2021年 5月23日 父が入院する。念のため、遺書を書く。
宿泊療養についてのwebサイトを見ながら、荷造りの準備をすすめる。普通のホテルには洗濯機の設備がないが、ペットと入居できる療養施設には洗濯機があるらしい。ありがたいな、と思う。
もし、療養先で体調を大幅に崩し、私が入院の憂き目にあえば、マロンは保健所預かりになるらしい。それは避けたい。
父も入院の支度を整えている。顔色も悪いし、バナナを少し食べただけで全くものを食べようとしない。
入院先の母からメールが来る。メールの文面からの印象だと、思ったよりも元気そう。
両親と同じ職場で働いている弟や従業員、そして、弟の子供もPCR検査を受ける。
12時に宿泊調整センターから電話がある。39度以上の熱が出たらすぐに連絡して欲しいと言われる。
お昼ご飯は素麺とプリンとオレンジ。素麺は一把だけゆでた。それすらも、本当は食べるのが苦しい。オレンジは美味しい。弟が買ってきてくれたものだ。
昼食後39.6度の熱が出るが、電話してもつながらない。再度電話するとも言っていたので、待つしかない。
マロンの様子が落ち着かない。大好きな母がいなくなった家。不穏な空気を感じているみたいである。ずっとうろうろ、歩いて、私に身体をすりつけてくる。
午後1時頃父の受け入れ先の病院が決まり、午後14時半ごろ迎えの車に乗って父は病院に向かった。
迎えの車は救急車ではなく、ワゴン車のような車だった。
午後17時ごろ宿泊調整センターから電話が入る。熱が39.6度出たことを話すが「まあ、それはお辛いですね」とどこ吹く風。朝電話に出たお姉さんとは全く違う。お役所である。
こうなれば腹をくくってマロンを連れて、療養施設に入るしかない。入院にならないよう、方策を練ろう。
保健所の人から、花粉症治療薬(シダキュア)の服用は免疫を下げるので主治医に相談して中止して欲しい旨を言われていて、電話連絡をして、昨日からシダキュアの服用をやめたのだが、そうしたら、結構調子がいい。食欲も出てきた。
夕飯はひき肉、しめじ、卵でチャーハンにした。
夜、気合を入れて遺書のようなものをしたためる。
段ボール箱を一つ用意し、中に、預金通帳、印鑑、保険証書、あとUSBメモリを一つ用意して、その中にテキストファイルで実家のホームページの更新のために必要いなるID/パスワード等と私が使っているネット銀行のログインパスワード等をどんどん書いて保存していく。
仕事の引き継ぎ書(私が作っているホームページの顧客先への書類、私がいなくなっても安く引き継いでくれそうな業者さんの名刺も入れたりなど)も作る。
仕事の引き継ぎ書はプリントアウトして、仕事先の名前を書いた封筒にそれぞれ入れる。
そして最後にA4用紙一枚に箱の中に入っているものを箇条書きにしたもの(目録というか一覧と言うか)書いて、箱の一番上にそっと載せる。
私の人生、残すものは箱一つに集約されるのだなあ、と感傷的なことも頭をよぎる。
体温朝39.1度 昼37.7度 夜37.1度
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