無い胸の中で怒るのか?」
「もー。君という奴は。セクハラとかで逮捕されるよ?」
全く、と冗談混じりで怒りながらアイスコーナーに案内してくれたみのりさん。
苦笑気味にそれを見つめる。
それから俺は適当にアイスを見つめてから幾つか買っていった。
そしてコンビニを出る時。
客としてだろうけど。
でも見慣れた顔が目の前にあった。
「あれ.....今朝のお兄さん?」
「君.....鈴見さん?」
ジャージ姿の鈴見さん。
俺は驚愕しながら鈴見さんを見る。
鈴見さんは嬉しそうな顔で、はい、と返事をした。
まさかこんな早くに再会するとは思わなかったが.....。
この辺りに住んでいるのだろうか。
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