2021年 5月24日 マロンが生まれて初めてご飯を食べない。吐いた。排泄もしない。他

私もマロンと同様、まったく食欲はわかなかったが、頑張って2/3ほどお弁当を食べた。(鯖の味噌煮弁当だった。きんぴらごぼう、ひじきの煮物、がんもどき、茹でブロッコリーにレモンの輪切りも一枚ついていて、ご飯は五穀米。ヘルシーである。)


正直、食欲が全くないので、涙目で、ときどき「おえっ」となりながらお弁当を食べた。

食べないと治らない、マロンのためにも早く直さなくてはならない、ととにかく必死だった。幸運にもこの日の夕飯は健康的な和食のお弁当だったので2/3食べられたのだと思う。(ちなみに、ホテル療養先だからと言って、ヘルシーなお弁当ばかりでないのは、次の日思い知ることになる)


家からもってきた「冷えピタ」を冷蔵庫で冷やしておいたので、おでこにくっつけてみる。

4枚しかないので大事に使いたい。冷蔵庫で冷やしなおして、何度も、再利用できればいいのだが。(もし、再利用できなくて、なくなってしまったら、冷えピタがあるか本部の人に聞いてみようかな、とも思った)


冷えピタは説明書によると8時間冷たさが持続するということだったが、熱が高すぎるのか、3時間もするとぬるくなってしまう。はがして、もう1枚冷えピタを出して、それまでおでこに貼っていた冷えピタをおでこからはがして冷蔵庫に入れる。(再利用できるか試すため)

本部の人の手はあまり煩わせたくないので、再利用できることを祈る。


7:00ごろ、何も食べていないマロンが、突然苦しそうにえづき、胃の中のものを吐き出した。消化しきれていなかった朝あげたごはんと黄色い胃液がシートを汚す。


依然としてトイレもしようとしない。


家から離れて、療養先に連れてきたことは相当なストレスだったようだ。

ずっと散歩もしていないことも影響しているのかもしれない。

コロナに罹って、マロンには可哀そうなことばかりしている。

だからこそ、ここで治したい。

体調は正直言って最悪で、本当は病院に行きたいけれど、マロンを保健所なんてところに一時的にでも預けたくはない。ここよりひどい場所なのかもしれないからだ。

(時代は違うが、母が子供の頃、飼っていたバブ、という犬が逃げ出して保健所に収容されたことがある。迎えにいったら、ひどい環境で、不潔で狭い檻の中に七日たったら処分される沢山の犬が入れられていて<母の母。私の祖母がすぐバブを迎えにいったのでバブが収容されたのは一日目の檻である>みんな私を連れて行ってと、迎えにきた祖母の元へ駆けてきたそうだ。バブは檻の隅でぶるぶる震えていたという。バブはただの雑種犬で、全然綺麗な犬ではなかったので(保健所に収容されている犬は、汚い犬もいるが意外にも綺麗な犬、若い犬、きちんと手入れされている犬も多かったという)保健所の職員さんが「本当にあの、隅で震えている犬ですか?」と信じられない、というように言ったという。

犬好きの祖母は、あまりの不憫さに、沢山は無理だけれど二匹ほど連れて帰りたいと保健所の人に願い出たが、当時の規則ではそれは不可能だった。バブは保健所が怖かったのか、それから二度と脱走しなかった。バブは一軒家の裏口の、少し広い三和土にある犬小屋(半分室内)で飼われていたのだが、しばらくは散歩すら嫌がるほど、外を怖がるようになってしまったという。よっぽど保健所が怖かったのだろうと母は私に話してくれた)


もちろん時代は変わっているから、保健所がマロンの世話を手厚くしてくれる可能性もなくはないが、家族が誰もいない環境で、今ですら私が傍にいるのに、こんな状況で、おそらくここよりもひどい環境である可能性が高い保健所なんかにマロンを送るなんて絶対に嫌だ。


私は頭をひねり、本当はしてはいけないのだが、熱を測る前に氷枕を脇にあてることにした。

このまま高熱が続けば、病院送りになるかもしれない、と思ったのだ。


今思えば浅はかなやり口だが、そのときは必死だった。なんとか、母か、父が退院してくれるまで、ここにいたい。私にとって、かけがえのない存在であるマロンにこれ以上不憫な思いは絶対にさせたくない。


