第3話 翼との喧嘩
奇妙な中学生に出会った。
俺達はそう考えながら教室で授業を受ける。
そしてつまらない授業を受けてから.....妃と話していた。
妃は名刺を見つめる。
「不思議な人だったね」
「.....まあ確かにな」
「何でエンターテイメント所属としか書かれてないんだろう。会社の住所も無いしね」
「.....分からんな。.....何故だろうか」
思いつつ俺達は外を見る。
今日は晴れ晴れとしている空を、だ。
すると妃は、私は出来るかな、と心配げな声を漏らす。
俺は、結局売れるとかそんなのどうでも良いんだろ?、と向いた。
この事に妃は、うん、と頷く。
ニコッとしながら、だ。
そして伸びをする。
「ある人に手が届けばそれで良いの。私は」
「ある人?意味が分からないな」
「.....うん。ある人。でも教えないけどね」
「.....そうか。良く分からんがそれならそれで良いんじゃないか」
ある人の意味が分からんけど。
と考えているとアラートが鳴った。
俺は!と浮かべて直ぐにスマホを見る。
驚いているクラスメイト、妃を他所に見る。
実はパソコンに細工をした。
開いたらスマホにメッセージが来る様に、であるが。
そして開くとそこには画像があった。
「.....な.....に?」
「どうしたの?というか何その音」
「い、いや。何でもない。.....え?」
動揺してしまった。
というのもその画像は俺のパソコンを開いた野郎の顔を捉えているのだが。
何故か義妹が映像に有った。
へ!!!!?
俺は愕然としながらスマホを見る。
何故コイツが写っている!?
動揺しか無いんだが!
「何でコイツが.....」
と考えつつ、すまん妃。トイレ行く、と立ち上がってから。
驚く妃を他所にそのまま.....トイレに駆け込む。
それから個室に籠って電話した。
誰にといえば義妹に、である。
とは言えもうこの電話は使えないと思うが、と思っていたのだが通じた。
かなりぶっきらぼうな声が、だ。
『.....何』
「.....よお。久々」
『だから何。用件は』
「.....お前。俺の部屋のパソコンを弄ったな」
あからさまに声色が変わった。
俺に対して、だ。
何。そんな事してないんだけど、と否定されたが。
俺は話を続ける。
そのままニヤッとしながら、だ。
「写真を撮ったしな。証拠の。だから逃げれないぞ」
『何で勝手に写真撮るの。最低』
「開き直るなお前。.....良いか。俺はパソコンに関しては結構優秀なんだ。舐めるなよ。だから弄るな」
つーか何やってんだよ俺のパソで。
と思っていると数秒間、音が途切れた。
それからこの様な声がしてくる。
弱弱しく、最低、とである。
全く同じじゃないか.....。
しかしそれはそうと許せませんなこれは。
俺は把握しながらニヤニヤする。
「お前がパソコンを弄ったのは事実だ。その分の代金を払ってもらおう」
『.....嫌って言ったらどうなるの』
「お前が俺にやってきた事は許し難い。だからそれなりにこれまでの分も全部払ってもらうぞ」
『.....分かった。じゃあ払う。身体で』
「.....そうか。.....はへ?」
払えって言ったのはそっちじゃない。
私は言った限りには有言実行する、と言葉を発してくるぎま.....コイツ何考えているんだ!!!!?
俺は真っ赤に染まりながら.....目を丸くする。
馬鹿野郎か!
『エッチな事をすれば良いんでしょ。例えばフェラ〇オとか』
「そこまでやれとは言ってない!アホンダラ!!!!!」
『はん。やれ、やれ言った癖に逃げるの?情けない』
「このクソガキ.....」
形勢逆転。
俺は歯を食いしばる。
それから.....真っ赤のまま見つめる。
困った.....まさかここまで話がぶっ飛ぶとは。
手玉に取られている気がする。
お手玉の様な、だ。
クソッタレめ。
「.....じゃあやってもらおうか。お前が出来るなら!!!!!」
『.....ヘンタイ』
「お前が言い出したんだろ!!!!!アホめ!!!!!」
『.....確かに言ったけど冗談だし。義兄にする訳ないでしょ』
くそー!!!!!話が纏まらない。
俺は盛大に溜息を吐きながら.....電話を見る。
手玉に取りやがって。
やっぱりムカつくなコイツ。
今朝のあの娘の爪垢を煎じて飲ませたい気分だ。
「お前には地獄がお似合いだ」
『.....どうでも。何とでも言って』
「.....あのな.....」
『.....私はアンタが嫌い』
「.....そうか。俺も嫌いだ」
全く釣り合わない。
俺は盛大に溜息を吐いてから。
そのまま電話を切った。
その際に、何よ馬鹿、と聞こえた気がしたが。
気のせいだろうとそのまま切った。
☆
「どうしたの?海斗」
「.....どうしたと言えば.....まあ色々な」
「.....フーン。怪しいな」
「.....それよりも次の時間は何だっけ」
「次の時間?次は数学かな」
数学か。
考えながら俺は溜息を吐く。
さて授業に集中すっかな。
思いながらスマホを見つめる。
もうこんな時間か。
「ねえ。それはそうと」
「.....?.....どうした」
「今度、買い物に付き合ってくれない?」
「何でだよ。俺はそんなに暇じゃない」
「良いじゃん。付き合ってよ」
何でか分からないが。
いきなりそう言われたので付き合う事にした。
俺は盛大に溜息を吐きながらも。
まあクソ忌々しい義妹を忘れる事になればと考えつつ今度の土曜日と約束し。
それから.....先生が来て6時限目の勉強を始める事になった。
☆
面倒臭い家に帰らなくてはいけない。
俺は盛大に再び溜息を吐きながら.....そのまま帰宅していた。
今日もあのクソ義妹と二人っきりか。
考えながら家の玄関を開けると。
そこには白いパーカー姿のジト目の翼が立っている。
「お前.....何しているんだ?!」
「別に。.....何でもないし」
「.....いや。何でもない事は無いだろ。どうなっている」
「.....荷物を待っているだけだけど。.....アンタの事なんかどうでも良い」
「ああそうですか.....」
全く何処までも忌々しい。
そう言いながら俺は立ち上がる。
それからそのまま鞄を下ろしながらリビングのドアを開ける。
すると、ねえ、と声がした。
「.....さっきはゴメン。言い過ぎた。パソコンを勝手に弄ったのも悪かった」
「.....へ!?お前が謝るのか!?嘘だろ!?」
「.....何。何か文句が有るの」
「.....無いけど.....まあ俺も言いすぎたしな。.....すまん。でも何で俺のパソコンを弄った」
「.....それは言いたくない」
とは言ってもコイツが検索したのはエッチな事だった。
つまりそれ関連だろう。
考えていると、何でカメラ着けようと思ったの、と聞いてきた。
俺は顎に手を添えて、検索欄にエッチな情報の履歴が残ってた、と答える。
すると翼はボッと赤くなった。
一瞬だけ、だ。
「.....検索エンジンを消し忘れた」
「.....あ?何?」
「.....何でもない」
「.....???」
何か言ったのだろうけど。
聞き取れないので俺はそのままにした。
それから翼は階段を登って行く。
俺は?を浮かべて聞いた。
「オイ。荷物は良いのか」
「.....どうでも良くなった」
「.....?????」
荷物は無いのかよ。
じゃあ何の為に降りて来たんだ?
思いつつ俺は?を浮かべながらも。
考えるのが面倒だったのでそのままにした。
ん?じゃあ俺に会いに来た?
まさかな、と思ったが。
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