2021年 5月22日 PCR検査で陽性反応が出たという報せが入る

 医師から処方された強めの解熱剤は服用すると汗ががーっと出て一気に熱が下がるのだが、効力はせいぜい3時間程度で、徐々に熱があがってきてしまう。特に夜は依然として40度近くの高熱が出るのでとても辛い。


 朝ごはんに果物が入ったヨーグルトを食べて薬を飲むとまた汗がどんどん出て、身体がすっと楽になった。熱を測ってみると36.4度。いい感じである。


身体が楽になったので、スマホでゲームをしたり、パソコンで文章をしたためたりする。(もちろん合間合間に30分~1時間ぐらいの睡眠をとりながら)


陽性だった場合は今日電話連絡がある可能性もあるので、スマホの充電量に気を付けつつ、着信音量は大きめに設定してしておく。


昼食はしめじとひきにくとキムチが入った素麺チャンプルーにした。

熱が下がったせいか、食欲も戻ってきている。


心なしか、全くしなかった臭いや鈍っていた味覚も少しだけ回復した気もする。

熱がない状態で解熱剤を飲むのは少し抵抗があったが、昼食後の薬も指示通り服用する。


しばらくしてまた汗を滝のようにかいたので服を脱ぎ、濡れたタオルで体を拭き、新しいパジャマに着替える。


午後13時半を過ぎても電話がないので、これは陰性だったのかな、などと暢気なことを思っていると電話が鳴った。


 電話は病院からの電話で、医師からPCR検査陽性の旨通知された。

 鉄アレイで殴られたようなショックを受け、頭の中が真っ白になる。

 

 医師が言う。「今から保健所に通達を送るので保健所から福井さんに電話があります」


 電話を切って、どうしよう、と途方に暮れる。

 2階で休んでいる父、別室で休んでいる母に、PCR検査が陽性であったことを告げると、顔がみるみる真っ青になった。


「どうしよう……私たちも検査受けたほうがいいよね」

「とにかく保健所からの指示を待とうよ」と私は言う。


そして、 1時間半ほどすると保健所から電話連絡がはいる。


まず、現在の体温や症状、発症前、三日前の間、家族以外に濃厚接触者がいないか聞かれる。


近所のスーパーに買い物には出ていたこと、その際はマスクをきちんとして店頭でアルコール消毒していたことなどを告げる(スーパー名は聞かれなかった)


そして、今はホテル療養の方向で動いている旨告げられる。


私は、持病(統合失調症)について説明した。今は陰性症状という鬱的な症状が主で状態は安定していること。ただ、障害手帳も持っていることなども話す。


処方されている薬、残薬について保健所の人に説明する。地震や災害に備えて多めに処方薬をもらっている旨を話す。

「明日、宿泊調整本部から電話で諮問があります」


 あと、濃厚接触者である、同居家族(父と母のことである)のもとへもPCR検査の案内がいく旨つたえられた。保健所の方に両親の電話番号を伝えた。


電話を切って、メールをチェックすると、パルスオキシメーターを置き配で届けた旨の連絡が入っていたので慌てて玄関をあけて荷物を確認する。


購入したパルスオキシメーターがやっと届いたのだ。

早速、開封し、電池を入れて、自分の酸素量を測る。私は97。父は96。だが母の酸素濃度が90と89の間をいったりきたりしている。これはまずい。


保健所に慌てて連絡し、事情を話すと、保健所からの指示で母と父は公共のセンターではなく、感染症外来のある病院でPCR検査をうけることになった。


父が車で保健所に指定された病院に向かうことになり、私は二人を見送る。


夜、父からメールで連絡が入る。

母が肺炎を起こしていてPCR検査を受けた病院にそのまま即入院になったこと。

父も母もPCR検査陽性であったこと。


夜21時過ぎに、父がいったん帰宅した。体調は良くなさそうだ。顔が白い。

ずいぶん痩せたように見受けられる。


夜21時半過ぎに再度保健所から電話があり、父も癌の治療をしているため、翌日入院することに決まる。


そして、ホテル療養が始まるまで、メールで保健所に朝の体温と夜の体温を報告するように言われる。


マロンのことが心配だったが、父が保健所と交渉し、ペットと共に入居できる療養施設を第一候補として調整することに決まった。


夕飯は冷蔵庫の中身を使い切るために野菜たっぷりのポトフにした。


体温 朝40度 昼36.4度 夜37.7度

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