4輪


ポタッ


冷たい何かが私の顔に当たる


『ん....』


体を起こし、目をこすり辺りを見回すと

夢に出てきた森の中の祠の前にいた


『え...私落ちたんじゃ。』


ポタッ....ポタツ...


目の前に大きな粒が、降ってくる


『なに...?』


降ってきた方向に目をやった


『!?....あっ...あ..』

目の間には、よだれを垂らした鳥が私を見つめてた

腰が抜けて立てない。


なにここ?地獄?死んだの?夢?

私の頭は、ぐるぐる回る


ぎえええぇぇぇ


鳥が、太く長い声を荒らげ、思わず耳をふさぐ


「おい、人間。貴様。どうやってここに来た?」


低い声にビクッと体が震える

『え...あっ』

このありえない状況に、どもってしまう


何?なんなの?夢?


「ふふふはっはははは。まぁいい。俺は腹が減っていてな。

人間なんぞ、久しく食うておらん。」


食うって私を?!


「貴様がどうやって来たのか、気にはなるが食ってしまえば皆同じ。なぁ?人間」


ニヤリと笑うその鳥の口からはよだれがしたたる


”食われる”


本能的に私は、先ほどまで動かなかった足が動いた


「おーおー!狩りなんぞ久しいのう。そうだな人間!

俺から逃げろ!逃げられるものならなぁ!!」


後ろから聞こえる声を無視し、森から元自分が住んでいた町の方へ走った


『はっ..はっ...』

何?一体どうなっているの?


裏を振り返るが、鳥の姿はない。


久しぶりに走ったせいか、体力がないのか


息があがる。


『ここまでっ..はあ..来れば』


「終わりか?人間。つまらんのう」


バッと後ろをみる


「ほれ、走れ。走れ。」


ベロッと頬を舐められる


『ひっ...!!』


本当は入りたくなかったけど仕方ない。


整備させておらず無造作に木が、生い茂っている方に駆け込んだ



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転移したら妖怪の嫁になりました yupi @hapi__777

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