咳もだんだんひどくなってきたが、20時のLAVITAでは、申告するのはやめようと思った。

とにかく時間を稼がなくてはいけない。


弟に頼む、という手もあるが、うちは父、母、弟、数人の従業員で自営業をしていて(中小企業だが、おかげさまで黒字企業である)今、柱の両親が入院になったので弟にはただでさえ負担がかかっている。


父か、母が退院するまででの間でいい。私の体よ、もってくれ。熱よ、下がってくれ、と必死だった。


だが願いむなしく解熱剤を飲んでも熱が下がる時間が短くなっていく。


前は36度台まで下がったのに、解熱剤を飲んでも37度台半ば。状況は刻一刻と悪くなっていく。


悪寒がするので、窓を閉めて、軽めに暖房をいれる。(この季節だから冷房が普通だと思うが、耐えられなかった)


解熱剤を飲むと汗を沢山かくので洗濯機を回す。着替えは沢山あるので心配ないが、干すためのハンガーが全然足りない。(ロッカーにはハンガーが二つしかなかった。持ってきた薄手のパーカーをかけて一つは使っているので洗濯物を干すのに使えるのは一つしかない)

あと洗濯ばさみも欲しい。昨日、アメニティ置き場に置いてあったのをもらってくればよかった。明日の朝食の時はもらってこよう、洗濯ばさみもあるかチェックしてみよう、と決意する。


ペットボトルの冷やした緑茶が喉を潤す。美味しい。少し鼻がマシになったのだろうか。珈琲は全然ほしくならない。ティーバックの緑茶はそんなに美味しいと思わない。


あと白湯が無性に欲しくなるので、電気ケトルがあって助かった。

湯をわかし、もってきたコップに入れ、少し時間をおいて適温になった白湯を飲んだ。(OS-1も飲んだ)


身体が水分を求めているのか、水分を沢山取る割にはお手洗いに行きたくならない。


脱水症状にならないように気を付けなくては、と思う。


たまにポカリスエットやOS-1を口にして塩分や糖分、ミネラルも補給することも意識する。

OS-1は人間の血液に近い組成で、意外と塩分が入っていると聞いたことがある(だから、熱中症対策と言ってもがぶ飲みは厳禁)


OS-1は相変わらず美味しく感じる。とにかく汗をかくので、脱水症状を起こしかけているらしい。

(繰り返しになるが、OS-1は普通の状態のときに飲むととんでもなくまずい。私は普通のときに熱中症対策に試しに飲んでみて、こんなにまずいんだー、と驚いた)


シャワーは着替えをするとき浴びた。ドライヤーがあるのが助かった。湯冷めしないように、タオルですぐに体を拭き、すぐドライヤーで髪を乾かすようにしていた)

リンスインメリットシャンプ―がこれほどまでに有難いのは初めてだ。

私は普段、結構高級なノンシリコンシャンプーを使っている(匂いが好きなやつ)

これにはちゃんと理由があって、私は調子が悪くなるとお風呂に入るのがおっくうになる傾向があるので、少しでもバスタイムを楽しくさせるためにシャンプーとコンディショナーにはお金をかけている。普段化粧をほとんどしないので(一応、もってはいる。ちなみにアイシャドウ等は資生堂のマキアージュを愛用している。ファンデーションはナチュラルグラッセという日本製のいい香りがするファンデーション。チークはBODYSHOPのものを使っている。口紅はマスク全盛でほとんど使わないが、友人から誕生日プレゼントにもらったシャネルを。月1,2回の仕事のとき以外、化粧をしないのでほとんど減らない)


話が横道にそれたが、とにかくメリットは髪がきしきしになるし……と倦厭していた。だが、今は衛生的に体を保てるのが本当にありがたい。髪のきしみもほとんど気にならない。(私がメリットを試したのはずいぶん前なので品質が向上したのかもしれないが)リンスインシャンプー。メリット万歳。


こんな風に過ごしていると、スマホに登録していない電話番号から、着信があった。

嫌な予感がしながらも、電話をとったら保健所からだった。

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