2021年 5月24日 体調報告アプリLAVITAについて他

書類を読んでいると、体温と酸素量の報告は朝7:00と16:00に行うことと書かれていた。


報告方法はipadに入っている「LAVITA」というアプリを使って行うとのこと。

試しにipadの電源を入れてLAVITAというアプリを探す。

見つかったが、つながらない。どうやら、ipadをwifiにつなぐ必要があるようだ。

wifiのIDとパスワードが書いてある紙を探すのに少し手間取ったが、無事に

ipadをwifiに繋いでアプリを起動させる。


もうすぐ16:00なので、テストがてら数値を入れてみようとするが、

なかなか操作が難しい。使いづらいアプリだった。お年寄りなど機械類に疎い人はこれを一人でやるのは、大変なのではないだろうか。そもそもipadをwifiに繋がないといけない、ということがどこにも記載がないので(つなぎ方等の説明書類もない)

LAVITAの操作方法の紙もないので、自分で試行錯誤するしかない。

これは不親切である。

(だから、ガラケーを渡すのかもしれないが。LAVITAが使いこなせない人はガラケーで体温等を報告する、ということなのかもしれない)


四苦八苦していると、ガラケーに着信があった。


「福井真世さんでお間違いないですか?」

電話の度に必ず本人確認をする。そういう規則のようだ。

「はい、間違いありません」

「福井さんは体温が高いので、通常であれば、報告は夕方16:00と朝7:00の2回ですが、福井さんは、昼12:00と夜20:00にもLAVITAで体温と酸素量を報告して下さい」

「つまり、一日四回、ipadに入っているLAVITAを使って体温と酸素量を報告するんですね?」

「おっしゃるとおりです」

「わかりました」

「もうすぐ16:00ですが、もう体温は測りましたか?」

「まだです。測ったらLAVITAで報告しますね」

「まだ10分ありますが、今すぐ報告して大丈夫なので」

「あ、そうですか」

「はい」

「わかりました。じゃあ、電話を切ったらすぐに報告します」

「よろしくお願いします」

熱は38.8度 酸素量は97だった。

LAVITAをいじっていると、熱と酸素量のほかにも咳がある、とか、頭痛がひどい、物が食べられない、などのオプション項目も選べることが判明した。(しかし、とてもわかりにくい場所にある)

今のところ、少し咳が出ているので「咳がある」にチェックをつける。

試行錯誤しながらも15:55ごろにはLAVITAで体温と酸素量の報告をすることが出来た。(ちなみに脈拍、という項目もあったので念のため、記入しようとしたらうまくいかなかった)


LAVITAでの報告を終えたあとは、書類の束との格闘を再開。細かい字でいろいろ書いてある。3枚、記名と提出が必要な書類があった。

主な内容は万一入院することになったときのペットの処遇について。

最寄りの自治体の保健所預かりになるらしい。

それは可哀そうなのでどうにかして避けたい。


家族連絡先をどう記入するか迷った。私には配偶者がいないので、普段はこういうとき家族連絡先として父の名前と電話番号を記入するのが常なのだが、今は両親ともに入院してしまっている。書いていいものかどうか。


ガラケーで本部に連絡して事情を話すと、入院している家族のほかに誰かご家族はいませんか、と聞かれたので同居はしていないが、弟がいる旨話す。


結局、代表家族連絡先は弟の名前と電話番号を記入することになった。


弟には迷惑と負担をかけっぱなしだ。


書類にはあらかた目をとおしたし、寒気がしてきたので、少しベッドに横になる。

暖房やクーラーはいれず、窓を開けて網戸ごしに換気する。


18:00になったので起き上がり、大テントに夕食を取りに行く。

(念のためエコバッグを持って)


大テントは体育館のような施設で、入り口に消毒液が完備され、ペッパーくんのようなロボットがいる。お弁当のおいてある机に同意書を入れる箱があったので記入済みの同意書を入れた。差し入れコーナーがあり、そこに、ガラケーで看護師さんが言った通り私の部屋番号が書いてある袋があった。

中身は部屋に帰って確認することにして、エコバッグに荷物をいれる。

(解熱剤と氷枕が入っているはずである)


大テントにはお弁当のほかにアメニティ類も置いてあった。

意外とアメニティは充実している。ペットボトルの緑茶、カゴメの野菜生活(野菜と果汁のジュース)の紙パックジュース、紅茶と緑茶のティーバック、インスタントコーヒーなども置いてある。紙コップもあった。あとはゴミ袋や、ペットシートの替え、ハンガー、タオル類なども置いてあった。足ふきマットがなかったので、足ふきマットがわりのタオルを一枚拝借する。

ほかに野菜生活を二本、緑茶ペットボトル一本、OS-1一本、緑茶ティーバックを1個にペットシートの替えを2枚、エコバックにいれる。


エコバック万歳。持ってきてよかった。


部屋にすぐに帰り(大テントの往来中、2人の人とすれ違ったが、挨拶もなかった。視線を合わせない感じである。私は一応会釈だけしておいた)自分より、まず、マロンのごはんの準備をする。


マロンは食いしん坊なのでご飯を食べない、ということは今まで一度もなかった。

(やんちゃな子犬の頃、誤って、泊まりにきていた叔母のバッグの中に入っていたミントガムを探り出して、食べてしまい、胃の中を獣医さんに綺麗にしてもらったあと、そんな喉と胃が痛くなりそうな処置をしたあとにも関わらずがつがつごはんを食べていた逸話も持っている)

いつものドライフードをお湯でふやかして、もってきた餌皿にいれたものを檻の中にいれても、食べる気配がまったくない。


そもそも、キャリーケースの外に一歩も出てこないのだ。


「マロン?」


声をかけ、指を差し出すと、鼻先をこすりつけてくるが、それ以上はしない。

ここに来てからおしっこも糞もしていない(いつもなら一日何回もする子である)

キャリーケースから出てこないので、キャリーケースの中で粗相をしている可能性もなくはないが……


なんだか、マロンのことが心配になってきた。

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